2004年度以降
 ドゥドゥ・ディエン レポート  2006.02.20


このページの目次
2006.01.24
■ ドゥドゥ・ディエン レポート(日本語仮訳)/部分
2006.01.24
■ ドゥドゥ・ディエン レポート(英文)/部分





「ドゥドゥ・ディエン 現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連する不寛容に関する特別報告者」による 2005年7月3日〜11日に日本を訪問された報告書の一部を「反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)/ www.imadr.org」から、部分転載させてもらいます。
反差別国際運動(IMADR)から「内容をアップデイトする可能性」があるため「転載時の日付も含めてクレジットを明記」をお願いされました。その様に致します。

》反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)訳・平野裕二監訳
》(日本語仮訳:2006年2月15日時点)

原文は、「国連人権高等弁務官事務所 www.ohchr.org」に「ecn4-2006-16-Add2.doc」の名であるようです。
< Report of the Special Rapporteur on contemporary forms of racism, racial discrimination, xenophobia and related intolerance, Doudou Diene

(転載:青ひょん)

□ 日程
2005.07.05 国連人権委員会の特別報告者ドゥドゥ・ディエン氏、ウトロ視察
2006.01.24 ドゥドゥ・ディエン レポート


■ ドゥドゥ・ディエン 現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪
および関連する不寛容に関する特別報告
header
最終編集版
配布:一般
E/CN.4/2006/16/Add.2
2006年1月24日
原文:英語

人権委員会
第62会期
議題項目6
人種主義、人種差別、外国人嫌悪およびあらゆる形態の差別

日本語仮訳
反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)訳・平野裕二監訳
(2006年2月15日現在)

ドゥドゥ・ディエン
現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪および
関連する不寛容に関する特別報告者の報告書

要旨
 現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連する不寛容に関する特別報告者は、その責務に基づき、2005年7月3日から11日に日本を訪問した。特別報告者は、カースト類似の身分制度の結果生じたマイノリティ、先住民族、旧日本植民地出身者およびその子孫、外国人ならびに移住労働者を含むさまざまなマイノリティ集団に影響を及ぼしている差別の要因について、評価を行なった。

 特別報告者は、日本には人種差別と外国人嫌悪が存在し、それが3種類の被差別集団に影響を及ぼしているとの結論に達した。その被差別集団とは、部落の人びと、アイヌ民族および沖縄の人びとのようなナショナル・マイノリティ、朝鮮半島出身者・中国人を含む旧日本植民地出身者およびその子孫、ならびにその他のアジア諸国および世界各地からやってきた外国人・移住者である。このような差別は、第一に社会的・経済的性質を帯びて表れる。すべての調査は、マイノリティが教育、雇用、健康、居住等へのアクセスにおいて周辺化された状況で生きていることを示している。第二に、差別は政治的な性質を有している。ナショナル・マイノリティは国の機関で不可視の状態に置かれている。最後に、文化的・歴史的性質を有する顕著な差別があり、それは主にナショナル・マイノリティならびに旧日本植民地出身者とその子孫に影響を与えている。このことは主に、これらの集団の歴史に関する認識と伝達が乏しいこと、およびこれらの集団に対して存在する差別的なイメージが固定化していることに現れている。

 公的機関がとってきた政策および措置については、特別報告者は、一部のマイノリティのいくつかの権利を促進する法律がいくつも採択されたことを歓迎する。しかし同時に、人種差別を禁止し、かつ被害者に司法的救済を提供する国内法がないことに、懸念とともに留意するものである。

 最後に、特別報告者は、以下の事項を含むいくつかの勧告を行なう。

  • 日本における人種差別の存在を認め、かつそれと闘う政治的意志を表明すること。
  • 差別を禁止する国内法令を制定すること。
  • 人種、皮膚の色、ジェンダー、世系(descent)、国籍、民族的出身、障害、年齢、宗教および性的指向など、現代的差別における最も重要な分野を集約した、平等および人権のための国家委員会を設置すること。
  • 歴史の記述の見直しおよび歴史教育のプロセスに焦点を当てること。
添付文書
ドゥドゥ・ディエン現代的形態の人種主義、人種差別、外国人嫌悪および関連する不寛容 に関する特別報告者による日本への公式訪問に関する報告書(7月3−11日)

目次
段落 ページ

序文. 1-3 4
I.一般的背景 ... 4-13 4
A. 民族的および人口統計的状況 ... 4 4
B. 歴史的および社会的文脈 ... 5-8 4
C. 法制度 ... 9-11 5
D. 行政機構 ... 12 5
E. 方法論 ... 13 5

II. 公的機関の政治的・法的戦略 ... 14-35 5
A. 部落の人びと ... 15-21 6
B. アイヌ民族 ... 22-26 7
C. 沖縄の人びと ... 27 7
D. 朝鮮半島出身者およびその子孫(コリアン)とその他の外国人 ... 28-33 7
E. 反差別立法 ... 34-35 8

III. 関係する集団による自らの状況の提示 ... 36-68 8
A. 部落の人びと ... 36-42 8
B. アイヌ民族 ... 43-50 10
C. 沖縄の人びと ... 51-53 11
D. 朝鮮半島出身者およびその子孫(コリアン) ... 54-59 11
E. 外国人および移住労働者 ... 60-67 13
F. インターネット上の差別的メッセージ ... 68 14

IV. 特別報告者による分析と評価 ... 69-73 14

V. 勧告 ... 74-97 15
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序文. 1-3 4
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1.特別報告者は、その責務に基づき、2005年7月3日から11日まで日本を訪問した。訪問地は、大阪、京都、東京、北海道および愛知県(中部地方)である。特別報告者は、日本における人種差別と外国人嫌悪の存在ならびにそれと闘うためにとられた政策に関するそれぞれの見解を聞くために、あらゆる関係者と面会した。このような文脈において、特別報告者は、外務副大臣、諸省庁の代表者、裁判官、ならびに大阪、京都、東京および札幌の地方自治体の代表者と会見した。

