星空への招待

66. 吾妻山の火山活動と月齢の関係


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  暗夜を照らす月の光はときにやさしく、ときに心強く、ときには「何かが起こりそう
だ」とあやしい予感を感じさせたりもしますが、つまり月の存在が、私たちの心理に何
らかの影響を与えることは間違いないようです。交通事故は満月や新月の日に多く発生
するという統計もあるといいます。
 一方、「自然現象が月の満ち欠けとどのような関係があるか」をつきとめようと、地震
と月齢の関係を調べてみたことがあります。‘95年の阪神大震災が満月の日に起こり、
北アルプス・焼岳の前回の噴火(‘62年)も満月だったことから「これは何か関係があ
るかも」と、1950〜‘96年に世界中で起こった201回の地震について、発生日の月齢
を調べました(詳しくは小文19.50.に掲載)。

 今回、吾妻山の火山活動の記録と照らし合わせながら、過去〜未来の指定した日時の
星空を再現できる天文シミュレーションソフト「ステラナビゲータ6」を使って、月齢との関係
を調査した結果がこの表です。 (参考資料:吾妻山火山防災マップ H14年2月)

吾妻山の噴火活動日 月齢
1893(明治26)年5月19日  (6/4 月齢19、6/7 月齢22
1914(大正3)年11月12日 24
1950(昭和25)年2月10日 23(2/19 月齢)
1952(昭和27)年5月23日 29
1966(昭和41)年1月〜12月  ―
1977(昭和52)年10月26日 13

  火山活動は地震と違い、多くが継続的なものとなるため特定の噴火日で調査すること
に疑問もありますが、結果として分かるのは、吾妻山の有史以降の限られた噴火記録の
なかでは、特定の月齢の日に噴火が起こりやすいという相関関係はないらしいということ
です。ちなみに同じく那須火山帯に属し、似たような時期に活動する傾向にある磐梯山の
大噴火の日、1888(明治21)年7月15日は月齢6でした。
  前述した“地震と月齢との関係”調査では、しいて言えば新月前(月齢27〜29)の発生
回数が多い(201回中、37回発生)という傾向が認められましたが、今回の調査でも、
しいて言えば 下弦前後をピークとする満月〜新月の間に噴火が起きやすい、と言えなくも
ないですが、明治26年の大噴火はそれとは外れた三日月の日ですし、無理にこじつける
のはやめておきます。
  ただし、20万年の歴史をもつ吾妻火山が現在も生きていて、活動を続けているという
認識は忘れないようにしたいものです。                       (あさお)


   浄土平ビジターセンター発行 「浄土平にゅ〜すNo.48(2002年9月25日発行) より

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