2004年度以降
 2005年 報道関連  2005.08.02up


2005.02.24 洛南タイムス
韓国NGO、ウトロ訪問 一世の「生の声」聞き取り
2005.03.18 洛南タイムス
宇治市会予算委、ウトロを視察 立ち遅れた住環境状況など見る
2005.03.31 洛南タイムス
宇治市議会、ウトロ請願採択 民団・総連が共同会見
2005.04.24 洛南タイムス
韓国の国会議員が初訪問 同胞救済策、日韓両国で模索
2005.04.26 洛南タイムス
韓国の調査スタッフが訪問 在日1世らから聞き取り
2005.07.05 洛南タイムス
同胞支援、韓国で募金活動 町内会・守る会が現況報告集会
2005.07.06 洛南タイムス
韓国メディア関係者らも取材 国連人権委員会特別報告者が現状を視察
2005.07.22 京都新聞
土地買収へ方針転換、自力解決目指す 
2005.07.26 京都新聞/社説
ウトロ買収 行政は住民を支援せよ
2005.07.27 京都新聞
土地買収で韓国総領事館に支援要請へ
2005.07.28 ハンギョレ新聞(韓国)
撤去の危機ウトロ 日産が責任を負うべき




2005年上旬の報道を幾つか転載します。

2005.02.24 洛南タイムス
韓国NGO、ウトロ訪問 一世の「生の声」聞き取り
韓国NGO、ウトロ訪問
宇治のウトロ土地問題
一世の「生の声」聞き取り
あす帰国 事態打開に日韓NGOが連携


戦時中の飛行場建設や航空機生産などの国策で半強制的に集められた在日韓国・朝鮮人らが住む宇治市伊勢田町ウトロ地区に韓国のNGO(非政府組織)「KIN」のメンバーが初めて訪問、日本側のNGOである「地上げ反対!ウトロを守る会」の協力で23日からウトロで暮らす在日一世の聞き取り調査に入った。

朝鮮人労働者の飯場跡をルーツにしたウトロ地区の土地(1・3f)をめぐる裁判では5年前に被告・住民の全面敗訴が確定。在日韓国・朝鮮人ら65世帯200人が今も強制立ち退きに対する不安と警戒の中で暮らす。
このうち16世帯20人は高齢者だけの世帯。働き盛りのころは就職差別で厚生年金がもらえるような職場につけず、年金収入からも見放され、2割の世帯が生活保護を受ける。
万一、強制立ち退きとなった場合、ホームレスの高齢在日一世をはじめ生活弱者の暮らしを誰がどんな方法で保障するのかも急を要した課題だ。
昨年9月には韓国で開いた日本・中国・韓国の居住福祉の国際会議にウトロに住むオモニ(母親)や支援団体の「守る会」のメンバーが訪れ、ウトロの窮状を広く紹介。
韓国メディアの強い関心を集め、11月には韓国の羅鍾一(ラ・ジョンイル)駐日大使と鄭華泰(チョン・ファテ)駐大阪総領事が京都府の山田啓二知事に法的な拠り所を失ったウトロ住民に対し特別な配慮を改めて要請。
同月には外交通商部の李俊揆(リ・ジョング)在外国民領事局長もウトロを訪問。12月の日韓局長級協議でも韓国側が初めてウトロ問題を取り上げ、日韓国交正常化から40年を節目に、両国の政府間協議で処遇改善を求める機運は高まりつつある。
KIN(コリア・インターナショナル・ネットワーク)は1999年に設立された市民団体。在日同胞など世界各地の同胞が抱えている問題を歴史と人権の観点から取り組み、政府に対し問題解決のためのアクションを働き掛けている。
来日したのは代表執行委員の「徳鎬(ペ・ドッコ)さん(36)ら30代のメンバー7人。
23日には「守る会」の案内でウトロ地区内をフィールドワークし、在日一世のハルモニ(おばあさん)たちと集会所で昼食を共にし、午後から個別に聞き取り調査。来日の年、日本へ来た形態、現在の暮らしで困ること、韓国政府に望むこと、土地裁判の判決を受けた時の気持…などについて詳しく聞き取りした。
ウトロを訪れた執行委員の「さんは、立ち遅れたウトロ地内の排水対策などをふまえ「私有地とはいえ、行政がこれまで放置してきたことにびっくりした。韓国人に対する差別は今は見えない差別だと聞いているが、ウトロの場合は露骨に現れている。日本ではよく共生社会というが、これでは共生とはいえない」と指摘。
「一義的には日本政府や土地を転売した日産車体の責任を追及すると共に、韓国に住む者としてこの問題に関心を寄せてこなかった責任も免除できない。韓国の市民にも問題を提起していきたい」と話した。
KINのメンバーはきょう24日も在日二世への聞き取り調査を進め、夜「守る会」との交流会を開き、あす25日に帰国する。【岡本幸一】