2.さらに、特別報告者はいくつものコミュニティ、特に大阪・西成の被差別部落、京都の朝鮮学校、京都・宇治市ウトロ地区のコリアン・コミュニティ、東京の部落解放同盟中央本部、北海道の北海道ウタリ協会および二風谷のアイヌ民族コミュニティを訪問した。また、いくつかの非政府組織(NGO)および日本弁護士連合会の代表とも面会した。

3.特別報告者は、日本政府当局の全面的協力のおかげで、素晴らしい環境のもとで訪問を遂行することができた。しかしながら、高い地位にある多くの公的人物、とりわけ東京都知事と面会できなかったことは遺憾である。特別報告者はまた、東京の国際連合広報センター、NGO、および面会したコミュニティの人びとに対しても、その素晴らしい支援を感謝する。

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A.民族的および人口統計的状況
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4. 日本の人口は1億2770万人で、その98.45パーセントが日本国籍所持者である。日本の人口には一つの先住民族、すなわち推定3万人から5万人のアイヌ民族が含まれており、その大部分は北海道に居住している。全人口の1.55パーセントに過ぎない外国人の中で、最大の外国人コミュニティは朝鮮半島出身者およびその子孫(コリアン)であり(2004年現在で60万7419人)、次に中国人、ブラジル人、フィリピン人が続く。

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B.歴史的および社会的文脈
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アイヌ民族
5. 日本人は15世紀にアイヌ民族伝来の土地である北海道に移住を開始し、アイヌ民族に対し、その主な生活の営みである狩猟や漁労、また伝統的儀式を行なうことを妨げる厳しい規則を課した。1867年の明治維新以降、近代日本国家は北海道の開拓を開始した。近代日本国家は、アイヌ民族同化政策を公式に採用してその土地を没収したため、アイヌ民族の社会と文化は致命的な打撃を受けた。日本政府が「単一民族国家」としての日本という概念を初めて問題にし、アイヌ文化の独自性とその保護の必要性を認めた法律を採択したのは、ようやく1990年代に入ってのことである。

沖縄の人びと
6. 14世紀から沖縄の人びとにより維持されてきた「琉球王国」は、1879年に日本政府に征服され、併合された。これにより、琉球の地域言語、伝統的な慣習、信仰および生活様式の禁止など、多くの植民地主義的・同化主義的政策が生み出された。1972年以降、日本における米軍基地の大多数が、日本国土の0.6パーセントに過ぎない沖縄に集中し、環境ならびに沖縄の人びと固有の文化・慣習に影響を及ぼしている。

カースト類似の身分制度
7. 封建主義下の江戸時代(1603-1867)、社会的および職業的所属に基づくカースト類似の身分制度が確立された。低身分の人びと(「賎民」)は、死牛馬の処理、皮革製品の製造、死刑執行人および芸人などの職業を割り当てられた。身分制度の最底辺に位置づけられたこれらの人びとは、「穢多」(極度に穢れている)および「非人」(人でない)と呼称された。19世紀後期にこの制度は廃止されたが、新たな身分制度が構築され、最も低い身分の人びと(居住地域から「部落」出身者と呼ばれる)を再び制度の最底辺に位置づけた。1960年代、部落解放同盟(BLL)の申し立てにより、政府は部落の人びとが苦しんできた根深い差別を認知し、生活環境改善のための特別措置をとった。

過去の植民地支配
8. 1910年、日本は大韓帝国を併合して日本の一地方とした。コリアンは劣等な地位にあるものとされ、下位の職業にしか従事できず、意思決定に関わる職には日本人が就いた。朝鮮半島は厳重な植民地支配下に置かれた。自由は抑圧されるとともに、コリアン語の使用は抑制され、1940年には完全に禁止された。第二次世界大戦中、コリアンは戦争協力を強制され、1945年には、朝鮮半島で400万人、日本で200万人のコリアンが強制労働を課されていた。戦争の終結と、40年に及ぶ日本の支配後の独立および朝鮮半島の南北分割以後も、多数の朝鮮半島出身者およびその子孫が日本に居住し続けている。

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C.法制度
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9. 日本は、7つの主要国際人権文書のうち、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する条約(人種差別撤廃条約)を含む6つの文書の締約国になっている。すべての移住労働者及びその家族構成員の権利の保護に関する国際条約は批准していない。

10. 一部のマイノリティの一定の権利を促進するため、立法上の努力が行なわれた。1969年には部落の人びとに対する差別撤廃のための一連の法律が採択されたが、2002年に終了した。1997年にはアイヌ文化振興法、2002年には人権教育に関する法律が制定された。

11. 国内法規で人種差別を禁止する唯一の条文は憲法第14条だが、裁判所はこの条文の自動執行性を認めていない。人種差別撤廃条約の条文もまた自動執行性がないと認識されているため、人種差別を禁止し、被害者に司法的救済を提供する条項は、現時点で国内法には存在しない。

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D.行政機構
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12. 日本における行政権は、国会によって選出され、通常は多数派政党の党首である総理大臣を首班とする、内閣に帰属する。憲法は地方自治の原則も確立しており、各地方自治体に事務管理権と規則制定権を認めている。これによってこの国は47の都道府県に分かれており、それぞれ、直接選挙により選出された知事と一院制の議会によって運営されている。

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E.方法論
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13. 特別報告者は、会見・対話したすべての人びとに主として3つの質問を行ない、それに基づいて調査を進めた。その質問とは、(1)日本に人種主義、人種差別および外国人嫌悪は存在するか、(2)存在するならば、それはどのような形で表れているか、(3)政府はこのような現象に対してどのような政策をとっているか、というものである。次章以降で、特別報告者は、3つの主要な質問への回答として政府および地方当局が報告した主要な問題と懸念(第2章)、同様に市民社会および関係コミュニティが報告した主要な問題と懸念(第3章)について検討する。その後、結論(第4章)と勧告(第5章)を提示する。

