大人の余韻
作品名:ウィスキー
監督:ファン・パブロ・レベージャ&パブロ・ストール
2005年作品
ウルグアイ・アルゼンチン他
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ハコボ と マルタ
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日本で写真を撮る時、いつからか「チーズ」と言うようになったのでしょう…。この頃はあまり言わない
かな? 日本の“チーズ”が、韓国では“キムチ”だと知ったのは、韓国を旅した時。ウルグアイでは“ウィ
スキー”と言うことを、この映画で初めて知りました。
南の小国ウルグアイ。ウルグアイ生まれの映画は、なんと今までに60本しか作られていないというのに、世
界中で大ヒットしている映画があります。それが「ウィスキー」。
その不思議なタイトルに惹かれて出掛けまてみました。
父から受け継いだウルグアイの小さな靴下工場を経営する無口なハコボ。助手のマルタは、ハコボの指示に従
い、真面目に働くたった一人の従業員。
ある日、昨年亡くなった母親の墓石健立式に出席するため、ブラジルで同じく靴下工場を経営するハコボの弟
・エルマンが、訪ねてくることになりました。
突然の訪問の知らせに、ハコボは、マルタに「夫婦を装ってほしい」と頼み込みます。孤独な暮らしをしてい
る二人は、急遽、一緒に暮らすことに。ベツトを整えたり、写真を飾ったり、買い物をしたり、動き回るマル
タ。いつもは指示を出す側のハコボは、ただウロウロと戸惑うばかり・・・。
ぴたりと付けられたベツトに困惑して、ベツトを離すけれど、マルタはそのベツトを再び近付ける…。真面目
なマルタは、経営者の指示通り完璧な夫婦を装うととしているかように見えるのですが・・・。
ひとつひとつの行動に、二人の心理が見え隠れして、おもわずニヤリとしてしまうシーンが重なっていきます。
疎遠になっていた兄弟は、久しぶりに再会して自慢の靴下を交換します。その靴下の品質で、弟の羽振りの良
さが分かります。弟エルマンは、新型の編み機を購入すればよいのにと、兄に勧めるのですが・・・。
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景気の良い陽気なエルマンは、建立式が無事に終わると、二人を誘って旅に出ます。記念写真を撮る度に、
必ず「ウィスキー」と言って、笑顔で納まる二人。思わずついたひとつの嘘が、二人の作り笑顔を生み、三人
の奇妙な旅は続いていきます・・・。
「ウィスキー!」思わず一緒に言ってみたくなるから不思議です。
マルタの変化がすごい。とても演技とは思えない。
ホテルの廊下を延々と歩く長い長いシーンが心に残りました。延々と歩くそのヒールの音。その響きの先で、
何が起こったのか、何が起こらなかったのか、それは分からない。その分からなさを余韻として楽しむ大人の
映画でした。
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