2005.03.18 洛南タイムス
宇治市会予算委、ウトロを視察 立ち遅れた住環境状況など見る
宇治市会予算委、ウトロを視察
13年11月以来、議会が現地に
立ち遅れた住環境状況など見る


宇治市議会予算特別委員会(小山勝利委員長、18人)の現地調査が17日行われ、これまでの部局別審査の質疑対象となった施設など、7ヵ所に足を運んだ。9日の部局別審査で、共産・向野憲一議員がウトロ地域のまちづくりについて取りあげ、24日の総括質疑を前に現地視察した。

宇治市議会のウトロへの現地調査は、平成13年11月の決算特別委員会以来。土地所有者の同意が得られず、集中雨の度に地区内の民有水路からの溢水が発生していたことから状況を視察した経過がある。その後、水路のしゅんせつや民有水路の下流に位置する一級河川・井川の南砂田橋の架け替えなどで、頻繁だった溢水被害は減ったが、土地問題がネックとなり、水路改修は手付かず状態が続いている。

視察は時間の都合から20分。地元から、金善則・朝鮮総連南山城支部顧問、厳明夫ウトロ町内会副会長らが姿を見せ、排水の状況や老朽化が目立つ民家の状況を委員会に伝えた。

ウトロのまちづくりでは、12月定例議会でも池内光宏議員が、土地裁判の住民側の全面敗訴を受けて、立ち退きの強制執行におびえる住民不安の解消へ向けた救済策で打診。市営住宅を核にした公園や集会所施設など、国や府の支援を背景に具体的まちづくりへの取り組みについて、市にも質問で要請している。市はこれまでから「人道的立場からの救済を検討する」と、強制執行などがあった場合の対応スタンスを表明している。

2005.03.31 洛南タイムス
宇治市議会、ウトロ請願採択 民団・総連が共同会見
同胞救済、行政の支援で
宇治市議会、ウトロ請願採択
民団・総連が共同会見
こう着する現状打開に期待


宇治市伊勢田町ウトロ地区に住む在日韓国・朝鮮人が土地所有者から立ち退きを迫られた「ウトロ問題」への行政支援を求めた請願が30日、宇治市議会で採択された。同胞救済の見地で在日本大韓民国民団(民団)、在日本朝鮮人総聯合会(総連)が請願者として足並みをそろえており、全会一致の採択という市議会の後押しに、両団体は「真っ暗闇に灯りをつけてもらった」など率直に喜びを語った。