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II.公的機関の政治的・法的戦略
D.朝鮮半島出身者およびその子孫(コリアン)とその他の外国人

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28. 日本には現在、在留資格を有する外国人が約200万人存在し、このうち607, 419人がコリアンである。労働分野でコリアンに対する差別と闘う政府の政策には、差別に関する雇用者への事情説明、差別的な雇用手続きがとられた場合の行政指導、社会全体を対象とした啓発活動などがある。特に厚生労働省は公正な採用に関するプログラムを実施しており、企業の経営者と会って外国人および特にコリアンへの差別について事情説明を行なったり、公正な採用を推進したりしている。

29. 大阪府には212, 590人の外国人が在住している。住民の40人に1人は外国人であり、さらにその69パーセントはコリアンである。コリアンの多くは、過去の植民地支配時に日本に強制連行された人びとおよびその子孫から構成されている。その他の国籍構成は、中国人(38,554人)、フィリピン人(5,161人)、ブラジル人(4,758人)、アメリカ人(2,613人)、ペルー人(1,200人)およびアフリカ人(551人)などである。府によると、外国人に対する差別事件は採用時または家の賃貸時に発生しており、コリアンと中国人が関わっていることが最も多い。1994年9月には、入店を拒否されたアフリカ系アメリカ人男性の事件が報告されている。

30. また、差別を回避するために、意に反して日本名を使用するコリアンもいる。小学校では、コリアンの子どもでコリアン名を用いているのはわずか14.2パーセントである。中学校では9パーセントしかいない。朝鮮民主主義人民共和国が2002年に日本国民の拉致を認めた後、嫌がらせ、暴言、暴行、チマ・チョゴリ(朝鮮の民族衣装)の切り裂きといった正当化しえない取扱いが、次々と発生した。

31. その対策として大阪府では、コリアン、中国人、日本人およびその他の外国人からなる諮問委員会と協議の上、5か条の政策を決定した。それらは、府民を対象として人権尊重を促進すること、適切な採用に関する専門家を一定数配属することを事業所に課すこと、情報および社会サービスを複数の言語で提供すること、大阪を国際都市に変えていくという府の目的を広報すること、外国人に日本語学習の機会を提供することである。

32. 東京では、都庁が外国人差別根絶のための小冊子を配布するとともに、在留外国人生徒が在学する公立学校の校長および教師を対象として、人権に関する会議を年1回開催している。

33. 京都府における外国人の割合は人口の2.1パーセントに相当し、そのうち66パーセントがコリアンである。そのなかには大学の学生や研究者もいる。外国人の統合を促進するため、府はパンフレット、ウェブページおよびラジオ番組を通じ、住宅、健康、安全などについての情報を数か国語で発信している。外国人学生や研究者の住まい探しを支援したり、病院にボランティア通訳者を派遣したりもしている。コリアン・コミュニティの教育については、朝鮮学校が複数存在し、その一部に対しては、法によって定められた条件を満たしている場合には助成金が支給されている。京都府は、京都における最も重大な差別問題はコリアンに対する差別であると述べている。この点に関しては、外国人嫌悪のおそれもあるところである。

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III.関係する集団による自らの状況の提示
D.朝鮮半島出身者およびその子孫(コリアン)

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54. ウトロ地区訪問中、特別報告者は、第2次世界大戦中、軍用飛行場建設のため日本政府によってこの地域に連行されたコリアン・コミュニティの現在の生活状況を具体的に目撃する機会を得た。終戦後、飛行場建設の計画は放棄され、この地で働いていたコリアンは、戦時賠償を受けるどころか忘れられ、仕事も資源も保護も法的地位もないままこの地に置きざりにされた。ウトロの衛生状態は悲惨なものである。水道のない世帯が相当数あり、またこの地域には排水設備がないためしばしば浸水が生じている。下水管はないものの露天の下水溝があるが、水位上昇することが多い。宇治市が管理する近隣地区の水路から、ウトロの下水溝にしばしば逆流があるためである。現在ある貧弱な基本インフラは、住民が整備したものである。公的機関がこの地域を訪れたことはない。住民は、働いている者は所得税を納めていることを強調しながら、基本インフラが整備されていないのは不当であるとしている。

55. 住民の多くはウトロで60年以上過ごし、このような非常に不安定な生活状況に苦しんできた。その苦しみはいまなお続いているが、自分たちの唯一のアイデンティティとして、思い出として、情緒的絆として、この地に愛着を覚えている住民が多い。しかし住民たちはいま、立ち退きの脅威にさらされている。終戦後、この地は契約者(現在の日産車体株式会社)によって所有され続けてきたが、1987年、この土地は居住者に無断で不動産仲介人へ売却され、その仲介人が住民に対し即時の立ち退きを要求したのである。京都地方裁判所および大阪高等裁判所は、土地は不法占拠したものであるとしてウトロの住民の申し立てを棄却した。両裁判所は、住民は家屋を取り壊してウトロを去らなければならないと判示している。最高裁判所は、日本政府当局によって連行され、この地で60年以上生きてきたウトロ住民のいかなる権利も認めず、立ち退き命令を追認した。さらに判決では立ち退きの日が明示されておらず、ウトロ住民は、立ち退きの耐え難い脅威が続くなかで暮らさせられている。ウトロで暮らしているコリアンは、自分たちは第一に植民地主義と戦争の犠牲者であり、その後は差別と排除の犠牲者となり、さらに最近では不動産投機の犠牲者であって、基本的権利を60年以上侵害され続けてきたと感じている。

