02. 焼却場に行こう!

どんなガイドブックやパンフレットにも、上高地の“焼却場”は
紹介されていないでしょう。

知る人ぞ知る、こういう場所にこそ“穴場”と呼ぶにふさわしい
見物(みもの)が潜んでいたりするものです。

・・・ではまず、どこにあるのか? 
多くの人は気が付かず通り過ぎていってしまいますが、
郵便局やタクシー乗り場にそう遠くない場所・・・。
時間があれば、探して訪ねてみて下さい。

ここは(財)自然公園美化管理財団 * が管理していて、
ふだん観光客は訪れませんが、上高地になくてはならない
重要な施設のひとつです。そして今シーズン限りで、その重要な役目を
ひとまず終えようとしています。

焼却場ですから、その役割はもちろんゴミを焼却・処分すること
ですが、お客さんの捨てていくさまざまなゴミ、ゴミ拾いによって
回収されたもの、上高地ではたらく従業員の日常生活ゴミ等々、
雨の日も風の日も吹雪の日も、シーズン中は一日も休まず働き続けます。
夏の繁忙期などは早朝から夕暮れまで
それこそフル回転、
ここも同じ上高地かと信じられないような、
熱気と殺気に満ち溢れた空間と化します。

つまり、上高地にはゴミが少ない、チリひとつ落ちていない、と
おっしゃる方もいらっしゃいますが
、それは気のせいで、じつはその陰に
地道なゴミ拾い・清掃活動があり、大変な手間ひまをかけた分別・焼却等の
作業が休むことなく続いているのです。
ただし、上高地での焼却には下界同様、またはそれ以上に
環境への配慮が必要で、さまざまな問題を含んでおり、
ついにというべきか、今季限りで大量のお客さんのゴミを
ここで焼却することはなくなります。
来年からは分別後、松本市の清掃センターに運び込まれるのです。

 私たちはふだん何気なくゴミを捨て、その後どのように処分されるのか
知る機会はほとんどありません。その仕組みが身近に確認できる
「上高地焼却場」の見学は、自分のゴミの出し方を反省する
機会にもなるのでは、と思います。

 そして、焼却場周辺は知られざる野鳥の宝庫でもあり、
裏山の斜面は秋に美しい紅葉を見せてもくれます。
雨のあとには河童でも住んでいそうな池が現れ、時には上高地名物
「河童の涙」製作のひみつも覗けるかも知れません・・・。

 そこで働く男たちが無愛想で何のお構いもしなくても、
それはご勘弁下さい。
(^^ゞ


上高地ビジターセンター発行 「マガモ新聞」No.171 (1998年6月1日発行)より。文責:あさお

*当時の名称。2002年7月より(財)自然公園財団 に名称変更されました。