ひとり新聞 2001年9月15日号 <講演デビュー>
「べてるの家」には、「講演デビュー」「講演療法」という言葉があります。
あちこちに呼ばれて、川村先生や医療ソーシャルワーカーの向谷地さんが講演に出掛ける時、
メンバーも積極的に参加しています。
戸田で開催している「そのまんまが大好き上映会」も、今年で6回目。
9月2日に開催されました。
「今度は、誰が来るの?」と、みんなが楽しみにしています。
「誰が来るか、当日まで分かりませーん」と、私はニヤニヤ答えています。
だって、本当に分からないのですから…。
初めの頃は、「誰が来るんですか?」なんて質問を、私が「べてるの家」にしていたのですが、本人が
楽しみにしすぎて、前日にダウンしてしまったり…なんてことを経験するうちに、分かってきたのです。
開けてびっくり玉手箱。その日まで誰にも分からない、お楽しみなのです。
今回も前日に風邪で発熱してしまったり、本人の気持が変わったりで、ギリギリまで決まりませんでした。
急に参加が決まった伊藤さんはコチコチ。羽田で会って会場まで案内する時も緊張しまくりで、心配なくらいでした…。
彼にとっては、初めての講演旅行です。
荷物をしっかりと握り締め離そうとせず、席があいても動こうともしません。
「荷物、置いたら?」「座ったら?」と、声を掛けるたびにピクンと緊張が走るのです。
でも、SSTで何度も講演の場を練習してきたそうで、病気のことを家族にも隠していたという、
辛い経験を淡々と語ってくれました。
2会場での講演を無事に終えて帰る時、羽田空港で彼は言いました。
「自分のことを話すというのは、気持のよいものですね」
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