56. コリアン・マイノリティ全般に関わるもうひとつの問題に、年金受給権にアクセスできないことがある。日本にやってきた在日コリアン一世は、植民地支配の下で日本国籍を取得し、長年にわたり日本人として働いてきた。1952年、これらのコリアンから日本国籍が取り上げられた。1959年には社会保障制度が確立されたが、日本国籍を有することが加入要件とされたため、日本人として何年も働いてきたコリアンは除外された。日本政府がようやくこの国籍条項を削除したのは、自由権規約と社会権規約批准後の1982年である。沖縄住民を対象として1972年以降に、または第2次世界大戦後の中国残留孤児を対象としてとられた措置のように、過失なく加入資格を認められていないことがわかった者については社会保障制度に統合する救済措置が講じられたにも関わらず、植民地支配下で日本に在住していたコリアンに対してはこれに対応する措置が講じられていない。在職中、国籍条項のために年金制度に加入できなかった現在70歳以上のコリアンおよそ5万人は、年金支給の対象外である。その多くは、いまも生活のために働かざるを得ない。この問題を提起された大阪高等裁判所は、この問題は立法府の職責であると判示した。この事件は最高裁判所に上告され、そろそろ判決が言い渡されるべき時期であるが、コリアンは、当事者の年齢に鑑みて迅速な決定が必要であるとしている。

57. 日本のマイノリティの教育および特にコリアン・マイノリティの教育の状況に目を向けると、1945年の日本の降伏以降、コリアンたちは民族的アイデンティティを守るため、また若い世代が自分たちの言葉、歴史および文化に親しめるようにするため、日本で多くの朝鮮学校を設立した。特別報告者は、京都府にある朝鮮中高級学校を訪問した。朝鮮学校の主な懸念は、日本の公的機関による認可を受けていないことである。朝鮮学校の学生には、日本の学校や大多数のインターナショナルスクール・外国人学校から卒業証書の発行を受けた学生たちのように、大学入学試験の受験資格を自動的に認められるわけではない。また、朝鮮学校には政府からの財政的援助がなく、親たちに非常に重い負担がかかっている。京都府のように任意の拠出をしている都道府県や地方自治体もあるものの、その額は依然として、日本の学校に支給される額よりもはるかに少ない。最後に、親が朝鮮学校に寄付をしても免税措置の対象とされないが、他の外国人学校への寄付には免税措置が適用される。

58. コリアンの子どもたちに対する差別的状況のなかには、例えば各級学校体育連盟に参加する権利など、近年解決されたものもあるが、コリアンの児童生徒に対する暴力は増加し続けている。単にコリアンであるというだけの理由で、侮辱を受けたり、身体的暴行を受けたりする子どももいる。しかし、それが最も深刻な形で表れるのは朝鮮の民族衣装を着ている女子学生に関わるもので、彼女たちは白昼、公共の場で服を切り裂かれる被害に遭っている。子どもたちは、自分たちのアイデンティティを明らかにしたり、伝統衣装を着用したりすることを恐れるようになっている。

59. 最後に、コリアンが耐え忍んできた差別のなかでも最も恥ずべき形態の差別―第2次世界大戦中に日本軍の意のままに利用されたコリアン女性の性奴隷制度―については、日本政府は1991年になってようやく性奴隷制設置の責任を認めた。しかしながら、公式の謝罪、補償、そして「慰安婦」として知られるこの悲惨な歴史的出来事に関する適切な教育のような諸問題は、いまだ解決されていない。特別報告者はまた、来年度から使用される学校教科書には「慰安婦」に関するいかなる記述も含まれないという報告さえ受けた。

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V. 勧告 (※抜粋)
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74. 政府は、もっとも高いレベルにおいて、日本社会に人種差別および外国人嫌悪が存在することを、正式にかつ公的に認めるべきである。これは、日本の被差別集団それぞれの実態調査を実施することにより、なされなければならない。政府はまた、もっとも高いレベルにおいて、日本社会における人種差別・外国人嫌悪の歴史的および文化的根本原因も正式にかつ公的に認め、これと闘う政治的意思を明確かつ強い言葉で表明すべきである。そのようなメッセージは社会のあらゆるレベルで差別や外国人嫌悪と闘う政治的条件を作り出すだけでなく、日本社会における多文化主義の複雑な、しかし深遠なプロセスの発展を促進することになるだろう。さらに、グローバル化の文脈において、そのようなメッセージは世界、とりわけ日本と経済的関係がある国々やその市民あるいは国民が日本に移住しまたは日本を訪問している国々において、日本の評価およびイメージを高めることも間違いない。観光あるいは仕事上の理由で外国をますます訪れるようになっている日本の市民は、自らが受けるかもしれない差別行為と闘うのみならず、自国のイメージを促進する上でも、より道徳的に強い立場に立てることになるだろう。

75. 政府は、自国が批准している人種差別撤廃条約第4条、とりわけ締約国は「国又は地方の公の当局又は公の機関が人種差別を助長し又は扇動することを許さない」と規定する同条(c) に従い、また、「差別、敵意又は暴力の扇動となる国民的、人種的又は宗教的憎悪の唱道」を禁止する、同様に日本が批准している自由権規約第20条に従い、人種差別および外国人嫌悪を許容しあるいは奨励さえする公務員のいかなる発言に対しても、強い非難と反対を表明しなければならない。

76. 政府および国会は、緊急事項として、憲法および日本が締約国となっている国際文書(人種差別撤廃条約、自由権規約および社会権規約を含む)の規定を国内法体制内で実施するよう、人種主義、差別および外国人嫌悪を禁止する国内法の採択に取り組むべきである。そのような国内法は、次の要件を備えていることが求められる。

-あらゆる形態の人種差別ならびに特に雇用、居住および結婚の領域における差別を処罰し、かつ、被害者に対し効果的な保護および補償を含む救済へのアクセスを保障すること。