戦時中の飛行場建設などの国策で半強制的に集められた朝鮮人労働者の飯場跡をルーツにする同地区の土地(1・3f)をめぐる裁判では、5年前に被告・住民の全面敗訴が確定。
在日韓国・朝鮮人ら65世帯200人が今も強制立ち退きに対する不安と警戒の中で暮らす。
このうち12世帯はひとり暮らし高齢者。働き盛りのころは就職差別で厚生年金がもらえるような職場につけず、年金収入からも見放され、全世帯の約2割が生活保護を受けるのに対し、国民年金の受給者はなく、厚生年金受給者はわずか2世帯。
万一、強制立ち退きとなった場合、ホームレスとなる高齢の在日一世をはじめ生活弱者の暮らしを誰がどんな方法で保障するのかも急を要した課題だ。
昨秋には韓国で開いた日本・中国・韓国の居住福祉の国際会議にウトロに住むオモニ(母親)や支援団体の「守る会」のメンバーが訪れ、ウトロの窮状をアピール。
韓国メディアの強い関心を集め、韓国の駐日大使やと大阪総領事が山田啓二・京都府知事に法的拠り所を失った住民に対する「特別な配慮」を改めて要請。
外交通商部の在外国民領事局長もウトロを訪問し、12月の日韓アジア太平洋局長会議では同問題が初めて取り上げられ、韓国側が「歴史的背景や基本的人権を考慮して解決策を立ててほしい」と要求。
年明け以降も竹島(韓国名・独島)や歴史認識をめぐり日韓両国の関係は波風が立ち、過去の植民地支配という歴史的経緯や国連社会権規約委員会からの日本政府への勧告など人権問題も絡む重い課題としてウトロ問題は韓国の対日外交見直し機運のなかにも一石を放っている。
共同会見には請願者の民団南都支部・李基安支団長(55)、総連南山城支部・朴道済委員長(65)が同席。開口一番「全会一致の採択は大変うれしい」(李支団長)、「宇治の住民として(ウトロ住民が)認められたという気持」(朴委員長)などと喜びを語った。
一方で、ウトロの土地所有権では所有権移転をめぐる訴訟で、西日本殖産(原告)から2千万円で土地を買い、所有権移転が登記された大阪市内の男性(被告)が大阪地裁で勝訴した――との情報が民団・総連の関係者にも入り、「所有権が決着すれば、あたらなアクションも予想される」と警戒を強める。
土地という民事問題には介入できない――との姿勢を示す地元自治体や国に対し、採択した今回の請願は自治体として現状把握と適切な対応をする行政の責務と、政府に対する支援要請――の2項目を骨子にしたのが大きな特徴。
民団・総連関係者は「3年前は宇治市に共同で要請文(人道的見地からの現地調査の実施など)を提出した。今回は市議会が参与することで(住民にとって)より力になる」とし、市議会の後押し効果に期待を込める。【岡本幸一】

2005.04.24 洛南タイムス
韓国の国会議員が初訪問 同胞救済策、日韓両国で模索
韓国の国会議員が初訪問
宇治のウトロ土地問題
同胞救済策、日韓両国で模索
守る会メンバー27日に訪韓 ウトロ対策委、ソウルで立ち上げ


戦時中の飛行場建設などの国策で半強制的に集められた在日韓国・朝鮮人たちが住む宇治市伊勢田町ウトロ地区に23日、韓国の国会議員4人が初めて訪れ、同胞の聞き取り調査を行った。あす25日には韓国の「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会」のメンバーが同地区を訪れるほか、27日にはソウルで韓国の市民団体が中心となったウトロ国際支援会議が開催。「ウトロを守る会」から田川明子、斎藤正樹さんが訪れるなど、ウトロ支援の輪が急速に広がりつつある。

