ひとり新聞 2001年10月21日号 <通じた!>
私は、毎月第2木曜日に所沢に出掛けています。所沢失語症ライブに参加するためです。最初のきっかけは
読売新聞の記事「医療ルネサンス」でした。その記事を読むまで、私は、「失語症」という言葉も、
「言語療法士」という言葉も知りませんでした。
(言語療法士は、後に言語聴覚士という名称に変更されました。)
そして、見事に失語症ライブの楽しさに嵌ってしまったのです。ワクワクして、ドキドキして、笑って、
時にはジーンとして涙が出そうなったり…。1ヶ月に1度、皆さんに会いたくて出掛ける日々が続いて
います。
失語症ライブの楽しさのひとつに、言葉が通じた! 分かった! という瞬間のワクワクさがあります。
10月11日に開催されたつどいでは、スポーツの秋ということで、「得意なスポーツ、好きなスポーツは
なんですか?」という話題で盛り上がりました。
お身体がご不自由な方も多いので、スポーツ観戦が好きという方が多かったようですが、それでも「子供の
頃かけっこが早かった」とか、「運動が苦手で、運動会が大嫌いだった」とか、いつもと違う一面を知ること
ができました。
「えー、私も運動苦手でしたよ」とボランティアさん。にぎやかなつどいになりました。
なかなか通じ合えないお二人は、筆談から絵を描いての会話になりました。
伝えたい! 分かりたい! という気持ちがあれば、海外で言葉が出来なくても通じたという経験をお持
ちの方も多いと思います。
同じようなことが、言葉の不自由な方とボランティアの間でも起こります。
五角形の絵から野球のベースを想像して「野球?」
網目模様にネットを想像して「テニス? バレーボール?」
いずれの答えにも、「ノー」の意思表示が・・・。お手上げ状態になったところで、遠藤先生の助け舟が出ました。
そして分かったのは、なんと「将棋!」。得意なものは、将棋だったのです。
スポーツとばかり思い込んでいたので、迷路に入ってしまいました。
分かってみれば、五角形は将棋の駒、網目は将棋版の目だったのです。
素晴らしい出来栄えの絵でした。
ご家庭でも絵を使ってコミュニケーションされているということも分かりました。
それにしても、通じた時のお二人の嬉しそうだったこと。私まで、嬉しくなって元気になりました。
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