犯罪者の更生を考える
作品名:ライファーズ
監督:坂上香
2004年作品
日本
ニューヨーク国際インディペンデント映画祭
「海外ドキュメンタリー部門」最優秀賞受賞作品
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ライファーズとは、アメリカで終身刑または無期刑受刑者のことを意味する言葉。アメリカの場合、終
身刑は文字通り終身刑なのだそうです。
アメリカの刑務所内に入って撮影された映画なのですが、れっきとした日本映画。しかも、テレビドキュメ
ンタリーで犯罪や更生の問題に取り組んでいた女性・坂上香さんのフリー初監督作品です。ちょうど、犯罪
被害者家族へのインタビュー作品「生きてこそ 償える 癒される」に関わったばかりだったので、見に出
掛けてみました。
刑務所内での撮影に成功し、非公開の更生プログラムの場にカメラが入ったというので注目を浴びた作品で
すが、結局、アミティというNPO活動・更生プログラムの紹介のような作品になっていました。
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刑務所内にカメラが入れたのも、非公開の更生プログラムの撮影ができたのも、アミティの更生活動を
多くの人に知らせるという目的があったからであり、撮影許可が出たのも、アミティの活動実績があったか
らのような気がします。
もちろん、日本では刑務所内にカメラが入ることなど到底できないでしょうから、そういう意味では意義あ
る作品だと思います。でも、逆に考えると、アメリカには刑務所内の生活や更生プログラムを撮影したいと
思う人がいなかったということでしょうか。
「浦河べてるの家」(北海道・浦河町にある精神障碍者の生活拠点)に関わっている私には、多くの人が感
激しただろうと想像される更生プログラムも、新鮮さに欠けていました。と言うのも、「べてるの家」で実
施されているSST(生活技能訓練)やSA(精神障碍者の相互援助)で、大切にされていることも、“自分を受
け入れる”ことであり、“共感の力”だからです。
日本では更生として“労働”が準備されているそうですが、死刑が確定すると、その労働もなくなり、個室
でただひとり時を過ごすことになるそうです。手紙を出す相手も、その数も制約され、面会も限られた人し
か許されない生活になります。
犯罪被害者家族の原田正治さんは、一言罵声を浴びせてやろうと思い、保険金目的で弟の殺人を指示した被
告に面会に出かけます。ところが、いざ、面会に出かけてみると、なぜか心が癒される感覚をおぼえたそう
です。そして、被告との交流が始まり、死刑が確定すると被告との面会は許されなくなってしまいます。
原田さんは名古屋拘置所長に提出した上申書で、「どんなに謝罪をしても、どんなに償いをしても、犯した
罪はけっして許されるものではありません。しかし、死刑をもって処理することについては、一被害者家族
の一人としてけっして望むものではありません。生きているからこそ、そこから、形はどうあれ、謝罪が生
まれ、償いの気持ちも生ずることができるのではないでしょうか。私どもはそう考えています。」と、その
思いを綴っています。
死刑が犯罪の抑止力にならないということも明らかになっています。罪を償うことの意味、受刑者の更生、
刑期を終えた人たちの支援など、日米の差を参考にしながら話し合う良いきっかけになる作品だと思いま
した。
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犯罪被害者家族・原田正治さんのインタビュー作品「生きてこそ 償える 癒される」
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