雨の中
割引券を配る館主の三上さん


2010年6月26日 割引券配り


いよいよ仕上に向けて資料撮りをしようと、前回のロケから意識して資料集めを多くの方々にお願 いしていました。そして、前回のロケで大方の資料はお借りできたのですが、お借りした資料を読 んで、初めて分かったこともありました。
予定していて撮影できなかったこともあるので、もう1回ロケをしよう! そう決心して再び浦河 へ。

灯台下暗しとはよく言ったもので、3代目館主の弟さんが浦河に住んでおられるとお聞きしてびっ くり! 驚くとともに、あまりにも当たり前過ぎて話題にも上らずにいることが、まだまだあるの ではないか? という気持ちにもなりました。

ロケの間の7月2日がちょうど3代目館主の三上政義さんの7回忌法要の日でした。三上家の皆さ んにはお忙しい時にご負担をお掛けしてしまいましたが、東京在住の長女さんが法要のためにいら っしゃるとのことで運良くお話を伺うことができました。

宣伝カーで「総天然色映画○○を上映中です」とテープに吹き込んだのは長女さんだったそうで、 父親の政義さんは「いい声だ」と言って、いつも長女さんに吹き込みを頼んだそうです。
当時、絵看板を描く専門の方がおられて、朝から晩まで看板を描いていたそうです。長女さんは札 幌に出て、他の映画館の看板を見て「大黒座」の看板のほうがずっと上手だと感じで誇らしかった というお話もしてくださいました。
お札の皺を伸ばして家族で数えたこと、映画館と家を結ぶ通路が暗くて怖かったこと、いろいろな 思い出話を聞かせてくださいました。なかでも、客商売の家に育ったせいかたくさん人が居ると嬉 しい気持ちになるというお話が印象的でした。

前回辿り着くことができなかった「居酒屋初子」のオーナーご夫妻にもお会いすることがでました。 「大黒座」を舞台に撮影された「結婚」のロケの最中に、佐藤浩市さんや名取裕子さんがやって来 たお話を伺うことができました。
「大黒座」の前で40年も営業している「酒仙」の女将さんにも、仕込みで忙しい中お話を伺いま した。

「昨日、割引券を配りに行った」とお聞きしてびっくり。
割引券を配っていたのは昔の話だとばかり思っていました。4代目館主の雅弘さんと佳寿子さんを つなぐ赤い糸だった「割引券」を、今でも配っているというので、翌日、車に同乗させていただき ました。
早朝から生憎の雨。雨の日は車で送ってもらう子供たちが多くてなかなか割引券を手渡すことがで きません。それでも、わざわざ割引券を受け取るために戻ってきてくれる子供もいました。

大学卒業と同時に浦河に戻って映画館を手伝い始めた雅弘さん。その当時から割引券を配っていま した。ある時、受け取った割引券を投げ捨てた男の子がいました。立ちすくむ雅弘さん。その雅弘 さんを見つめる少女の姿が目に入ったそうです。その少女こそ、後に妻となる佳寿子さんでした。
割引券配りを撮影しながら、雅弘さんのインタビューが蘇ってきました。



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