戦争直前のイラクへ突入し、現地人にインタビューした作品「笑うイラク魂」の作者が、奥さん
と小学2年生のお嬢さん風美(ふみ)ちゃんと連れ立って、再びイラクへ・・・。
前作の「笑うイラク魂」は見ていないけれど、すごーく面白いか、すごーくつまらないか、どちらか
なのでは・・・と想像しながら、見に出かけました。
「UPLINK FACTORY」は、不揃いの椅子が、雑然と並んでいる。まるで、映画上映が趣
味の人のお家に行ったみたいな感じの映画館。ワンドリンク付きなので、100円を足してビールを
飲みながら見ることにしました。
最初はすごく面白かったのですが、途中から見事につまらなくなりました。それは何故なのだろうと、
見ながら考えてしまいました。
旅立つ前の慌しい準備の様子、風美ちゃんのためにレトルトカレーを大量に買い込んだり、周りの人
たちに反応を聞いてみたり、空港で豚が食べられないと聞いた風美ちゃんが「豚が食べたーい」と言
い出したり・・・。何かが始まる時のワクワク感に溢れていました。
最初イラク行きを嫌がっていたらしい風美ちゃんも、準備が進むうちに「行ってもいいかなぁ・・・」
という気持ちになってきたようです。
イラクに向かう辺りから、急に艶やかさがなくなっていきました。イラクへ向かう道すがら、車窓風
景から車のバックミラーにカメラがパンすると、カメラを構えている吉岡監督自身が写し出されます。
「私は、イラクに向かっています・・・」というナレーションが重なり、再び車窓の風景へ。そこに
は、荒れ果てた景色が広がっていました。
ラストは、小学校の廊下から青い空にパンするカットで、「風美の夏休みは、こうして終わりました
・・・」と、映画は終わります。
すでに考えていたことを、考えた通りに撮り、考えた通りに仕上げている・・・。そういう印象が残
りました。
こういう作り方をする人たちが、これからどんどん増えてくるのでしょう。ビデオカメラ
で撮ることは更に手軽になり、自らの手でパソコンを使って映像編集する人も多くなることでしょう。
意図したことを、意図した通りに撮り、仕上げていくことが、どんどん可能になっていくと思います。
撮れているものを見ることから編集作業を始めるという方法は、もう古いのかもしれません。でも、
被写体に向かい合うことで、思いがけない発見や気付きがあり、広がりやつながりを実感することが
できるのも事実です。
話している人の後ろに、思わず頷いている人や聞き耳を立てている人が写っていて、それぞれの思い
や全体の雰囲気がわかってくる・・・。編集作業に入ってから、だんだんと姿を現し、つながってい
く感じ・・・。私は、そういう感じがとても好きです。
四角く撮ろうと思って、見事にそれが撮れて、作品になったとして、撮影や編集という作業をしなが
ら、ワクワクしたり、ドキドキしたりするのでしょうか?
頭で考えた映像というのは、それ以上にはならないような気がします。あの面白さの落差の原因は、
その辺りにあるような気がするのですが・・・。
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