21. 星景写真 せいけいしゃしん

ビジターセンター(注)に入ってすぐ正面の掲示板に、私が上高地で撮った星の写真を
4枚ほど展示してもらっています。昨年の春から今年4月までに撮影したもので、
そろそろ‘96年“夏の新作”を発表したいところですが、残念ながら
皆さんにお披露目できるほどの写真がありません。
本格的に天体写真に取り組んでいらっしゃる方がご覧になれば、特別どう
ということのない、誰にでも写せそうな4点かとは思いますが、
私が撮ったものの中ではそれなりの出来と思えるものです。

展示してあるような写真のジャンルを、空を取り入れた風写真という意味で
「星景写真」と呼ぶことがあります。風景写真の延長というか一つの題材として
星も撮ってみたいとの考えから撮られる方もあるでしょうし、逆に
私のように入口は天体写真で、その後、風景写真への興味から
両者が組み合わさって「星景写真」になっていく、というパターンもあります。
撮影技術というよりは、いかに魅力的な風景を探し出すかによって作品の
出来が左右されるとも言えます。
あとは、そこで美しい星空が見えるかどうかです。

その意味で、上高地はまさに星景写真にうってつけの場所といえるでしょう。
星の動きを追尾して星空を見たままの“点”の状態に撮る、ガイド撮影という
手法もありますが、その場合 地上の風景は流れてしまいます。
上高地ではもったいなくてガイド撮影は敬遠してしまいます。
カメラをがっちり固定するだけの星景写真よりセッティングが面倒という
理由もありますが、それより 星が“線”になっても、この地上の風景共々
写し撮りたいという思いが強いからです。

星景写真の撮り方は、理屈としては簡単でカメラを三脚に固定し、
構図を決めて一定時間シャッターを開いたままにしておく、これだけです。
その間に星空が動くので星は光の線となって写ります。
バルブ機能のあるカメラやレリーズは必要ですが、特別なフィルムなどを
使うわけでもありません。
失敗を恐れて、私はあまり長時間の露出は好みませんが
(たとえば2時間3時間辛抱して撮った1コマが、出来上がってみると
ブレていたというのでは悲しすぎるでしょう?)実験的にいろいろ撮ってみて、
あとは経験的“勘”に頼っているというのが現実です(私の場合は)。

シーズン中は日夜 上高地で生活している私などは、素晴らしい写真を数多く
得られるチャンスに恵まれているはずなのですが、そう易々と量産できる
ものでもありません。努力が足りないと言われゝばその通りで、
上高地の自然の美しさを多くの人に知ってもらうためにも、
私は星景写真を一つの手段として紹介していけたらと思っています。




注: 上高地ビジターセンターは2001年10月に建て替えられました。ここでいう
   ビジターセンターは建て替え前の当時のもので、私の星景写真がどうなったのか
   今となっては分かりません・・・。上の写真はその4枚のなかの1枚。
   (写真をクリックすると大きな画像が見られます。上高地駐車場にて。122KB)

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