風洞トレーニングレポ


宇宙航空研究開発機構
   JAXA低速風洞一般公開
          2005年4月24日
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 最初にこちらをご覧ください。

   
風洞実験室の活用   [2003.4]

 一般公開の日に2×2低速風洞実験室を利用させ
てもらうようになって、今年で5年目になります。今
回は翌週から始まる大学の実験のため、実験室(カ
ート)が取り外され、送風口と吸入口がむき出しに
なって実験カート部がオープンスペースとなってい
ました(写真は吸入口)。

 まず、合図で使っている新選組「誠」旗を使って。
   
風速3m→旗は真横にはたなびかず
   風速4m→旗は真横になったり、たれたり
   風速6m以上  音を立てて真横にたなびく
 
 次に吸入口・開口部のわずかな斜度を利用して、
アプローチ姿勢を組んでみます。

 風速15mまでは問題ありませんが、風速20m
(時速80km、無風)ぐらいになると、少しでもつま先
にのると腰が落ちたり上体があがったりします。
 この点、和大は風速25mまではしっかり組むこと
ができました。

 アプローチで大切なのは足裏感覚ですが、背筋の
直線感と顔の向き(目線)がポジションに影響するよ
うです。
   吸入口開口部の斜度を利用して、シミュレーション
を行いました。
 驚くべき事に、足裏を広く使って正しい方向で立ち
上がるだけで、板をつけてなくても体が浮き上がりま
す。支えている側はもちろん、選手自身にもその体
感がはっきりわかるので、言葉で説明しなくても選
手自身が正確なサッツ動作を身につけることができ
ます。

 智文の場合、飛び出し速度85km(無風の条件)だ
と正確な動きができますが、それを越えると上体が
起きあがり大きな空気抵抗を受けてしまいます。
 つまり、現時点ではノーマルはトレーニングになる
けれど、ラージでは有効な練習にならないということ
がわかります。もっとも、実際には体重以上にかか
るGも考慮しなければなりません。
 
 
 これまではサッツの完了や空中フォームについて、      ▲ 風を体全体で受けとめる練習
上図のように、へそ下を支点とした体の中心軸ヤジ        
見学者も同じポーズを取り始める
ロベエとして考えてきました。
 しかし、今回、風速20mの中で支えたまま選手の
向きを変えると、体全体がよじれるようにバランスをとろうとします。しかもその動作は選手
自身は認識していません。どうやら中心軸だけではなく両肩(肩胛骨や胸鎖関節)からへそ
で交差する2軸で力のバランスが保たれているのではないかと考えるようになりました。
 また、アプローチ→サッツ→完了という一連の動作は動きの連続性の中でバランスやタイ
ミングを身につけるべきで、局部的な「こつ」だけを指摘しても伝えるのは難しいのではない
かと思いました。

 「当たり前じゃないか」と思われることであっても、選手の体感とコーチの支える感触が一
致するということは大きな収穫でした。