第1号

「京都府子どもの虐待防止研究会(仮称)」

結成総会(記念講演会)のご案内

 慈しみ育まれるべき児童への虐待は、子どものからだやこころを大きく傷つけ、死に至らしめる場合さえありますが、その発見や発見後の対応については困難なことが多くあります。
 この研究会は、昨年7月の京都府小児保健研究会シンポジウム「子どもの虐待の発見と対応 〜保健・医療・福祉の現場から〜」を契機に、子どもに関係する各職種が互いに知識・技術の向上を図り、子どもの健やかな成長と親への適切な支援を行うネットワークづくりをめざして結成するものです。

 1 日 時 平成9年3月22日(土)午後1時30分〜
 2 会 場 京都府立医科大学「図書館ホール」(京都市上京区河原町通広小路西入)
 3 次 第  mあいさつ(古庄京都府小児保健研究会会長 京都大学医学部教授)
        n虐待防止研究会結成総会
        o記念講演 「虐待の実態 〜臨床の現場から〜」 講師:澤田 淳(京都府立医科大学教授)
              「虐待によるトラウマとそのケア」  講師:西澤 哲(日本社会事業大学助教授)
         フォーラム「子どもたちのために、私たちは今何を始めるべきか」(澤田 淳、西澤 哲)
 4 参加費 500円
 5 問合せ 京都府児童保健福祉課 TEL (075)414-4727 FAX (075)414-4586


私達の小さな第一歩

京 都 市

京都市西京区における子どもの虐待の予防・発見と援助のためのネットワークづくりのとりくみ

 1 西京地域児童問題懇話会の目的
 西京地域児童問題懇話会は、1993年8月、児童福祉に関わる各機関が集まり事例検討会や連絡調整・情報交換等をしていく中で日常的に地域の児童問題を考える場をつくり、子どもの虐待の予防・発見、対応のための効果的な地域ネットワークを確立していくことをめざして発足した。

 2 西京地域児童問題懇話会の構成と内容
 西京保健所、西京福祉事務所、西京医師会、京都市児童相談所で事務局を構成し、当面事務局を西京保健所に置く。管内の関係機関、市民に参加をえる。
 @ 講演会や事例報告・事例検討会を継続的に開催する。研修や日常的な情報交換、連絡調整を行うことによって、
  共通 の認識を持って子どもの虐待問題などに適切に対応できるようにする。
   ・全てのメンバーが参加する定例的な懇談会
   ・課題別の検討会、連絡会…子どもの虐待問題、地域の子育て環境整備に関すること
 A 区民を対象とした講演会を、年/1回開催する。
 B 講演会や事例報告・事例検討会の参加者に毎日アンケートを実施、内容に反映する。
 C 西京地域児童問題懇話会ニュースを発行し、実施内容の報告・情報の提供を行う。
 D 子どもの虐待問題への対応だけでなく、子育てを支援する地域ネットワークへと事業内容の拡大をめざす。

 3 活動実績
 講演会や事例検討会等、10回の例会を開催した。参加者のアンケート結果からも、子どもの虐待問題への関心の高さ、何とかしなければとの思いが感じられる。発足後4年、遅々とした歩みで、未だに効果的な地域ネットワークからは遠い現状であるが、粘りづよく継続していくことで道を切り開いていきたい。


京 都 府

 京都府京都児童相談所と亀岡・周山・園部保健所が、平成9年から<子育て・家庭支援>連絡懇話会(仮称)がスタートすることになりました。年4回、各機関持ち回りで開く、4つの実務機関内の業務会議ですが、事例検討や情報交換を行います。3月10日に開かれた準備会議では、次のような趣旨を確認しました。

*  *  *

 昨今、<子育て・家庭支援>の必要性が様々な立場から提唱されています。また、その中には、不幸にして虐待事象にまで発展するケースもわずかながら含まれています。今日の就学前相談、あるいは母子保健事業において、かねてより取り組んできました<早期発見・早期治療>の視点に加えて(それにもまして)、若年家族に対する<子育て・家庭支援>の必要性が提言されています。また、児童虐待に対しては、関係機関のネットワークの構築の必要性が言われています。

 児童相談や母子保健の実務に携わっている私たちにとって、上に述べたテーマはまさに今取り組まなければならない課題です。その際に重要なのは、今日の社会的要請の流れの中で施策として始めなければならないから、各種懇話会やネットワーク会議を形式的に作るのではなく、日常業務の中で必然があるからこそ、実際にすぐにでも協力協同関係が取れる実務者の間で、まさに実務を扱うという内容で開始されなければならないと考えております。

 <子育て・家庭支援>の問題や、虐待防止の問題は、保健所と児童相談所だけのレベルで解決できる問題ではとてもありません。しかし、現在の業務の中で各保健所で実施されている<発達クリニック>は、何かがあった時に即応できる機関連携の可能性を十分に形成してきています。また、少し前にある保健所と児童相談所で虐待家族のケアに取り組んだことがあり、連携することの大事さを実感できた実務担当者がそれぞれの機関にまだ勤務しています。その時に<本当に良かった>と思えた担当者相互の実感こそが、これから開始する実際的なネットワークの推進に大きな力になると考えます。さらに、それぞれの機関は、共通する担当地域を持っていますから、地域に根ざした何らかの実際的な取り組みが開始できそうです。そして、何よりもうまく機能できそうなところからとにかく手をつけていくのが、うまく始めるための第一歩だと思うのです。

 少し広いエリアを担当する児童相談所が事務局を担い、数カ所の保健所と共にネットワークを開始することで、同じ仕事を担う機関相互の共通理解を深めることができそうですし、その動きを始めることで、その中に少しづつ市町村その他の地域資源を絡めていくことができれば更にいいと思います。

