星空への招待


9.木星は快楽の星か?!

貴方は、クラシック音楽がお好きですか?
広い意味で「自然が好き」という共通項をもつ仲間同士でも、
その他の趣味に関してはまるっきり違っているのが普通で、
そこがまた面白いところだと思うのですが、ここでは
あなたの音楽的趣味にはお構いなく、管弦楽の世界から 天体を描いた音楽を
ひとつご紹介しましょう。

筆者の場合“星”への興味が聴く音楽にも影響を与えていて、13年前の夏、当時はまだ
レコードが普通でしたが、カラヤン指揮ベルリンフィル
組曲『惑星』(The Planets)
飽きもせず、くりかえし聴いたものです。
グスタヴ・ホルスト(Gustav Holst 1874−1934)が
1914年から16年にかけて作曲した、

地球と冥王星をのぞく7惑星(7曲)で構成された内容の濃い作品です。

最近ではTVCFに採用されたり“クラシック・ベスト100”というような企画には
必ず顔を出す、知られた曲になりました。
惑星探査もはじまっていない時代の曲なのに、各惑星のイメージを的確にとらえた
色彩豊かな表現は、星に興味をもっていればなおさら楽しみが広がるものです。

各曲にそれぞれ副題が付いていて、たとえば一曲目から
火星― 戦争の神
金星― 平和の神
水星― 翼のある使者

・・・という具合。
そして四番目に登場するのが‘96年夏の夜空でぜひ注目してほしい

木星― 快楽の神」です。

(NASA/JPL)

Jupiter, The Bringer of Jollity”の日本語訳ですから、直訳すれば
陽気・愉快をもたらす者
となりますが、ローマ神話に登場するジュピターは
“神々の中の主神で天の支配者”です。

「神」と「快楽」どちらの訳(解釈)も個人的には好きになれないのですが、
作曲者のホルストさんには、そんなふうに見えたのでしょうか。 

あなたには木星が“快楽の星”に見えるかどうか、確かめてみてください。
今年は いて座の
天の川の中にいて、満月と同じように日没後、
南東の空に昇ってきます。 ただし上高地には
その方角に
標高2,449mの六百山がそびえていて、南中直前まで姿を現してくれません。

時刻でいうと午後10時30分ころ、−2.7等のおちついた巨光が
山の陰から現れたら、それが
太陽系最大の惑星・木星です。
“夜半の明星”とも呼ばれるくらい、他のどの星よりも明るく輝いているので
一目でそれと分かります。ジュピターの名を与えられたことも
きっと納得がいくでしょう

組曲『惑星』のなかでも、木星はいちばん人気の高い曲です。
  (あさお)


上高地ビジターセンター発行『マガモ新聞』No.130(1996年7月9日発行)より

注: 冥王星がトンボーによって発見されたのは1930年のこと。 組曲 『惑星』 作曲当時は未発見でした。
組曲 『惑星』 およびホルストについて、詳しくはこちらのページをお勧めします。


* ホルスト『惑星』のDiscについてはこちらのページが充実しています。

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