英車 Q & A メンテ編
英車の保守に関し、よくある初歩的なご質問をまとめたQ&A集です。
随時追加します。
追加分は内容により、適当な位置に追記していきます。
Q:ワイヤー類に注油は必要ですか。
A:極く一部のテフロンコーティングのもの以外は、時々注油して下さい。
メーターケーブルは、メーター近くの上側の数10cmには注油しません。
それでも多めに注油すると、メーターにオイルが入る場合がありますので注意して下さい。
Q:他で買ったばかりの英車なのですが、いま一つ調子が悪いのですが。
A:お店から購入したのであれば、とりあえずそこに相談して下さい。
無償で修理してもらえるかもしれません。
うまく対応していただけないようでしたら、あらためてご連絡願います。
Q:他で修理している途中ですが、引き継いでもらえますか。
A:最低限一区切りするまでは、現在のところで極力続けていただいた方がいいと思われます。
そこまでの作業詳細が不明、途中までの作業との責任分担、それらにより重複する作業が発生し、結果的に高額修理になってしまう可能性がある等が、その理
由となります。
Q:英車にオイル漏れは当たり前と聞いたのですが、本当ですか。
A:車種年式にもよりますが、'50年代位までの車種は構造的に漏れやすいと思います。
オイル漏れと故障の多さが嫌われ、日本車に主役の座を奪われたとも言われているぐらいです。
'60年代以降位の車種については本来ならオイル漏れは殆どありませんし、ましてO/H済みEngなら当分オイル漏れとは無縁です。
但し、それ以前の年式の車種についても、漏れやすいとはいえ漏れるのが当たり前というわけではありません。
Q:自分で、×××の修理は出来ますか。
A:お客様のメカ知識がどの位か分かりませんので、何とも言えません。
間違いなく出来る方はそのような事は聞かないような気もしますので、自信が無いようでしたら無理しない方が良いかもしれません。
Q:プラグがすぐにカブりエンストするのですが、普通ですか。
A:長時間アイドリングを続けたり、渋滞等の低回転走行を続ければカブるかもしれません。
但し普通に乗っている場合は、まずカブる事はありません。
燃料系や点火系等々を確認して下さい。
オイル上がり下がりにより白煙が出ているのにキャブセット等をし、カブリが直らないというお話しもよく聞きます。
そのような時は、先に白煙についての修理をして下さい。
Q:B×ESのプラグが、近所で売っていないのですが。
A:(熱価は別として)極力標準プラグ、または同規格の物をお使いください。
よく見かけるBP×ESは、B×ESに比べ電極が飛び出していますのでBタイプ指定の車種(ピストン)の場合は電極がピストンヘッドに接触する可能性がありま
す。
純正ピストン以外の高圧縮ピストンが入っている場合は、特に気を付けて下さい。
締め終わったプラグの位置(角度)によっても微妙に変わりますが、間違いなく接触しなければBPタイプの使用も問題ありませんし、かえってプラグかぶりに
は強いと思います。
当然ながら、BPタイプが指定の車種はBPタイプをお使い下さい。
また、規格は別にしても、取付け時は必要以上の締めすぎにご注意ください。
Q:他のサイレンサーに換えたのですが、キャブセットを変える必要はありますか。
A:現行車と同じで、以前より抜けの良い物に代えた場合は多少濃い目にする必要があります。
但し2ストは別とし、元々抜けの良いサイレンサーが付いている車種が多い事もあり、英旧車はあまり敏感ではありません。
Q:プライマリーオイル(クラッチオイル)にエンジンオイルを使ってもいいですか。
A:多くの車種でエンジンオイルとは違う低粘度オイル指定ですが、少量だけに別に用意するのは金銭的に難しいかもしれません。
東京の場合、正しく整備されていれば、シングル20〜30位が指定の車種に20W-50位を使用しても、現実的には切れについてもそれ程の影響はありません。
但し、スターバーストマーク付オイルはクラッチ滑りが発生しやすいと言われていますので、避けた方がいいかもしれません。
Q:ユーザー車検を受けたいのですが、どこを改造したらいいですか。
A:ミラー、反射鏡、シートベルト、フロントブレーキランプ点灯等々いろいろとあります。
本来は全国統一ですが、実際には現場により多少判断の異なる場合があるようですので、地元の陸事に問い合わせをして下さい。
地方のお客様にお聞きすると、全般的に大都市圏の方が厳しいようです。
Q:タペット調整は、上死点で合わせていいですか。
A:基本はカムトップの反対側(基準円上)での測定になりますので、上死点からは微妙にずれます。
但、ノーマルカムを使っている場合、実際には多くの車種では上死点合わせでも誤差が小さい事(または同じ)もあり、上死点で合わせるように指定している
車種もあります。
むしろそれらより、測定誤差の方が大きい可能性もあるので注意して下さい。
各車毎の指定については、マニュアルを参照して下さい。
Q:自分で修理したいのですが、何か気を付けることはありますか。
