「青い空はぼくの家」は、インドネシアでは上映を禁止されているそうです。という
ことは、すごく政治的な作品なのかな・・・と思ったのですが、そういう印象の作品では
なく、少年の心温まる物語でした。
スラムに住み、ゴミを拾って暮らしているグンポルは、向学心の強い男の子。ある日、小
学校の授業を覗きにいきます。泥棒と間違われたグンポルに、なぜか興味を持ったアンド
リは大金持ちの息子。
何故か気の合った二人は、お互いを“ブン・クチル”(小さな同士)と呼び合い、友情を
深めていきます。アンドリは、姉の読み終えた外国雑誌をせっせとグンポルに運びます。
グンポルは、困惑しながらも、貰い受けた雑誌を「写真が特別にきれいだから・・・」と
交渉して、高く買い上げてもらいます。
初めてグンポルの家を訪ねたアンドリは、あまりの貧しさに言葉を失います。
いつもベンツで送り迎えをしてくれる運転手のディミックは、「グンポルは貧しくない。
心が豊かだからね・・・」と、微笑みます。
お手伝いのバルーンも、貧しくて学校に行けませんでした。「だから、こんな仕事をして
いるのよ」と言いながらも、母のいないアンドリの世話を優しくしてくれます。
アンドリの父親は仕事がとても忙しく、大学生の姉は遊びで忙しい・・・。経済的にはと
ても恵まれた生活を送っているアンドリだけれど、いつも寂しい思いをしているのです。
独立記念日の近付いたある日、グンポルの家は不法占拠という理由で撤去され、両親も弟
たちも収容されてしまいました、何もかも失ってしまい唖然とするグンポルに、スラムの
詩人は言います。
「お前も、お母さんたちと一緒に行くかい? 今より良い生活、1日3食付だよ」
「食事付きでも行きたくない」
心配するアンドリに、詩人は言います。
「心配はないよ。家がなくても空があるからね。青空がぼくたちの家なんだ」
「独立記念日が近付くと、いつも町はきれいになる。その度に家がなくなるんだ」
すべてをなくしてしまったグンポルは、学校に通えた村の生活に戻ろうと考え、祖母を訪
ねることにしました。修学旅行に行かずに、祖母を訪ねる旅にアンドリが同行する辺りか
ら、二人の表情がイキイキしてきて、見ている私もワクワクしました。
旅を通して
深い友情で結ばれ、大きく成長してゆく二人。でも、二人には辛い別れが待っていました。
デッキで手を振るグンポルは「ブン・クチル!」と、叫びます。ホームのアンドリは力強く
拳を上げて応えます。「ブン・クチル!」
いつか、この二人が、貧しい国インドネシアを変える“ブン・チクル”になったら・・・と、
願った私でした。
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