サッツの動作分析03−1
サッツの方向性

 スキージャンプのサッツ(飛び出し)は、静止状態からの立ち幅跳びと異なり、高速で滑る中で体を遠くに投げ出すカンテへのインパクトと方向性の両方を瞬時に動作しなければならない。また、流れとして動きながら、理想的な飛型につなげなければならない。
 Aは、板と体を一体化させ浮力を得るための従来の日本選手タイプ
 Bは、現在、世界の主流となっているサッツの垂直サッツ
 Aでは方向性を出すために、スネを前に倒しカカトが上がる。
 上の図の状態からヒザが伸びきるまでが最もカンテにインパクトが伝わると言われているが、Aではつま先寄りに圧力が集中するので、ポイントがスリップして力が伝わらないこと(サッツが抜ける)がある。
 一方Bでは、足の裏に広く圧力をかけるので、腰が前方には行かず上方向へ向かってしまう(
ヒザがもどる)ことが多い。

 一流選手の多くが厳密に言うとヒザがわずかに戻っている。体重の3倍はかかるGを瞬発的に振り切るためには相当に押し上げる力(スプリント)が必要だからだ。ところが、スネをほとんど動かさず力を最大限に方向へ生かしてしまうのが、アダム・マリシュだ。「サッツの鋭さ」という自らの武器を、かつてのニッカネンが秘訣とした瞬発動作と融合させたのである。多少ヒザがもどっても、矯正は徹底させないのが現在の方向である。
サッツ足の角度 「垂直に立つ」とは

 「板に対して垂直に立つ」といっても、あくまでも感覚的な言い回しである。最上図Bにおいても正確に言えば「スネの方向と顔の向きの延長線上にまっすぐ立つ」ということで、体の感覚で言えば「垂直に立つ」ということになる。ただし、頭の位置まで動かしてはいけない
 「垂直に立」っても、
ジャンパーは水平面を滑っているのではなく

 カンテ角度(11〜13°)        
角度A
 ビンディング&ブーツ角度(約17°) 
角度B
 スネの前傾(ひざ角度)         
角度C

   
角度A+角度B+角度C=理想の方向(45°)

 従来のインパクトポイントがP1にあったのがP2となり、カンテに対するインパクトは強まるが、空中へ飛び出してからの重心移行はせず、マキシマムまでスネの向きを保たなければならない。

 よく「くの字」スタイルという言葉が聞かれるが、空中フォームだけ切り取って表現するのは正しい認識ではない。


   動作分析2002−3W

 @        
 B      A  


 ◎ 実際の指導ポイント

 
技術的にまだまだ未熟などべ吉を解析するのも何であるが、わかりやすい面もある。
 @では、顔の向きが下であるために腰が足よりも後ろに立ち上がっている。
 Aで手を引いたままでバランスをとっているため、必要以上に上体をかぶせることとなった。また、足の裏で板を押さえていないので、板の先端が上がってきてしまった。
 板の角度を調節し、我慢するが、手を引いたままで上体をかぶせたために、後半でバランスを崩し高い位置から着地体勢になっている。B

 この時K30mで、飛距離は24.0mであったが、上記の点を修正するだけで3mは飛距離が伸びていると思う。
                                                           (2003.3)

 

HOMEへ戻る】 【indexへ戻る】