朝鮮人労働者の飯場跡をルーツにしたウトロ地区の土地(1・3f)をめぐる裁判では、5年前に被告・住民の全面敗訴が確定。在日韓国・朝鮮人ら65世帯200人が今も強制立ち退きに対する不安と警戒の中で暮らす。
うち12世帯はひとり暮らし高齢者。働き盛りのころは就職差別で厚生年金がもらえるような職場につけず、年金収入からも見放され、全世帯の約2割が生活保護を受けるのに対し、国民年金の受給者はなく、厚生年金受給者はわずか2世帯。
万一、強制立ち退きとなった場合、ホームレスとなる高齢の在日一世をはじめ生活弱者の暮らしを誰がどんな方法で保障するのかも大きな課題だ。
来日したのは「ウトロを考える国会議員の会」の金炯柱(キム・ヒョンジュ)議員=開かれたウリ党=、羅卿?(ナ・ギョンウォン)議員=ハンナラ党=ら与野党4人の国会議員ら。
地区内をフィールドワークした一行は集会所で65歳以上のウトロに住む年配者たちと懇談。「ここから出て行けと言われても他に住む所がない。ここで住めるよう皆さんの力を得たい」などという住民たちの切実な声に耳を傾けた。
初めてウトロを訪れた印象について、金議員は「同胞がこのような状態に置かれていることにもっと早く気付くべきだった、我々もこの間、無関心であったことをお詫びしたい」、羅議員は「日本政府は個人(民間同士)の問題と言うが、ウトロで暮らす多くの人は強制徴用を逃れるため必要不可欠な選択をしたと思う」――などと感想。
「21世紀における韓日関係は東北アジアの平和の要になる。宇治市と日本政府のこれからの対応を見守りたい」。「ウトロを考える国会議員の会は、立ち上がってから日も浅いが、与党と野党が一緒に取り組むことはそう多くはない。帰国したら多くの議員に今後の対応などを働き掛けたい」――などと話した。
一行は宇治市役所を訪ね、応対した川端副市長に今後の市の対応などで改めて善処を要請。川端副市長は民事上の問題については双方の話し合いによる円満解決に期待を込め、「ウトロ問題」への行政支援を求めた請願が宇治市議会で採択された経緯も紹介。市として人道的立場からどのような側面的な支援が可能かを検討している――などと述べた。【岡本幸一】

2005.04.26 洛南タイムス
韓国の調査スタッフが訪問 在日1世らから聞き取り
韓国の調査スタッフが訪問
宇治のウトロ地区
在日1世らから聞き取り

◆…在日韓国・朝鮮人が土地所有者から立ち退きを迫られた「ウトロ問題」で揺れる宇治市伊勢田町ウトロ地区に25日、韓国の「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会」の許光茂さん(41)ら4人のスタッフが訪れ、在日1世や65歳以上のお年寄りの聞き取り調査を行った。
◆…同委員会は日本の植民地支配下に強制動員で被害を受けた人の真相を究明し、いまだ隠された歴史の真実を明らかにして後世に正しく伝えよう――と昨年、韓国の国会議決を受けて立ち上げた。一行は今月20日に来日し、戦時中に多くの朝鮮人が動員された福岡、長崎の炭鉱を訪れ、市民団体の関係者らと懇談してきた。
◆…昼前にウトロを訪れた一行は、慶山で農業をしていた26歳の時に徴用されて来日。戦争中は福岡の炭鉱で酷使され、戦後、長崎の炭鉱が閉山した後、知人の紹介でウトロに移り住んだ崔仲圭(チェ・チュンギュ)さん(89)宅を訪問。崔さんから韓国に住んでいた当時のこと、来日の動機や炭鉱での様子、戦後の苦労などについて詳しく調査した。
◆…長崎にいる時に知り合ったという妻の石玉先(ス・オクスイ)さん(75)と調査に応じた崔さんは「年もとり、お金もないし、ここを追い出されたら行く所がない。ここで今まで通り住み続けることができるようお願いした」と話し、孫のような年回りのスタッフの手を握り締めた。
◆…集会所で65歳以上のウトロに住むオモニ(母)ら10数人からも聞き取り調査した許さんらは「本などを通してウトロのことはよく知ってはいるが、厳しい環境を目の当たりにして住民たちのつらい立場に改めて共感を覚える」と感想。
◆…調査委は歴史の真相を正しく後世に伝えることを目的にしており、歴史書のほか歴史教科書への記述なども検討されるという。ウトロへの調査は先般正式に決まったばかりで、再調査もありうるという。【岡本幸一】

