5:「成人型アトピー性皮膚炎について」

はじめに

「成人型アトピー性皮膚炎」という言葉がある。以前ではアトピー皮膚炎は子供の疾患であり、 大人になれば治ってしまうという考えが主流であった。しかし、近年、大人になっても治らず、 そればかりか悪化して行き、アトピー性皮膚炎が難治化する患者が増えてきた。「成人型アトピー 性皮膚炎」という言葉は、ここから生まれてきた。この言葉はしばしば「難治化アトピー性皮膚炎」 とも置き換えられる。難治化という点では赤ちゃんにも見られるので、「成人型アトピー性皮膚炎」 は年齢によらず適用できるだろう。

ここでは、「成人型アトピー性皮膚炎」について素人の立場で考えてみたい。

@成人型アトピー性皮膚炎に至るまでの経緯

自分やインターネット、本などで知った「成人型アトピー性皮膚炎」の患者の治療経緯は、その概要 がほぼ一致する。すなわち、子供の時に軽い皮膚炎(主に、腕と脚の間接)になり、皮膚科に行く。そこで、 詳しい説明もなしに、ステロイド外用剤を処方される。悪い時にだけ塗るよう指示される場合もあるが、 ほぼ毎日塗るよう指示される場合もある。はじめの何年間はステロイド外用剤は、良く 効いたが、そのうち効かなくなり、ランクや使用頻度が上がってゆく。さらに、炎症は治まるどころか、だんだんと 体の他の部位にも広がって行き、症状も重くなって行く。こうして、20歳〜30歳位になると、もはや ステロイド外用剤では very strong あるいは、strongest のランクを使っても症状がコントロール できなくなる。続いてステロイド内服剤やステロイド注射などを処方される場合もある。こうして アトピーが重症化・難治化する。「成人型アトピー性皮膚炎」に至る経緯はだいたいこのようなものでは なかろうか? それまで何ともなくて、大人になってからアトピー性皮膚炎になる人もいるだろうが、 突然重い症状になる人は聞いたことがない。たいていの場合、子供の頃軽いアトピー性皮膚炎で、 だんだんと症状が重くなっていくものであると思う。

Aそして脱ステロイドへ

「成人型アトピー性皮膚炎」となり、ステロイド外用剤でコントロールできなくなる状態となって、 脱ステロイドに踏み切る人が多い。それまでは、なんとなくステロイド外用剤に対して不安を抱きつつも、 たいていの医者や本は「内服剤は重篤な副作用の危険があるが、外用剤は心配いらない」と言うので、 「まだ大丈夫だろう」などと思い、さらに医者の「アトピーが悪化した」と言う言葉を信じ、処方された ステロイドを塗り続ける人もいるだろう。しかし、いよいよステロイドが効かなくなって、ステロイドや 医者の言葉を真剣に疑い出すのである。。それまでの治療を振り返って見ると、ステロイドを塗っても良くならず、 炎症の範囲や程度が悪化して行く、さらにステロイドを塗っていたところの皮膚が薄くなったり、傷つきやすく なったり、しわしわになったりする。たいていの医者はステロイド外用剤の副作用についてはほとんど(あるいは全く) 語らない、「アトピーが悪化した」と言うばかりであるが、本当にそうなのか?これは、ステロイドの 副作用ではないのか?と思うようになる人も少なくないと思う。そこで、脱ステに関する本やインターネット を見て、自分と同じ経緯を持つ人が大勢いることを知り、それらの人達が脱ステ後に皮膚の状態が改善する ことを知って、脱ステを決心する人が多いのではなかろうか?この時に、民間療法を試みる人もいるだろう。 ある医師(某大学医学部教授)は、アトピーが重症化する原因の一つとして、患者が勝ってにステロイドの 使用を止めて民間療法を行うことを挙げているが、そもそもステロイドを使っても良くならず、症状が 重くなり、どうしようもなくなって民間療法を行う場合が多いのである。民間療法のすべてが正しいと言う つもりはないが、民間療法を責める前に、ステロイドの長期使用における副作用について真剣に考慮する べきではないだろうか?

B脱ステ前後の皮膚の状態の違い

こうして脱ステしてみると、まず脱ステ前よりも皮膚の状態が格段に悪化する。痛みやカユミという感覚 もけた違いに大きくなり、まさに発狂寸前である。これがいわゆる「リバウンド」である。 ステロイドを止めてから2〜6週間でリバウンドが現れるケースが多いらしい。また、少しずつステロイドを 止めて行ってもリバウンドを完全に防ぐことはできないようである。リバウンドの 期間は人によって違うが、僕の知る限り、数ヶ月から数年間に及ぶ。この生き地獄といっても良いくらいの リバウンドは突然やってくるが終わりも突然である場合が多い。そしてリバウンドを乗りきった後では、 皮膚の状態が驚くほど改善するのである。炎症が全く無くなる人も中にはいる。たいていの場合は、ステロイド を使う以前の状態に戻るみたいである。この症状の変化は、悪化因子の増減が主な原因であると主張する 医師(前述の大学教授)もいるが、ほとんどの場合、ステロイドの使用を中止した時を境に急激に悪化し、 その後に症状が劇的に改善することと、症状の変化が非常に大きくそれまでの「アトピー性皮膚炎」で は経験したことがないことを考慮すると、すべての場合について「悪化因子」が主要な原因とは考えにく いと思うのだがどうであろうか?この辺のことを、医師について聞いてみたい。もし、この文章を読んだ 医師の方がいらっしゃれば、是非ともご意見を頂きたい。

C成人型アトピー性皮膚炎についての自分の仮説

ステロイドを使っても良くならず悪くなる一方で、それを止めた後のリバウンドを乗り切った後、 皮膚の状態が回復(たいていステロイドを使う前と同じ程度かそれより良好)する人が多いことを 考慮した上で、自分は成人型アトピー性皮膚炎(あるいは難治型アトピー性皮膚炎)というものは、

「成人型アトピー性皮膚炎」=「(純粋な)アトピー性皮膚炎」+「ステロイド皮膚症」

という仮説を提案する。すべての成人型アトピー性皮膚炎にこの仮説が適用できるとは思わないが、少なくとも脱ステをした後に症状が 改善した人にはこの仮説が適用できるのではないだろうか?この仮説が正しいのであれば、リバウンドを乗り越え、純粋なアトピー性皮膚炎に戻ってから 本当の治療がはじまると思う。ステロイドに頼らず健康的な体を作り、健全な生活を送り、悪化因子の 除去もできる範囲で行うことが大切ではなかろうか?もっともこの仮説を医学的、科学的、統計的に 示すことは僕にはできない。だから医師の方にお願いしたいのである。もっと患者の声を聞いて欲しい、 ステロイドの安全性についてもう一度はじめから考え治して欲しい、脱ステした後に症状が改善する 人の存在をしっかりと認めて欲しい。本当にステロイドの処方がアトピーに有効なのか、今一度研究して 欲しいと思う。

終わりに

脱ステをした後に症状が回復する人(僕もそうだが)は、はじめからステロイドを使わず、 アレルギー除去や生活指導などが行われれば、症状がこれほど悪化することも、 辛いリバウンドも経験することがなかったのではなかろうか。しかし、多くの皮膚科医がステロイドを 長期使用した場合の副作用に無頓着であり続ける限り、僕と同じ人はこれからも増えて行くこと であろう。

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