A:多くの英車の場合、構造は簡単ですので難しい事は何もありません。
ただ、旧いという意味でいろいろと面倒な、手間ヒマのかかる事が非常に多いと思います。
具体的にはどの車種の何をするのかにもよりますが、全般的には下記の通りです。
・バラシたときの元々の組み方、部品(有無も含めて)が正しいとは限らない。
「本来有るべきところに部品が付いていない」、「全然違う部品が付いている」は日常茶飯事! かもしれません。
それぞれの年式を考えれば、すでに何回かの修理O/Hはしてあるでしょうから、慎重にチェックして下さい。
・実はミスプリも多いのですが、一応はサービスデータを信用する。
各部の指定クリアランスは国産車等に比べかなりユルイので、現行車のメカに慣れた方はツメすぎる傾向があるので注意して下さい。
新品各部ブッシュ類等の外径は大きめ、内径は小さめになっているケースが多いので、組むときにクリアランスを出す必要があります。
・仮に当時の純正部品(これがベスト)であっても、むやみにそのまま組み込まない。
当時物純正部品でも国産車の部品と比べ精度が低いので、必要があれば修正する。
国産車部品並の精度を要求する方もいらっしゃいますが、それほど良ければ日本車に駆逐される事もなかったでしょう。
個人の方で、組みバラシしたけど調子が出ないといった場合は、この辺に問題がある場合も多いようです。
・泥沼に入り込みそうな時は、一歩手前で考える。
いくつもの主要部品(例えばクランクケース等)にダメージがあり、金額を考えると本来はオーバーホールは無理というケースもあり得ます。
・ 普段BMWのメンテをされている方は、英車にはさわらない方がいいかもしれません。
大好きになるか、大嫌いになるか両極端だと思います。(多分、後者)
(注) この項目は、英車についての知識は無くても、一般的なメカ知識を持っている事が前提です。
メカに詳しく無い方は、とりあえず簡単な事から始めたほうが良いでしょうし、無理は禁物です。
Q:英車には、特定銘柄のエンジンオイルじゃないとダメですか。
A:一流メーカー品なら、どこの物でも大丈夫です。
一般の使い方では粘度(かたさ)さえ間違わなければ、オイルが原因によるトラブルとは無縁です。
当時、シングルグレード指定の低年式バイクでも、現実的にはマルチも使えます。
但し、マルチ・シングルを含めオイルの違いによるフィーリングの微妙な差を楽しむのも旧車の楽しみ方の一つだとは思います。
Q:ハイオクを入れた方が良いですか。
A:高圧縮車は、必ずハイオクを使って下さい。
但、低圧縮の車種でも点火時期等が正しく合っている保証が無いバイクや、手動進角の車種でも乗りながら頻繁に調整する方以外は、ハイオクを入れておいた
方が無難かもしれません。
Q:夏場、アイドリング不調等エンジンの調子が悪くなるのですが。
A:エンジンの基礎調整不良を除き、主には下記に分けて考えて下さい。
1)外気温上昇による充填効率低下により、混合気が相対的に濃くなりプラグがかぶり、不調になる。
季節により、キャブセットを変える方もいらっしゃいます。
2)キャブ本体の温度が上昇し、ベーパーロックやパーコレーションを招いて不調になる。
対策としては輻射熱遮蔽板や断熱インシュレーター等が考えられますが、MK-1キャブでの通常の取り付けではスタッドより熱が伝わってしまい、その効果
は限定的なものになります。
3)エンジンオーバーヒートにより不調になる。
検知位置にもよりますが、通常使用での英車のオイル温度は80〜110℃位と思われます。
オーバーヒート気味の場合は、下記をチェックして下さい。
・キャブセットを確認する。
・オイル量、オイル粘度を確認する。
・オイル吐出量を確認する。
ポンプに劣化がある場合、大容量の物に交換する手もあります。
・点火時期を確認する。
・エンジン、特にシリンダ・ヘッド廻りの泥やオイルを除去する。 etc。
いずれにせよオーバーヒ−トさせてしまいましたら、必ずエンジンオイルは交換してください。
4)他は点火系の原因、例えばコイル不良やマグ点火車ですとマグ不良等が考えられます。
※ 内部のクリアランスを詰めている場合、外からは対応出来ません。
Q:クラッチスプリングのナットは、どのぐらい締め込めばいいですか。
A:当時はナットよりスタッドが何ミリ位という指定が車種によりありましたが、その数値は現在では参考になりません。
クラッチ板により摩擦係数も違い、さら板厚の違いも加わりますので見掛け上の締め込み量はケースバイケースで異なります。
具体的には劣化時の余裕を多少持たせ、滑らずに操作は軽くが理想となります。
Q:標準サイズのタイヤを履いているのに、車体に接触するのですが。
A:同じサイズでも、エラの張ったデザインのタイヤを履いた場合、車種によっては接触する可能性があります。
また、リム・スポークを組み替えた時にセンターがズレた場合も接触する可能性があります。
いずれにせよ、英車全般でFはフェンダー、Rはチェーンケース廻りの隙間が小さいので注意して下さい。
Q:クラッチが重すぎて、手が痛くなるのですが。