2005.07.05 洛南タイムス
同胞支援、韓国で募金活動 町内会・守る会が現況報告集会
同胞支援、韓国で募金活動
宇治のウトロ土地問題
「8・15」日韓中TV中継企画
町内会・守る会が現況報告集会 韓国NGO、国内動向など紹介


在日韓国・朝鮮人が土地所有者から立ち退きを迫られている「ウトロ土地問題」で揺れる宇治市伊勢田町ウトロ地区の現況報告の集いが3日に開かれ、来日中の韓国NGO(非政府組織)スタッフが在外同胞の支援に向けた取り組み状況などについて報告。土地問題の現実的な解決に向け、韓国内でウトロ住民支援の募金活動が始まり、戦後60年を機に韓国のテレビ局が8月15日に韓国・日本・中国を結んだテレビ中継でウトロのチャリティーライブを企画していることを報告した。

戦争中の飛行場建設などの国策で半強制的に集められた朝鮮人労働者の飯場跡をルーツにしたウトロ地区の土地(2・1f)をめぐる裁判では、5年前に被告・住民の全面敗訴が確定。在日韓国・朝鮮人ら65世帯200人が今も強制立ち退きに対する不安の中で暮らす。
ウトロ町内会・地上げ反対ウトロを守る会の主催で隣接する城南勤労者福祉会館で開いた集会には市民・学生ら支援者150人が参加した。
集いでは、ウトロ町内会の金教一町内会長が「私たちの父母は過酷な飛行場建設の労働に耐え、私たちを育て、今のウトロの基盤を作った。ウトロにはここを離れたら行き場のないお年寄りがたくさんいる。今後とも皆さんの力を貸して下さい」とあいさつ。
厳明夫副会長が土地所有者の動向などこの間の経緯について報告。ウトロの土地が土地裁判の原告の不動産会社から在日韓国人I氏の手に所有権が移転登記され、土地所有権をめぐり大阪地裁、高裁で訴訟が進んでいることが示された。
集いには今年2月にウトロを訪れ、韓国内でのウトロ問題の火付け役となった韓国NGO「KIN」(コリア・インターナショナル・ネットワーク)の「芝遠(ペ・ジウォン)さん(33)が再来日し、ウトロをめぐる韓国内での動向や戦後60年を節目にした同胞救済に向けた機運の高まりについて報告。
4月に発足したウトロ国際対策会議の傘下にウトロを甦らせる市民募金団が結成され、インターネットを通したオンライン募金が始まったほか、主要メディアの文化放送(MBC)が8月15日に中国(上海)、韓国(ソウル)、日本(ウトロ)を3元中継した「光復60周年特別生放送〜共に創る平和」を開催し、韓国で2万人規模のウトロチャリティーコンサートを開く予定にあることを紹介。「日韓国交回復から40周年の節目に日本の支援者たちと手を取り合った活動を進めたい」と連帯を呼びかけた。
 守る会の田川明子さんが昨秋ウトロのオモニ(母親)たちが韓国を訪れて以来の韓国内でのウトロ支援運動の高まりをふまえ、8月15日に予定されるウトロでのライブへの積極的な参加を要請。
澤竹大輔さん(24)ら4人の学生たちが、ウトロに住む75歳以上のお年寄り20人を対象に実施した緊急の住居調査の結果や気掛かりな留意点などについて報告した。【岡本幸一】

