52. ビッグバン

昨年くらいからでしょうか、ビッグバンという言葉をよく見聞きするようになってきました。
そのままですと大爆発という意味ですが、ニュースに登場するときは
いわゆる「金融の抜本改革」というような意味に使われるようです。
しかし、私に言わせれば、というより天文の世界では、
宇宙の始まりのきっかけとなった大爆発のことを指します。

宇宙は、今から150億年ほど前、大爆発とともに始まったというのがビッグバン説です。
宇宙は現在も膨張をつづけているという話は、どこかで聞いたことがあると思います。
その始まりがビッグバンでした。なかなか想像するのも難しい出来事ですが、
その瞬間まで宇宙のすべての物質はごくごく小さな空間に凝縮されていて、
おそろしく高温で密度も高く、強い重力に閉じ込められていた、というのです。

まだ宇宙が誕生する前? 何もない空間に物質が凝縮…とはいったいどういう状態なのか、
それらの物質はどこから来たのか、など疑問は次々に出てきます。
そもそも膨張を続けている、というからにはどこかに
“宇宙の果て”はやっぱりあるのか? あるとしたら、どうなっているのでしょう??

ここで、宇宙を風船にたとえるとします。いまは勢いよく空気が吹き込まれ、膨らんでいる
段階ですが、重力はそれとは逆の方向にはたらいていて、ある時ビッグバンの力が
弱まると、今度は風船から空気がぬけるように逆の爆発が起こり、宇宙の収縮がはじまる、
という説があります。それにも数十億年という年月がかかりますから、私たちが
その時のことを心配する必要はまったくないわけですが、宇宙の未来には
二つの可能性があって、このように膨張・収縮の爆発をくりかえすか、
永遠に膨張を続けるかだと言われています。

かくして宇宙はひとつしかないのだろうか、と疑うこともできると思います。
150億年といえば人間にとっては途方もない歳月に思えますが、宇宙にとって
ビッグバンは、日常的な出来事に過ぎないのかも知れません。
宇宙というものはずっと前からあったのか、それともあるとき何かから生まれたのか……
突き詰めていくと、私が存在するこの世界はどこから来たのかという、
哲学的な問いかけにも通じるものがあるようです。



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