『妻はフィリピーナ』は、NHKの朝のニュースでも取り上げられていたり、それに前後
して、いろいろな記事を目にしていたので気になっていたのですが、なかなか観るチャンスが
ありませんでした。忘れかけた頃に「上映会がある」というので、雨の中を出掛けてみること
にしました。
監督でもある寺田さんが、フィリピンに電話をしているシーンから映画は始まります。次のシ
ーンは、フィリピーナと結婚している矢部さん宅。そして、次は寺田さんの妹・早苗さんが、
兄の国際結婚への戸惑いを話すシーンです。
映画を観ているというより、近所の出来事を、傍で見ているような感じ。カメラは動かず、ズ
ームもしないので、かえって自分の興味で焦点を合わせたり、自由に見て回っているような感
じでした。
寺田さんと早苗さんが、結婚式のためにテレサさんのいるフィリピンに出発します。慌しい結
婚式の準備、結婚式、早苗さんのフィリピン体感旅行、フィリピンでの新年、テレサさんの出
産で、第1部は終わります。
テレサさんが、どんな顔で、どんな人なのか? ほとんどわからないまま、第1部は終了して
しまいました。
第2部は、テレサさんが「私のものよ!」と、カメラに草を突き出すシーンから始まります。
日本で稼いだお金で買ったフィリピンの土地。
「この草も、ぜーんぶ、私のものよ」
テレサさんのあっけらかんとした明るさに圧倒され、したたかさも垣間見て、テレサさんの存
在がぐっと近付いたところで、二人のおぼつかない日本での生活が始まります。
帰国、アルバイト生活、矢部さんの赤ちゃん誕生、早苗さんの結婚、寺田さんの父とテレサさ
んとのやっとの対面、赤ちゃんを預けていたテレサさんの母・カルメンシータさんの来日、カ
ルメンシータさんを母と思って、なかなか懐かない娘の陽子ちゃん…。
第2部になると、カメラが自分の興味でどんどん動き、それについていく感じで、俄然面白さ
が変わりました。次から次へと飛び込んでくるシーンを、一気に観ていく感じでした。
一番おもしろかったのはラストシーン。眠っている陽子ちゃんの傍らで、寺田さんとテレサさ
んが布団の中でお喋りをするシーンです。
覆いかぶさるようなアングルが、なんとも不思議なポジションを与えてくれました。
そこで判明するのが「結婚したい」と言ったのは「ただ、口だけだよ」という事実!
「そ、そうなの?」と、あたふたする寺田さん。
今の生活が信じられず「なんか変なの…」と、寺田さんがひとりごちて、映画は終わります。
誰にもわからない永遠の謎? ? ?
寺田さんとテレサさんの結婚生活は、なんとも危なっかしい。でも、考えてみれば、危なっか
しくない結婚生活なんてないかもしれない。
少しずつ少しずつ自分たち流の生活を築いていく寺田さん一家。母親になることに戸惑いを見
せていたテレサさんが、どんなお母さんになっていくのか、頼りなさげな寺田さんが大黒柱に
変身するのか? この先を見てみたいなぁ〜と思わせる映画でした。
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