実態調査への宇治市の対応質す
韓国の国会議員有志が申し入れ
ウトロ地区を訪問中の韓国のNGO「KIN」の「芝遠(ペ・ジウォン)さん=ウトロ国際対策会議事務局長、顔写真=が4日、宇治市役所を訪れ、ウトロ住民に対する実態調査の実施などを求めた韓国の国会議員有志で作る「ウトロを考える国会議員の会」から久保田宇治市長あてのメッセージを応対した福田秘書課長に託した。
ウトロに住む在日韓国・朝鮮人の暮らしについては今年4月に来日した韓国の「ウトロを考える国会議員の会」の与野党4人の国会議員が宇治市に対して日韓共同による実態調査の実施などを提案した経緯がある。
同「国会議員の会」は現在与野党の14人で構成する。申し入れでは、ウトロ地区の劣悪な住居環境や高齢者の生活実態について具体的に調査することで両国政府や地方自治体が適切な対応策をともに模索できるのでは――として、4月以降の宇治市の具体的な検討事項や実態調査の進行状況について「貴市の立場をお知らせいただきたく思います」とし、事務局の国会議員への文書による回答を求めている。

2005.07.06 洛南タイムス
韓国メディア関係者らも取材 国連人権委員会特別報告者が現状を視察
「差別が歴史的に放置された」
宇治市のウトロ土地問題
韓国メディア関係者らも取材
国連人権委員会特別報告者が現状を視察


戦後60年という節目を迎えた中で日本の戦後処理、歴史認識を問うアジアの声も大きくなっているが、日本政府の招きを受けて公式訪問中の国連人権委員会特別報告者・ドゥドゥ・ディエンさんが5日には宇治市伊勢田町ウトロ地区の現状を視察=写真=。韓国のテレビ局など国内外のメディア関係者も視察状況を取材するなどウトロ土地問題は国際的な広がりを見せている。

在日韓国・朝鮮人が暮らしながらも土地所有者から立ち退きを迫られている「ウトロ土地問題」。来日中の韓国NGO(非政府組織)スタッフが在外同胞支援に向けた取り組みを報告。韓国内でウトロ支援の募金活動が始まっていることが伝えられている他、4日には韓国の国会議員有志が宇治市に対して申し入れするなど連日にわたって関心を集めている。
今回、国連人権委員会特別報告者として日本政府の招きを受けて初来日したディエンさんはアフリカ・セネガル出身。2002年に国連人権委員会から「現代的形態の人種主義・人種差別・外国人排斥および関連する不寛容に関する特別報告者」に任命を受けた。
これまでにカナダ、コロンビア、ニカラグア、ホンジュラス、グァテマラなどを訪問しており、公式訪問結果をまとめた国別報告書は、特別報告者が毎年、国連人権委員会への提出付属文書となる。3日に来日後、大阪では部落差別について現地視察したほか、ウトロ視察後も東京都内でNGO関係者から被差別に関する情報提供を受け、北海道のアイヌ民族差別問題なども情報収集。今月12日に離日予定のスケジュール。
視察には国連人権高等弁務官事務所人権担当のミラノ・バレンティナ氏、元ウトロ町内会(金教一会長)の厳明夫副会長、支援を続けている守る会の関係者、反差別国際運動(IMADR)スタッフたちも同行した。厳副会長からひとしきりウトロ土地問題の歴史的な背景、ここで暮らしている人たちの現状、土地問題の経過などを説明。守る会メンバーたちも「飛行場建設のために土砂を取った跡で、土地が低いために少しの雨でも水がつく。低湿地に飯場がつくられた」「今では国内では少なくなったが、住宅のすぐ横にどぶがある」と厳しい現状、まだ改善が進んでいない環境を説明。強制立ち退きの不安におびえながら暮らしているオモニ(母親)たちからの歓迎と直訴のひと幕も。
じっくり現状を視察、あらためて今回の視察目的や感想を問われたディエンさん。「ウトロは日本でコリアンの人が住んでいるコミュニティの象徴的な場所だから」「差別が歴史的に集積した場所。戦後そのままにどぶのように置き去りにされた。これはまさに差別の足跡」と語り、土地問題の背景にある差別問題を指摘。ただ、「すべての解決策を引っさげて来ているわけではない。国際的な援助、条約をもとに仕事をしていく」とも話し、国連に解決策を求めるだけではなく、住民、市民サイドからの解決策も求めた。

