星空への招待

16. 新発見!?山切りカットのカシオペヤ

この事実は、私だけの秘密にしておこうかとも思ったのだが、
上高地の星空に興味をもつ方々の、来シーズン以降の楽しみのために、
そっとお教えすることにしよう・・・。

「 W 」もしくは「 M 」の星の配列でお馴染みの カシオペヤ は古代エチオピア
王妃をかたどった星座で、今なら日没後、星々が見え始めるころには
もう北東の空に昇っていて、夜明けまで一晩中見ることができます。
沈みかけた北斗七星に代わり、北極星を見つけだす よいガイド役ともなっています。

早春から夏までの季節、上高地でこのW型に並んだ2等星と3等星、5つが見えだす
のは夜もだいぶ更けたころです。 ・・・昨年の春、梓川の河原で星を見ていた私は
深夜に生まれたてのカシオペヤを見つけ、あることに気が付きました。

 ちょうど、前穂高岳のピークを跨ぐような格好で は姿を現しますが、
そのの型と稜線の形が、角度を揃えたかのようにまったく同じ!なのです。

歯ブラシの宣伝ではないけれど、カシオペヤは文字どおり“山切りカット”になっていて、
歯茎(?)にあたる前穂稜線に まさに ぴったりフィットしています。
・・・だから何もない状態から、5つの星がほとんど同時に、穂高の陰からぴょこん!と
顔を出すわけです。
もちろん、見る場所によって稜線の見え方が変化しますので、必ずしも
「同時にぴょこん!」とはならないし、もう遥か昔からこの景色は
繰り返されているはずですから、私だけの新発見ではないに違いないのですが、
それにしても自然の造形は、時として芸術的で、私たちを感動させたり
面白がらせたり、飽きさせません。

来シーズン以降、カシオペヤがまた日が暮れてしばらくたって昇る季節に、
この風景を楽しみに上高地へいらして下さい。 (あさお)

上高地ビジターセンター発行「マガモ新聞」No.137 (1996年9月7日発行)より 

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