児童相談所の児童福祉司として9年余り活動する中で、明らかに虐待と判断できる事例、あるいは虐待の疑いが極めて弧厚な事例、別の相談の中に親の虐待が浮かんでくる事例など、たくさんの事例への対応を迫られてきました。
今日はそのような事例を、児童相談所の対応という部分に焦点を当てて紹介し、この10年間を振り返って、児童相談所の対応に変化があるのかないのか、考えてみたいと思います。
事例1 (198*年、幼児、医師からの通告)
医師:骨折で入院している子がいるが、虐待が疑われる…。
* 法的介入の検討もしたのだが、この当時は、その困難が指摘された。
どうやって保護者らに会い、どうやって相談ベースに乗せるのかについて腐心した。
事例2 (198*年〜 小6、警察通告)
警察:友人宅の金銭を窃取。日頃から暴力的な父が触法事実を知ると折檻される心配あり…。
* 触法事件であるが、背景には虐待の可能性も濃い。何とか相談ベースに乗せようとするが、
保護者からの心配(ニーズ)が表に出てこないと、背景の問題には接近しづらい(ジレンマが残る)。
ニーズを引き出すための工夫をこらしたケースワークを展開。
事例3 (199*年、小6、福祉事務所からの連絡、警察通告)
福祉事務所:親戚宅から実母宅へ引き取られた子が、母の内縁の男性からの暴力におびえて親戚宅に逃げ帰る…。
親族内で騒ぎがあり、今みんなが警察で話し合っている。
* <警察から要保護児童の通告があったから、一時保護する>という介入をまず開始しておいて、
可能な範囲で相談ベースに乗せていった…。
事例4 (199*年、幼児)
* 宗教的な理由からの医療拒否。介入する事でしかアプローチできないが、
法第25条通告を受けての任意の家庭訪問では必要な手だてが取れない…。
事例5 (199*年〜、小4、学校通告)
学校:登校しているが、ネグレクト。保護者と関係取れず…。
* 立ち入り調査(法的介入)の適用から…。
* 家庭裁判所の考え方(児童福祉法第28条をめぐって)
ずいぶん積極的に法の適用を検討してくれるようになった。
* 厚生省児童家庭局長通知「児童虐待等に関する児童福祉法の適切な運用について」(97.6/20)
* 地域での虐待防止への取り組み
* 京都府の児童相談所が経験したこと
* 厚生省企画課長通知「児童虐待に関し緊急に対応すべき事項について」(98.3/31)
* 現行法の中で最善を目指すには…
・相談ニーズのない人たちに対してどう支援するのか=<介入型>の支援
・介入型支援のための技術を開発しなければいけない
このようなことが今言われ始めているが、介入型の支援を適正にすすめるためにも、援助技術を熟知していることが重要ではないかと考えている。