2005.07.22 京都新聞
土地買収へ方針転換、自力解決目指す
土地買収へ方針転換、自力解決目指す
宇治・ウトロ町内会


在日コリアンが住む京都府宇治市伊勢田町のウトロ町内会は22日までに、立ち退きを求められている土地を買い取る方針を決めた。行政に土地買い取りなどを求めてきた従来の方針を転換、自力での土地問題解決を目指す。26日に開く住民集会で負担できる額を確定する。

ウトロ地区の土地約2万1000平方メートルをめぐる訴訟は、2000年に最高裁で住民の敗訴が確定。所有者の西日本殖産が土地立ち退きを求めていた。
土地の所有権は昨年1月、大阪市内の個人名義となっている。
町内会関係者によると、現在の所有者側が今春、5億5000万円での買い取りを提案した。これを受け、町内会は土地を買い取る方針を決定した。現在、建物の利用状況や経済力など世帯ごとに負担できる額の算定を進めており、26日の住民集会で町内会として負担できる総額を確定する。

住民には高齢者や生活保護世帯が多いため、買い取りへ費用を負担できる世帯は半数前後で、負担できる総額と土地所有者が提示した額には隔たりがあるとみられる。また、土地所有権をめぐっては、現在の名義人と西日本殖産関係者が大阪高裁で係争中。

ウトロ町内会の厳明夫副会長は「価格交渉や町内会の資金力、所有権をめぐる裁判の行方など買い取りにはまだまだハードルは大きい」としながらも「土地の所有権を獲得し、ウトロの存続へ大きく転換する。住民が団結し、支援者と力を合わせ困難を乗り越えたい」と話している。

ウトロ地区は、第二次世界大戦中の軍用飛行場建設に当たった人たちの宿舎がルーツ。65世帯、203人が生活している。韓国では最近、戦後補償や人道上の問題として関心が高まり、募金活動など支援の動きが広がっている。

2005.07.26 京都新聞/社説
ウトロ買収 行政は住民を支援せよ
ウトロ買収 行政は住民を支援せよ

在日韓国・朝鮮人とその家族が戦後住み続けた土地から立ち退きを迫られている宇治市のウトロ地区で、住民らが土地を買収する方針を決めた。戦後補償問題を提起し、行政の土地買い上げでの解決を求めてきた方針を、大きく変換させたのだ。

背景には、一向に具体的な解決策を示さない行政の姿勢や、のしかかる不安感に耐えかねている住民らの実態があるようだ。しかし買収には解決すべき大きな課題もある。国をはじめとする行政は買収に協力し、可能な限りの支援策を早急に示すべきだ。

ウトロ地区は面積が約2万平方メートル。戦前、一帯での軍用飛行場づくりの労働力で集められた人たちが戦後、行き場のないまま宿舎跡に住み着いた。現在65世帯、約200人が暮らしている。
業者から訴えられた土地の明け渡し訴訟で住民らは、敗戦で何の保障もなく放り出した国の責任、居住権を主張したが最高裁で上告を棄却された。
一方で住民らは、根本的解決策として、京都府などによる土地買収と、区画整理でのまちづくりプランを示して実現を求めてきた。
その方針を百八十度転換した直接のきっかけは、現在の所有者が今春、5億5000万円で買い取る提案をしてきたからだ。
買収話は以前にもあったが高額で話にならなかった。今回はハードルの低下も影響したようだ。
だが方針を決めてもいざ買収となると買収費を工面できる住民と、できない住民に分かれる。
高齢者や生活保護世帯も多く、集められる額と提案額との隔たりは大きなものになりそうだ。
その穴をどう埋めるか。住民らはきょう26日にも買収額を確定するようだが、今後の交渉の難しさは十分に予想される。
さらに現在の土地名義人と従来の所有者側が所有権めぐって係争中なのも気にな
る。判決次第で提案自体が揺らぎかねないからだ。
こうした懸念がある中で、力を合わせての買収を決意した住民らの思いには極めて重いものがある。
戦後、ウトロ一帯の土地を受け継いだ会社は住民へのきちんとした説明なしに土地を売却、住民らは立ち退きの不安にさらされてきた。また土地所有権がないことを理由に宇治市は水道管敷設を長い間、放置。今も下水道整備が遅れ、水はけが悪いため雨で浸水の心配もある。
このほど視察した国連人権委員会の特別報告官は「近代的な日本で」と劣悪な居住環境を驚いた。
ウトロ問題解決の必要性は宇治市も京都府も認める。国は韓国政府から外交交渉で対応を迫られた。
解決に消極的だった日本の行政がどう変わるのか、国際社会から見つめられてもいる。
2005年7月26日

