2003年5月8日 所沢失語症ライブ <ヤッホー!>
所沢失語症ライブに出掛ける朝。時計代わりにつけたテレビで「この頃の若い人は、お料理の用語がわから
ない」という話をしていました。
「魚をおろして」と言ったら、魚を下に置いたとか。「落し蓋」と言ったら、「どんな豚肉ですか?」と聞
いたとか。まさかと思いつつ、慌しく家を出ました。
5月のつどいと言ったら「鯉のぼり」の歌でしょう。
「鯉のぼり」の歌と聞いて、あなたの頭に浮かんでくるのは、どんな歌ですか?
♪ 屋根より高い鯉のぼり
♪ 甍の波も 雲の波
これ年齢がわかります!なんて言ったら、答えるのに考え込んでしまいますか?
若い方は、皆さん「甍の波?」と、怪訝そうな顔をされます。
「聞いたことない」「知らない」「甍って、わかりますか?」「?」
朝のテレビのことが浮かんできて、思わず笑ってしまいました。
この頃は瓦屋根の家が少なくなって、甍の波と言っても、なかなかイメージしにくいでしょうが、私には浮
かんできます。(笑)もちろん、ベランダで泳ぐ鯉のぼりでなく、屋根より高い鯉のぼりも浮かんできます。
参加者全員でお名前をお呼びして「はーい」と、お返事をしていただきました。
「はーい」の次は「おーい」を。
「おーい」の次は「ヤッホー」を言う練習をしました。
「おーい」までは難なく言えた方でも、「ヤッホー」は口の形をはっきり横に伸ばして、縦に伸ばさなくて
はならないので、苦労する方がいらっしゃいます。
「アッオー」「オッオー」焦れば焦るほど、言葉が出なくなってしまいます。
遠藤先生が「山はお好きですか?」と声を掛けられました。
首を振られて、ノーの意志表示。
「山が嫌いでは、山に登ったことはありませんか?」
「高尾山とか、行ったことありませんか?」
またまた首を振られて、困惑気味の先生ですが
「では、山を登って、頂上に着きました。ここは360度見渡せる。見事な景色です」
「思わず、ヤッホーと言いたくなりました。さぁ、言ってみましょう!ヤッホー」
細い声ながら「ヤッホー」と聞こえてきました。
もちろん、大きな拍手が起こりました。
「360度見事な景色・・・」青い空に、新緑の山々、気持ちの良い風が浮かんできました。
思わず、大きな声で「ヤッホー」と言いたくなる・・・。
言葉とイメージのつながりは、とても大切なものなのですね。言葉の向こう側にあるものを感じる、共有す
ることの大切さを学んだ「5月の失語症ライブ」でした。(森田惠子)
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