- 人種差別撤廃条約第4条に規定されている通り、人種的優越または憎悪に基づいており、かつ人種差別を助長または扇動する、すべての宣伝およびすべての団体は犯罪であると宣言すること。これとの関連で、特別報告者は、条約の第4条(a)および(b)に関して日本が行なった留保は、事情のいかんを問わず実施されるべき性格をもつ第4条に基づく日本の義務と抵触するものであり、また人種的優越および憎悪に基づくあらゆる思想の流布の禁止は意見および表現の自由についての権利と両立するとする、人種差別撤廃委員会の見解を共有する。従って、人種差別を助長または扇動するすべての宣伝およびすべての団体の禁止を国内法体系に含めることを回避するために、意見および表現の自由についての権利を援用することは、妥当ではない。

このような法律の策定過程においては、関係コミュニティとの協議およびその参加が保障されるべきである。

92. ウトロに住むコリアン住民の状況に関して、政府は、ウトロの住民と対話を始めるとともに、当該住民を強制立ち退きから保護し、かつ当該住民が住むところを失わないようにするための措置を直ちにとるべきである。ウトロのコリアン住民が、植民地時代に日本の戦争遂行のための労働にかり出されてこの地に住まわされた事実に照らし、またそこに住むことを60年間認められてきたことを考慮し、政府は、これらの住民がこの土地に住み続ける権利を認めるための適切な措置をとるべきである。

97. 差別を受けている集団は、すべてのマイノリティが尊重され、居場所を見出すことのできる真に多元的な社会を実現する手段として、相互連帯の精神で行動し、おたがいの主張を支持し合うべきである。

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反差別国際運動日本委員会(IMADR-JC)訳・平野裕二監訳
翻訳者(順不同):
川本和弘(松岡とおる事務所)、喜久里康子(沖縄市民情報センター)、小森恵(部落解放・人権研究所)、塩原良和(市民外交センター)、宋恵淑(在日本朝鮮人人権協会)、長谷川由希(アイヌ資料情報室)、藤本美枝(自由人権協会)、小笠原純恵・田中フォックス敦子・原由利子・坂東希・森原秀樹(IMADR事務局)

  • ■ date/sub(name)
    com

■ Report of the Special Rapporteur on contemporary forms of racism, racial discrimination, xenophobia and related intolerance, Doudou Diene
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Distr.GENERAL
E/CN.4/2006/16/Add.2
24 January 2006
Original: ENGLISH

COMMISSION ON HUMAN RIGHTS
Sixty-second session
Item 6 of the provisional agenda

RACISM, RACIAL DISCRIMINATION, XENOPHOBIA AND ALL FORMS OF DISCRIMINATION

Report of the Special Rapporteur on contemporary forms of racism, racial discrimination, xenophobia and related intolerance,
Doudou Diene

Summary
The Special Rapporteur on contemporary forms of racism, racial discrimination, xenophobia and related intolerance, in pursuance of his mandate, visited Japan from 3 to 11 July 2005. He assessed the factors of discrimination that affect various minority groups, including minorities resulting from the caste-like class system, indigenous people, descendants of former Japanese colonies, foreigners and migrants workers.
The Special Rapporteur concluded that there is racial discrimination and xenophobia in Japan, and that it affects three circles of discriminated groups: the national minorities - the Buraku people, the Ainu and the people of Okinawa; people and descendants of former Japanese colonies - Koreans and Chinese; foreigners and migrants from other Asian countries and from the rest of the world. The manifestations of such discrimination are first of all of a social and economic nature. All surveys show that minorities live in a situation of marginalization in their access to education, employment, health, housing, etc. Secondly, the discrimination is of a political nature: the national minorities are invisible in State institutions. Finally, there is profound discrimination of a cultural and historical nature, which affects principally the national minorities and the descendents of former Japanese colonies. This is mainly reflected in the poor recognition and transmission of the history of those communities and in the perpetuation of the existing discriminatory image of those groups.
Concerning the policies and measures adopted by public authorities, the Special Rapporteur welcomes the adoption of a number of laws which promote certain rights of certain minorities, but notes with concern that the there is no national legislation that outlaws racial discrimination and provides a judicial remedy for the victims.
Finally, the Special Rapporteur formulates a number of recommendations, including the following:
  • The recognition of the existence of racial discrimination in Japan, and the expression of the political will to combat it;
  • The adoption of a national law against discrimination;
  • The establishment of a national commission for equality and human rights, whose mandate should bring together the most important fields of contemporary discrimination: race, colour, gender, descent, nationality, ethnic origin, disability, age, religion and sexual orientation;
  • Focusing on the process of rewriting and teaching of history.
Annex
REPORT OF THE SPECIAL RAPPORTEUR ON CONTEMPORARY FORMS OF RACISM, RACIAL DISCRIMINATION, XENOPHOBIA AND RELATEDb
NTOLERANCE, DOUDOU DIENE, ON HIS MISSION TO JAPAN (3-11 July 2005)

CONTENTS
Paragraphs Page

Introduction 1 - 3 5
I. GENERAL BACKGROUND 4 - 13 5
A. Ethnic and demographic situation4 5
B. Historical and social context 5 - 8 5
C. The legal system 9 - 11 6
D. The administrative structure12 7
E. Methodology13 7

II. PUBLIC AUTHORITIES’ POLITICAL AND LEGAL STRATEGY 14 - 35 7
A. The Buraku people 15 - 21 7
B. The Ainu 22 - 26 8
C. The people of Okinawa27 9
D. Koreans and other foreigners 28 - 33 9
E. Anti-discrimination legislation 34 - 35 10