2005.07.27 京都新聞
土地買収で韓国総領事館に支援要請へ
土地買収で韓国総領事館に支援要請へ
宇治・ウトロ町内会


在日コリアンが住む京都府宇治市伊勢田町のウトロ町内会は26日、立ち退きを迫られている土地の買い取りに向けて駐大阪韓国総領事館に交渉の仲介などの支援を求めることを決めた。

同地区の土地約2万1000平方メートルをめぐる訴訟では、当時名義人の西日本殖産が住民に立ち退きを求め、2000年に最高裁で住民が敗訴した。同町内会や支援組織は行政に土地の買い取りなどを求めていたが、現在の名義人から買い取りを非公式に打診されたことを受け、土地を買い取る方針に転換した。

同日夜に開かれた住民集会では、駐大阪韓国総領事館に買い取り交渉の仲裁をはじめ、共有地や生活保護世帯の居住部分の買い取り資金の援助など3点の要望内容を決めた。また、在日本大韓民国民団や在日本朝鮮人総連合会など在日同胞組織にも援助を要請することも決めた。土地買い取りのための住民の負担可能な額の総額については、各世帯から念書を集め、集計している。

土地の所有権をめぐっては、現在の名義人と西日本殖産関係者が大阪高裁で争っている。

2005.07.28 ハンギョレ新聞(韓国)
撤去の危機ウトロ 日産が責任を負うべき
撤去の危機ウトロ 日産が責任を負うべき

「ウトロ国際対策会議」と「ウトロを守る会」の所属会員10名余りは、28日午前ソウル論硯洞(ノンヒョンドン)の日産自動車展示場の前で記者会見を行い、「日帝の軍飛行場建設に朝鮮人を強制動員した後、放置しておいたばかりでなく、いまやは生活の基盤まで奪おうとしている日産は、歴史的・人道的・企業的責任を果たせ」と求めた。
参加者らは、「ウトロ問題の解決は、日本政府と関連企業が歴史的事実に対する反省と補償をする時にのみ可能だ」とし、会社側の誠意ある対策を要求した。
京都府宇治市にあるウトロ町は、1940年日産の日本国際航空工業が日帝と手を握って推進した京都軍飛行場建設に、強制動員された朝鮮人労働者らが集まって形成された強制徴用町だ。
参加者らは、「日産側が、上水道設置さえ同意せずに、住民たちが数十年の間井戸水に依存して暮らすなど、ウトロは徹底的に放置されてきた」とし、「87年には、数十年の間暮らしてきたウトロの土地を住民たちと何も議論せずに、一方的に売ることすらした」と批判した。
住民たちは現在強制退去危機に置かれている。
時事週刊誌<ハンギョレ民族21>は、ウトロ国際対策会議および美しい財団と共に、来月15日までウトロ町の土地買入費用の55億ウォンを用意するための募金運動を繰り広げている。

(※韓国での報道)






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転載 by 青ひょん <aohyon@ka2.so-net.ne.jp>