2008年10月30日 第5回大黒座まつりの撮影
人口1万4千余り。漁業と牧場の町浦河。
町に映画館があることを大切に思っている方々が中心となって、毎年秋に「大黒座まつり」を開催
するようになって5年目。大層盛り上がるので撮影をしてほしいとプロデューサーから連絡が入っ
て、再び、浦河へ行くことになりました。
「大黒座まつり」は夕方からなので、前日入りして札幌に泊まり、午前中に3館目の
「大黒座」を設計した永田まさゆきさんのアトリエを尋ねてインタビュー撮り。
札幌在住の永田さんだけれど、浦河出身の方だそうで、「2館目の大黒座の雰囲気がとても好きだったので、
3館目にも舞台と袖を付けたのです」と
話してくださった。
「大黒座」のことを、まだ、良く分かっていないし、まして「大黒座まつり」のことはまったく分か
らないので、まずは実行委員長の鈴木翁二さんにインタビューしようということになりました。
ところが、何度電話をしても自宅の電話は自動的にFAXに切り替わってしまって連絡がとれない・・・。
これは突撃取材するしかない!と尋ねることにしました。
実行委員長の鈴木翁二さんはガロでデビューした漫画家。奥様が浦河出身ということで浦河に住んで
おられる。お尋ねしたら、頭にタオルを巻いて唸っておられた。
この日、当日を迎える「大黒座まつり」の段取りなど、まだまだ、しなければならないことがたくさ
んあって・・・ということでした。
「お忙しい時にすみません」と言いながら、このチャンスを逃すと次のチャンスはなかなかこない!
と思って、強引にお願いしてインタビュー撮影を始めました。
ある会議の席で「大黒座」の窮状を知った鈴木さんは、一人でも多くの人に「大黒座」の存在を知っ
て貰いたい。「大黒座」に一人でも足を運んでくれる人が増えてほしいと「大黒座まつり」を企画す
ることにしたそうです。
最初は「一晩限りの映画酒場」。お酒を飲みながら映画や音楽を語り合おうという企画でしたが、今
年で5回目。今年からは「歌声酒場」も開催されるそうです。
「第5回 大黒座まつり」のトップバッターは高校生バンドでした。キーボードはお母さんの応援出
演というバンドで、PAさんたちにいろいろアドバイスを貰いながらリハーサルに望んでいる姿がとて
も初々しかった。
フォークメドレーあり、琉球三線あり、弾き語り、手品、昔の写真のスライドショー、そして、「大
黒座」を舞台に撮影された恩地監督作品「結婚」も上映されました。
以前、「大黒座」の前にあった割烹「若松」のご主人が大の写真好きだったそうで、たくさんの写真
を残しています。その写真のスライドショーはここ数年の人気企画。
観客の皆さんが、写真を見ながら「昔の浦河港だ」「煙突のすすを取っているんだ」「昔は駅の向こ
うはすぐに海った」等など口々に話されるので、それらがまるで解説のようで撮影しながら思わず笑
い出してしまいそうになりました。
小さな町はお互いに顔見知りで窮屈な部分ももちろんあると思うけれど、お互いを思いやる暖かなコ
ミュニティが存在し続けていることを感じた「大黒座まつり」でした。
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