 どのような方向に発展するかまだ具体的なイメージが十分固まったわけではないのですが、とにかく開始し、歩む中でこれからの方向を少しずつ考えていけばよいと思います。実務者のレベルで、まず第一歩を踏み出して見ませんか。


全国各地での子どもの虐待への取り組みの紹介

大阪府(児童虐待防止協会)

 1 児童虐待防止協会の役割
 1990年に日本で初めて設立された児童虐待防止のため作られた民間団体。
 2 児童虐待防止協会に関わる人々
 保健・医療関係者、児童福祉関係者、弁護士、報道関係者よりなる委員会が活動の基本的方針を決定し、それに基づいて運営委員会が定期的に会議を開き具体的な活動計画を立て運営に当たっています。
  大阪府ではー般向けの子どもの虐待防止マニュアル、専門職向けのマニュァルを何種類か作成しています。そのために大阪では行政機関の虐待に対する関心が高く、全国のの児童相談所の統計では最も多くの件数を報告しています。
 4 子どもの虐待について、児童虐待防止協会が具体的に行っていること
  1)電話相談「子どもの虐待ホットラィン」(06-762-0088)
    月−金 午前11時から午後5時まで(ただし祝日、年末年始は除く)
 電話相談の内容
 @心理的サポート、A具体的な助言、B専門機関への紹介、C継続相談(電話カウンセリング)、D児童虐待に関する情報の提供(ソーシヤルワーカー。臨床心理士、保健婦などの専門職が相談員として活動している)
 平成6年には年間2336件もの相談が寄せられている
  2)平成8年4月には全国児童虐待防止研究・大阪大会を主催(同大会を契機に日本子どもの虐待防止研究会「JASPCAN」が発足)
 5 児童虐待防止協会事務局
     TEL 06-762-4858,FAX 06-762-4884


和歌山県(和歌山被虐待児症候群対策委員会)

 和歌山県下の被虐待児の実態調査、発生時の連絡網樹立、事例の解析、特に治療成功例の蒐集、治療の援助、予防対策の立案を目的とし、医療、行政、教育が協力す研究機関として1994年に発足しました。
 構成機関は和歌山県庁(健康対策課、医務課、児童家庭課)、和歌山県教育庁(杜会教育課)、和歌山市中央保健所、海南保健所、湯浅保健所、和歌山県子ども・障害者相談センター(=児相)、和歌山小児科医会、和歌山県立医科大学小児科。
 事務局:和歌山県立医科大学小児科(担当:下山田洋三)
     和歌山市七番丁27 TEL&FAX 0734-26-8722


愛知県 子どもの虐待防止ネットワーク・あいち−CAPNA−

 歴史:1992年10月、名古屋弁護士会で行っている「子どもの人権相談」に父親から性的虐待を受けている少女からの電話相談があり、弁護士会が名古屋市児童相談所と連携を開始したことがきっかけとなって児童虐待に関する多職種のメンバーによる合同の勉強会が持たれるようになりました。この勉強会を核として1995年1月から具体的な設立準備が始まり、10月に設立総会が開かれ具体的活動が始まりました。
  具体的活動:
 1)電話相談業務…毎週火・木午前10時から午後4時まで電話相談を行っています。
    火曜日:052-721-0622、木曜日:0562-36-0624
 2)定例会…2ケ月1回偶数月の第4木曜日夜、名古屋市女性会館にて開催されています。それ以外にも、症例ごとにネットワークを介した連携をおこなっています。運営:多職種のメンバーからなる11名の運営委員によって運営委員会が持たれています。またニュースレターの発行を行っています。
 現在の所、電話相談が中心となりています。活動が始まったばかりであり、具体的な症例の処遇に関してはまだネットワークが十分に機能しているとは言い難く、これからのネットワーク作りにこの活動の成否がかかっています。


静 岡 県

 静岡県こども病院内にこどもの虐待防止研究会(代表:北条博厚院長、事務局:小林繁一医長)ができ、1995年2月より、院内職員と、児童相談所、保健所、市町村福祉課、保育所、児童養護施設などの職員が集まって、定例の症例検討会が開かれています。また、静岡県内の医療保健機関を対象に1995年の実態調査が行われ、医療機関で15例、保健所で17例(3例は共通)の虐待症例が経験されていることがわかりました。1996年3月には、大阪府立母子保健総合医療センターの小林美智子先生をお招きして、こどもの虐待についての講演会が開かれました。
 現在、研究会に集まるメンバーを中心としてネットワーク作りが進められています。
    (連絡先:静岡県立こども病院 小林繋一 054-247-6251)


神 奈 川 県

 1) 横浜市子育てSOS連絡会
 児童相談所を中心に医師会、警察、家庭裁判所、弁護士、民生委員、学識経験者、教育委員会、市当局、衛生局、福祉局、区が参加し、虐待を特異な病理現象としてでなく、「子育てをめぐる社会問題」としてとらえ、子育て支援そのものが防止策になるとの観点に立って活動しています。
 (1996年4月発足、連絡先:横浜市中央児童相談所)

 2) 北里大学病院CAPS委員会
 虐待が疑われた時点で主治医からソーシャルワーカーへ連絡があり、ソーシヤルワーカーからCAP委員長に連絡します。委員長がメンバー(主治医、小児科医、精神科医、臨床心理士、看護婦(病棟、外来)、保健婦、ソーシャルワーカー等)を召集し、委員会を開催し、診療方針の検討をします。治療、援助を決定し、児童相談所等関係機関との連携をとりながら活動しています。(1993年10月発足)


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