A:まず外からの確認として、クラッチワイヤーの油切れや損傷、無理な取り回しをしていないかどうかを見て下さい。
次に、クラッチレバーの取り付け支点ビスとワイヤーのタイコの中心間寸法を確認します。
車種年式にもよりますが、例えば'50〜'60年代のトラやBSAの主な車種では約22ミリが主流です。
もし、25ミリの物を流用しているとかなり重くなりますし、内部リンクの問題によっては、レバーの遊びを正規にすると、レバーが引ききれなくなる場合も
あります。
他の原因では、一部車種を除き通常では内部の問題、リンク関係やクラッチ本体になります。
また、重さはもちろんですが、ゆっくりと握った場合に引っ掛かりがなく、なめらかスムーズに引ける事が重要です。
但し、標準27ミリ等の車両に22ミリの物を取り付けると、軽くはなりますがキレの問題が発生しますので気を付け下さい。
重いクラッチはワイヤーにも余計な負担を掛け、切れやすくなるので直しましょう。
※ ノーマルより軽くするには、弱めのスプリングを使う方法もありますが、その時はスベリ対策として食い付きの良いクラッチ板を使う等の配慮が必要にな
ります。
Q:ブレーキの効きが悪いのですが。
A:現行車とは比べられませんが、それが本来の効き具合かを確認して下さい。
シュー・ドラム等ブレーキ本体側の良否、それと上記項目と同じでFブレーキの場合はレバーを確認して下さい。
Q:バルブシートの有鉛対策は必要ですか。
A:基本的には不要です。
年間に相当距離を乗り、しかも高回転を常用する人には必要になるかもしれませんが、旧車乗りにはまずそんな人はいないでしょう。
仮にいたとしても次回オーバーホールのついでに、もしダメージがあればその時点で考えればいいと思います。
わざわざ対策の為だけにエンジンを開けるのは、お金の無駄使いです。
Q:×××××のピストンクリアランスは、いくつにしたらいいのですか。
A:マニュアルの数値は、当時の純正メーカーのものです。
同じ車種でもピストンメーカー、乗り方等により変えて下さい。
また、メーカーにもよりますが、一般的にはSTDもオーバーサイズも元は同じ鋳物からの削り出しの物が多くなっています。
ですから、オーバーサイズはSTDに比べ肉厚になり、その分クリアランスを少し変える等の配慮が必要になります。
それを考えないと最悪、ピストン焼き付き等の発生もあり得ます。
Q:ノーマルキャブセット値で、調子が出ないのですが。
A:ノーマルキャブセット値は新車時のものです。
ノーマル値を基準に、エンジンの程度、地域気候等に合わせ変えてみて下さい。
新品のキャブを装着した場合は、改造エンジン等の特殊な場合を除けば、調整(ニードル段数/エアースクリュ調)とジェット類等のセッティングにて、キャ
ブセットが初めての人でも程々の状態には容易にもっていく事が出来ます。
もし、これでもまだ基礎的な不具合(アイドル不調や加速不良等)があるときは、殆どの場合はその他の要因ですので、前項も参考に見直してみて下さい。
但し、キャブは消耗品であり、中古キャブでは始動性不良・アイドリング不安定・カブリ等々のトラブルを調整では解消出来ないケースも多いと思います。
その場合は、あっさりと新品に交換する事をお勧めします。
しかし新品アマルキャブは、製造加工時の切粉が内部に残っている場合が時々あります。
取り付け前に、チェックするのがベストです。
但し、パッキンをダメにしてしまわないように注意してください。
また、コンセン等一部アマルキャブにある内部加工穴のフタからはリークしやすいので、キャブオーバーホール清掃時にエアーコンプレッサーの元圧をかける
のは厳禁です。
コンプレッサーを使用される場合は、必ず調圧して下さい。
仮に新品であっても、リークするようになってしまったキャブは正しいセッティングが出ず、エンジン不調の原因となります。
Q:エンジンのオーバーホールは幾らぐらいかかるか、乗って行くので見てください。
A:例えば、普通はトラツインのエンジンフルオーバーホールで込み々々30万位からです。
ただ1台1台、程度が違いますから実際の金額は、エンジンを開けるまではわかりません。
現行車の修理とは違い、稀ですが最悪クランクシャフト等の主要部品まで使い物にならない場合もあります。
そうなると、部品代だけで数万円単位で変わってきてしまいます。
ですから、確実な修理の為には開ける前に金額を掲示確約する事はできないのです。
また、結果的に10万20万で済んだ場合は、本当は交換しなければならないのに目をつぶった箇所部品が多かったか、まだオ−バーホールの時期ではなかった
という事でしょう。
当店では大きな修理の場合、開けた時点でお客さまに見てもらい、納得していただいた上で作業を進めていきます。
最近、「あれは、本当ですか?」「あの書き込みは、間違えていませんか?」等々、他のHPや掲示板についてのご質問を
いただく場合がありますが、それらについては直接そこにお問い合わせ願います。
ネット上には真偽とりまぜ色々な情報が流れておりますが、その内容を判断するのは各自の自己責任となります。
|