III. PRESENTATION OF THEIR SITUATION BY THE COMMUNITIES CONCERNED 36 - 68 11
A. The Buraku people 36 - 42 11
B. The Ainu 43 - 50 12
C. The people of Okinawa 51 - 53 14
D. The Koreans 54 - 59 14
E. Foreigners and migrant workers 60 - 67 16
F. Discriminatory messages on the Internet68 18

IV. ANALYSIS AND ASSESSMENT OF THE SPECIAL RAPPORTEUR 69 - 73 18

V. RECOMMENDATIONS 74 - 97 19
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Introduction
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1.The Special Rapporteur, in pursuance of his mandate, visited Japan from 3 to 11 July 2005. He travelled to Osaka, Kyoto, Tokyo, Hokkaido and the Aichi prefecture in Chubu region. He met with all stakeholders in order to hear their views on the existence of racial discrimination and xenophobia in Japan and on the measures taken to fight against it. In this context, he met with the Vice-Minister of Foreign Affairs, representatives of various ministries, judges, as well as representatives of the local governments of the Osaka, Kyoto, Tokyo and Sapporo.

2.Furthermore, the Special Rapporteur visited a number of communities: in particular, the Buraku community in Nishinari in Osaka, a Korean school in Kyoto, the Utoro Korean community in Uji City in Kyoto, the headquarters of the Buraku Liberation League in Tokyo, the Ainu Association of Hokkaido and the Ainu community of Niburani in Hokkaido. The Special Rapporteur also met with representatives of several non-governmental organizations (NGOs) and the Japan Federation of Bar Associations.

3.The Special Rapporteur carried out his visit in excellent conditions, thanks to the full cooperation of the Japanese authorities. He regrets however that he could not meet with a number of high-level authorities, in particular the Governor of Tokyo. The Special Rapporteur also thanks the United Nations Information Centre in Tokyo, the NGOs and the communities he met for their excellent support.

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I. GENERAL BACKGROUND
A. Ethnic and demographic situation

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4.Japan has a population of 127.7 million, out of which 98.45 per cent are Japanese nationals. The Japanese population includes one indigenous population, the Ainu, estimated at between 30,000 and 50,000 people: they live predominantly in the island of Hokkaido. Amongst the foreigners, who do not represent more than 1.55 per cent of the population, Koreans are the largest foreign community (607,419 in 2004), followed by the Chinese, Brazilians and Filipinos.

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B. Historical and social context
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The Ainu
5.In the fifteenth century, the Japanese started to move into the island of Hokkaido, ancestral land of the Ainu people, and imposed on the Ainu strict rules impeding them from carrying out their main activities like hunting and fishing, and practising their traditional rituals. After 1867, the Meiji Restoration, the modern Japanese nation State started to exploit Hokkaido. It adopted an official policy of assimilation of the Ainu and expropriated their land, so that Ainu society and culture was fatally damaged. It was only in the 1990s that the Government of Japan put into question the notion of Japan as a “mono-ethnic nation” and adopted a law that recognizes the specificity of the Ainu culture and the need to preserve it.

The people of Okinawa
6.The “Ryukyu Kingdom”, maintained by the Okinawa people from the fourteenth century, was conquered by the Government of Japan and annexed in 1879. This produced various colonialist and assimilative policies, such as the prohibition of Ryukyu dialects, traditional customs, religious faith and lifestyle. Since 1972, the majority of the United States bases in Japan have been concentrated in Okinawa, which covers only 0.6 per cent of Japanese territory, affecting the environment, indigenous culture and custom of the Okinawa people.

The caste-like class system
7.During the feudal era of the Edo (1603-1867), a caste-like class system based on social and professional belonging was established. The humble people (senmin) were assigned such duties as disposing of dead cattle, leather production, being executioners and performers. Placed at the bottom of the system, they were designated as eta (extreme filth) and hinin (non-humans). In the late nineteenth century, the system was abolished, but a new class system was established, which again placed the most humble class (the Buraku, from the name of their district) at the bottom of the system. In the 1960s, following the claims of the Buraku Liberation League (BLL), the Government recognized the deep discrimination suffered by the Buraku people and adopted special measures to improve their living conditions.

The colonial past
8.In 1910, Japan annexed Korea, which became a Japanese province. Koreans were considered as inferiors and could only work in subaltern jobs, while the decision-making jobs were taken by the Japanese. Korea was forced into a strict colonial rule: liberties were suppressed, the use of the Korean language discouraged and then totally forbidden in 1940. During the Second World War, the Koreans were obliged to participate to the efforts of war: in 1945, 4 million Koreans in the peninsula and 2 million in Japan were subjected to forced labour. Following the end of the war and the independence and separation of the two Koreas after 40 years of Japanese rule, a large community of Koreans continues to live in Japan.

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C. The legal system
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9.Japan is party to six of the seven major international human rights instruments, including both the International Covenants on Civil and Political Rights (ICCPR) and on Economic, Social and Cultural Rights (ICESCR) and the Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination (ICERD). It has not ratified the International Convention on the Protection of the Rights of All Migrant Workers and Members of Their Families.

10.Legislative efforts were made in order to promote certain rights of some minorities. A series of laws for the elimination of discrimination against the Buraku were adopted in 1969, but terminated in 2002. In 1997, a law for the promotion of the Ainu culture was adopted, and, in 2002, a law on human rights education.

11.The only provision in national legislation which prohibits racial discrimination is article 14 of the Constitution, but its provisions are not considered by courts to be self-executing.Since the provisions of ICERD are also considered to be not self-executing, there is at present no provision in the national legislation that outlaws racial discrimination and provides a judicial remedy for the victims.

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D. The administrative structure
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12. The executive power in Japan is vested in a Cabinet headed by the Prime Minister, who is elected by the Diet (parliament) and is usually the leader of the majority party. The Constitution establishes also the principle of local autonomy and recognizes the right of each local public entity to manage its affairs and to enact regulations. The country is thus divided into 47 prefectures, each governed by a governor elected by direct popular vote and a unicameral legislature.

