航空宇宙技術研究所 東京・三鷹(本所)、調布(飛行場分室)
HOMEへ戻る [雑記INDEXへ戻る]                2001.4.22見学


 航空エンジンやロケットの構造素材、そして次世代超音速旅客機などの研究を行っている国立の研究所です。
    航空宇宙技術研究所のHP

 スキージャンプでは科学的研究として、風洞実験(飛んでいる状態をつくる)が盛んに行われていますが、一般公開を機会に家族で風洞実験室の見学や航空力学の勉強をしてきました。工作教室や実験もあり大人も子どもも楽しめる1日でした。

【まずは原理の学習から】
 ちょっと見づらいですが、台と釣り糸で結ばれているピンポン玉が宙に浮いています。手品ではありません。きわめて初歩的な揚力の実験です。
 手前の管のノズルから吹きつける風によって、ピンポン玉が空気の層にはさまれて宙に浮いているのです。下から風で押し上げているのではないことがミソで、送風口のノズルを球から少し離すとピンポン玉もいっしょに引きつけられてしまうのです。専門的なことはわかりませんが、「なぜ飛行機は飛ぶのか」の一口メモを参考にしてください。
 送風モーターは草刈り用のものを使っているそうで、これならミニ風洞実験装置も作れそうです。

      【風洞実験室の見学】

  ↑ 低速風洞実験室(max:60m/sec)                         風速20mでの体感 ↑

 風洞実験室には低速用から超音速用まで様々な種類がありますが、ジャンプの分析に使うのはもちろん低速風洞です。風洞室の中に設置された測定器のバーの先に飛行機模型がついており、前方からの送風でさまざまな気流をデータ化するわけです。
 ジャンプの飛型研究の場合は、飛行機の模型の代わりに等身大のジャンパー模型をつけて測定しています。単純計算をすれば、無風状態の時、時速90kmでジャンパーが飛び出すと風洞室では風速25mということになります。
山形大・機械工学科の風洞実験

 超音速の飛行機でも、着陸時に追い風があると失速の危険があるそうで、実際の気流のデータ化は現在でも重要な実験であると言えます。
 風洞室内にある飛行機模型の翼が曲げられていますが、主翼の先端部は気流の回り込みがあり、このように角度をつけると空力効率がよくなるそうです。そういえば、最新モデルのジャンプ板は、空気抵抗で先端がたわむのではなく角ばって曲がるようになっています。ルール改正で先端部の板幅が若干広がったことと併せて、こういった点でも空力特性の分析が取り入れられているんですね。

      【一口メモ・飛行機が飛ぶ理由】

 車から手を出すと風を感じますが、これを動圧と言います。Aで受けた動圧は翼の上面B1と下面のB2に分かれますが、翼の後方のCでは同じ速さとなります。
 つまり
B1の気流はB2より遠回りしているにもかかわらずでは等しくなるので、B1の方が気流が速いわけです。するとB1の気流は負の圧力が働き(引っぱられる)、翼は揚力を得て上昇します。
 

キーワード:航空力学 ベルヌーイの定理
               ベンチュリー管の実験
 翼が上方に角度(迎え角)を持つと、前方からの抵抗が働きます。したがって、上昇は揚力と抗力の力のつり合いによって決まりますが、迎角が大きくなりすぎると翼上面の気流が乱れ失速します。
 理想的な翼断面はジャンパーの前傾姿勢に似ていますが、人の体は歪であり単純に航空原理だけで飛距離を伸ばすわけではありません。
 キーワード:グライダー原理 紙飛行機の製作
        内津理津男さんの解説(98.1)