04. なが〜いながいトイレットペーパーの話

,376― 
上高地に関連したこの数字、いったい何を表していると思いますか?

これは、バスターミナル公衆トイレで昨シーズン(約7ヶ月間)
使用された トイレットペーパーの本数 です。

しかも普通のトイレットペーパーではありませんよ。
利用なさった方はお気付きと思いますが、
LPレコードほども直径がある
特大のジャンボ・ロール・ティシュー(
JRT)です。
1本で686m、
ふつうのトイレットペーパー10本分以上に相当します。
これを1つのトイレで、約
半年間に1,376本も消費する・・・
ちょっと想像できない数字ですね。

 さらに、上高地の公衆トイレはここだけではありません。
昨シーズンのデータでは、次いで

河童橋WCで502本、
大正池
WC 324本、
ウェストン園地
WC 321本、
明神
WC  249本、
小梨平
WC 224本、
徳沢
WC  181本、
中ノ瀬
WC 139本
という使用状況
・・・・・・
上高地全体では、なんとJRT ,316本に上ります。

 この膨大な使用量を「長さ」に直してみると、
686m×3
,316本=2274.776km
約10cmのJRTを積み上げたとすると、その高さは
330m以上になります。

つまり上高地の1シーズンで、
日本列島を北海道から沖縄まで“白い帯”で結べるほどの
トイレットペーパーが消費され、
東京タワー並みの“
JRTタワー”が消えてゆくわけです。

そして春の利用者が増えた‘98年、今シーズンは
これが更に増加するものと予想されます。

 消費量がお客さんの数に比例することは明らかです。
例えば昨年、バスターミナル公衆トイレでは

上高地がいちばん賑わう8月 ひと月だけで
447本(シーズン中の全使用量の32%)必要でした。

「一人ひとりの使用量はわずかなようでも、それだけ利用者が多い」

・・・そう片付けてしまうことは簡単です。

でも、この消費量をなんとか少しでも減らす方向に持っていけないでしょうか。
一人ひとりが節約する意識をもって使っていますか。

JRTはどこでも手に入るわけではありません。
箱を見るとマレーシアで生産されているようです。

これだけの紙資源、樹木や森林に換算してどれだけの広さになるのでしょう。
輸送にどれだけコストがかかっていることでしょう。

私たちは、上高地で自然を大切にする一方で、よその国の自然は破壊した。
・・・そんな矛盾した行為だけは避けなければなりません。



上高地ビジターセンター発行「マガモ新聞」No.173 (1998年6月15日発行)より 文責:あさお

この拙文に綴った状況は、現在でも大きく変わってはいないと思います。
またJRTは、浄土平公衆トイレでも同様のものが使われています。