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E. Methodology
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13.The Special Rapporteur based his investigation on three main questions he addressed to all interlocutors he met: (1) Is there racism, racial discrimination and xenophobia in Japan; (2) If yes, what are its manifestations; (3) What are the policies adopted by the Government to fight against these phenomena? In the following chapters, the Special Rapporteur reflects on the main issues and concerns that were reported to him by the Governmental and local authorities (chap. II) and the civil society and communities concerned (chap. III) in response to his three main questions. Thereafter, he presents his conclusions (chap. IV), followed by his recommendations (chap. V)

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II. PUBLIC AUTHORITIES’ POLITICAL AND LEGAL STRATEGY
D. Koreans and other foreigners

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28.There are around 2 million documented foreigners in Japan, of whom 607,419 are Koreans. The policy of the Government to fight against the discrimination of Koreans in the labour sector consists in briefing employers on discrimination, administrative guidance in case of discriminatory hiring procedures, and sensitization activities to the whole society. In particular, the Ministry of Social Welfare, Health and Employment has a programme of equitable recruitment: it meets with companies’ managers to brief them on the discrimination of foreigners and in particular Koreans, and promotes fair recruitment.

29.In Osaka Prefecture, there are 212,590 foreigners: one inhabitant out of 40 is a foreigner, 69 per cent of whom are Koreans. Many of these were brought to Japan forcibly during the past colonial rule and their descendants. Other nationalities include the Chinese (38,554), Filipinos (5,161), Brazilians (4,758), Americans (2,613), Peruvians (1,200) and Africans (551). The prefecture indicated that discriminatory incidents against foreigners occur at the time of recruitment or when renting a house and most frequently involve Koreans and Chinese. In September 1994, an incident was reported of an African-American male who was refused entry to a shop.

30.In addition, there are Koreans who use Japanese names against their will to avoid discrimination. In primary school, only 14.2 per cent of the Korean children use their Korean name. In secondary school, only 9 per cent. Unjustified treatment, such as harassment, verbal abuse, physical violence, or the ripping of the chima chogori (Korean ethnic dress) have taken place one after another after the North Korean side admitted the abduction of Japanese nationals in 2002.

31.As a response, the Prefecture of Osaka elaborated a five point policy, in consultation with an advisory panel of Koreans, Chinese Japanese and other nationalities: to promote the respect of human rights for the population; to impose on firms of a certain size that they assign specialists in proper recruitment; to provide information and social services in several languages; to publicize the objective of the prefecture to turn Osaka into an international city; and to provide foreigners with opportunities to learn Japanese.

32.In Tokyo, the metropolitan government distributes booklets on the eradication of discrimination against foreigners and organizes yearly conferences on human rights for principals and teachers of public schools that include a component on foreign residents.

33.In Kyoto prefecture, foreigners represent 2.1 per cent of the population: 66 per cent of these are Koreans. Some are students or researchers in university. To promote the integration of foreigners, the Prefecture disseminates information on housing, health, security etc. in several languages, through brochures, a web page and a radio program. It assists foreign students and researchers to find an accommodation and sends voluntary interpreters to hospitals. Concerning the education of the Korean community, there are Korean schools, some of which receive grants if they meet the conditions set by law. Kyoto prefecture indicated that the most serious problem of discrimination in their region is discrimination against Koreans: there is a risk of xenophobia in this regard.

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III.PRESENTATION OF THEIR SITUATION BY THE COMMUNITIES CONCERNED
D. The Koreans

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54.During his visit to the Utoro district, the Special Rapporteur had the opportunity to witness concretely the conditions in which a Korean community lives today, one which was placed by the Government of Japan on this piece of land during the Second World War, in order to build a military airport. When the war ended, the project of building the airport was abandoned, and the Koreans who were working there, far from receiving war reparations, were forgotten and left in that land without work, resources, protection or legal status. The sanitary conditions of Utoro are deplorable: a considerable number of the families have no running water, and the district has no channels to evacuate water, which often provokes floods. There are no sewage pipes, but an open-air sewer whose level often rises because a neighbouring canal managed by the city of Uji often causes a reflux into the Utoro sewer. The poor existing basic infrastructures were built by the inhabitants: public authorities never came to this area. The inhabitants see this lack of basic infrastructure as unjustifiable, stressing that those who work pay their income tax.

55.Many of the inhabitants have spent more than 60 years in Utoro, have suffered and continue to suffer from these very precarious conditions of life, but are profoundly attached to their land as their only identity, memory and emotional link. However, they are now under the threat of expulsion. After the war, the land continued to be owned by the contractor (the present Nissan Shatai Corporation), but in 1987 it was sold without notice to the dwellers to a real estate agent, who requested the residents to immediately evacuate. The Kyoto District Court and the Osaka High Court rejected the arguments of the Utoro dwellers that the land had been occupied illegally. The courts ruled and that they should demolish their houses and leave Utoro. The Supreme Court confirmed the expulsion, failing to recognize any right of the Utoro people on the land where they were brought by the Japanese authorities and where they lived for more than 60 years. In addition, the sentence does not indicate any date for the expulsion, which makes the Utoro people live under an unbearable constant threat of expulsion. The Koreans living in Utoro feel they are the victims first of colonialism and war, thereafter of discrimination and exclusion, and most recently of real estate speculation: their basic rights have been violated for over 60 years.

