2009年6月6日 札幌ロケ!
「第5回 大黒座まつり」の撮影に向う前に、札幌の郊外に住む一級建築士の永田まさゆきさん
のアトリエを訪ねてインタビュー撮影をしたのは昨年の10月の終わりでした。
単館の映画館を設計するという幸運な方は浦河出身の方で、なんと、4代目館主の三上雅弘さん
と同じ浦河高校出身。生まれ故郷の映画館を設計する時のお気持ちや大好きだった2館目の雰囲
気に拘ったお話、48席になった理由などをお聞きしたのですが、インタビュー撮りだけで時間
切れとなってしまいました。
永田さんの住まい兼アトリエは、山々に囲まれていて、ヤギを飼い、そのヤギの乳でチーズを作
り、パンを焼き、育てた野菜を使った料理を提供する「やぎや」というステキなレストランを奥
様が営んでいて、アトリエはその2階にありました。
6月は北海道の緑の一番美しい時期だからと、6月の初めに札幌ロケを計画したのですが、ここ
数年、蝦夷梅雨ということばが使われるようになっていて、まるで梅雨のような雨が降っていま
した。タクシーの運転手さんも「昨日も雨でしたよ」とのこと。雨さえ止んでくれれば、しっと
りとした緑もいいさ・・・と自身を言い聞かせ、雨の止んだ隙間に外景等を撮影しました。
映画の配給事情や3代目館主の三上政義さんのことも知りたいと思って、札幌の配給会社のこと
を調べたところ、現在は東映の札幌営業室が残っているだけでした。
昔は道内の館主さんが集まる館主会というものがあって、顔の見える営業ができたとお話してく
ださったTさん。なんと、偶然にも美唄シネマの娘さんでした。2月にお父さまが亡くなり、
「美唄シネマ」は閉館しているとのこと。ここにも、もう一つの映画館の歴史がありました。
そして、「大黒座まつり」の翌日、土砂降りの雨の中をバイクで帰っていかれた方が札幌在住だ
とお聞きしたので、その方にもコンタクトをとってみました。
Mさんは毎週のように札幌にある「蠍座」というミニシアターに姿を現すという。お聞きすると
「蠍座」のすべての番組を見ているとのこと。
「蠍座」のことも、ネットで検索したら素晴らしい映画館だということが分かりました。普段は
取材を受けないことが多いらしい「蠍座」の館主田中次郎さんが、撮影場所として「蠍座」を使
うことを許可してくださった。本当に、感謝!感謝!のロケになりました。
Mさんは、唐突な依頼にも関わらず、最初に「大黒座」へ行くきっかけになった「スタンプラリー」
の資料やその時に見た「リンダ リンダ リンダ」のリーフなども持参して、お話をしてくださっ
た。
「蠍座」では、1回見るごとにスタンプを1つ押し5つ集まれば1回無料で映画が見られるという
特典を設けています。全番組を見ているにも関わらず「Mさんは無料で見たことがない。ありがたい
お客さんです」と、館主の田中さんがおっしゃっていました。
初めて「大黒座」へ行った時、とても親切にしていただいたお礼に、Mさんは「蠍座」のプログラム
を「大黒座」に送り続けているという。映画を愛して、映画館を愛して止まない方なのだと思いま
した。
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