56.Another problem of the Korean minority in general is the lack of access to pension rights. Koreans of the first generation who came to Japan have worked for years as Japanese citizens, having acquired the Japanese nationality under the colonial rule. In 1952, the Japanese nationality was withdrawn from those Koreans. In 1959, the social security system was established and Japanese nationality was required for joining it, thereby excluding Koreans who had worked for years as Japanese. The Government of Japan removed this nationality clause only in 1982, after having ratified the ICCPR and ICESC. Despite the fact that compensatory measures have been taken to integrate in the system those who were discovered not to be entitled not due to their fault - as for the Okinawa residents after 1972 or the returned Japanese children left behind when Japan withdrew from China after the end of the Second World War - no comparable measures have been taken for Koreans who had lived in Japan under the colonial rule. An estimated 50,000 Koreans who are now more than 70 years old and in their working years were prevented from joining the system because of the nationality clause are excluded from any pension benefit. Many of them are obliged to work to survive. The matter went to the Osaka High Court, which ruled that this issue was of the resort of the legislature. The case was submitted to the Supreme Court, which should now rule on it, but Koreans need a prompt decision in view of the age of the persons concerned.

57.Turning to the situation of the education of minorities in Japan, and in particular of its Korean minority, since Japan’s surrender in 1945 Koreans have created a number of Korean schools in Japan to preserve their national identity and enable the young generations to be familiar with their language, history and culture. The Special Rapporteur visited a Korean secondary school in the Kyoto Prefecture. A major concern of Korean schools is the lack of recognition by the Japanese authorities: students have no automatic eligibility to take the university entrance examination, as is the case for students with a diploma issued by Japanese schools and by the majority of the international and foreign schools. Also, Korean schools do not receive financial support from the Government, which puts a very heavy burden on the parents. Some prefectural governments and municipalities give voluntary contributions, as in Kyoto, but these remain much lower than the ones given to Japanese schools. Finally, parents cannot benefit from tax exemption on their donations to Korean schools, while donations to other foreign schools are tax-exempt.

58.While some situations of discrimination against Korean children have recently been solved, for example concerning their right to participate in school sports federations, violence against Korean schoolchildren continues to increase. Some children suffer insults or are physically abused simply because they are Koreans. But the most serious expression concerns girls wearing national Korean dresses, who have had their clothes ripped or cut in public places during daytime. Children are now scared of showing their identity or of wearing their traditional dress.

59.Finally, concerning the most shameful form of discrimination endured by the Koreans - the system of sexual slavery of Korean women put at the disposal of the Japanese military during the Second World War - only in 1991 did the Government of Japan recognize its responsibility in the establishment of this system. However, issues such as official apology, compensation and proper education about this tragic historical episode known as “comfort women” have still not been settled. The Special Rapporteur was even informed that, starting from next year, school textbooks will not include any reference to the “comfort women”. −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
V. RECOMMENDATIONS (*excerpt)
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74.The Government, at the highest levels, should officially and publicly recognize the existence of racial discrimination and xenophobia in Japanese society. It should be done by conducting a survey to find out the present conditions of each discriminated group in Japan. The Government, at the highest levels, should also officially and publicly recognize historical and cultural roots of racial discrimination and xenophobia in the Japanese society, and express in clear and strong terms its political will to combat it. Such a message will not only create the political conditions of combating discrimination and xenophobia at all levels of society, but also facilitate the promotion of the complex but profound process of multiculturalism in Japanese society. Moreover, in the context of globalization, such a message will undoubtedly enhance the standing and image of Japan in the world and in particular in the countries economically related to Japan and whose citizens or people migrate or visit Japan. Japanese citizens, who are increasingly visiting foreign countries for tourism or business-related reasons, will be in a stronger moral position not only to combat the manifestations of discrimination they may be subjected to, but also to promote the image of their country.

75.The Government should strongly condemn and oppose to any statement by public officials which tolerates or even encourages racial discrimination and xenophobia, in accordance with article 4 of the International Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination, ratified by Japan, and in particular its paragraph (c), which provides that States “shall not permit public authorities or public institutions, national or local, to promote or incite racial discrimination”, and in accordance with article 20 of the International Covenant on Civil and Political Rights, also ratified by Japan, which prohibits “any advocacy of national, racial or religious hatred that constitutes incitement to discrimination, hostility or violence”.

76.The Government and the parliament (Diet) should as a matter of urgency proceed to the adoption of a national law against racism, discrimination and xenophobia, giving effect into its domestic legal order to the provisions of its Constitution and of the international instruments to which Japan is a party, which include the International Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination, the International Covenant on Civil and Political Rights and the International Covenant on Economic, Social and Cultural Rights. Such a domestic law should:

-Penalize racial discrimination in all its forms, and specifically discrimination in the field of employment, housing and marriage, and guarantee access to effective protection and remedies, including compensation, to victims;

-Declare an offence all propaganda and all organizations which are based on racial superiority or hatred and promote or incite racial discrimination, as provided for in article 4 of the International Convention on the Elimination of All Forms of Racial Discrimination. In this regard, the Special Rapporteur shares the view of the Committee on the Elimination of Discrimination that the reservation made by Japan to article 4 (a) and (b) of the Convention is in conflict with Japan’s obligations under article 4, which is of a mandatory nature, and that the prohibition of the dissemination of all ideas based upon racial superiority and hatred is compatible with the rights to freedom of opinion and expression. Therefore, the inclusion in the domestic legal system of a prohibition of all propaganda and all organizations which promote or incite racial discrimination cannot validly be avoided by invoking the rights to freedom of opinion and expression.

The communities concerned should be consulted and should participate in the process of elaboration of this law.

92.Concerning the situation of the Korean community living in Utoro, the Government should enter into a dialogue with the Utoro residents and take immediate action to protect them against forced evictions and prevent them from becoming homeless. In the light of the fact that the Koreans residents of Utoro have been placed in this land during the colonial times to work for the Japanese State for its war effort, and considering that they have been allowed to live there for 60 years, the Government should take appropriate measures to recognize their right to continue to live in this land.

97.Groups that are discriminated should act in a spirit of solidarity between them, and support each others against causes, as a way to achieve a truly pluralistic society, where all are minorities are respected and have their place.

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