
1999.11/19〜11/20、日本子どもの虐待防止研究会栃木大会が、栃木県総合文化センター(宇都宮市)で開催されました。この大会は、「子どもの虐待防止システムに関わる全国の医療・福祉・教育・法曹など各界の専門職や研究者が一堂に会し、かつ交流することによって、子どもの虐待に対する理解を深め対策を検討すること」を目的としています。
栃木大会の重点テーマは、@虐待を受けた子どもたちへの援助、A性的虐待への理解と対応、B虐待援助における警察との連携、の3点です。
京都こどもの虐待防止研究会も、初めてポスター展示を行いました。なお本大会は、2000年度は名古屋市で、2001年には神戸市で開催されます。
子どもの虐待防止に携わる専門家、研究者ら約二千人が一堂に会した「日本子どもの虐待防止研究会第五回学術集会・栃木大会」が十九日、宇都宮市の県総合文化センターで開幕した。総会では、児童虐待防止法の議員立法化の動きを受け、同研究会として初めて宣言を採択。「子どもの虐待防止宇都宮宣言」として、国に虐待防止のための法整備と関係機関の充実を求めた。また初日は「子どもの権利条約」から見た虐待問題や厚生省の児童虐待に対する取り組みについての講演などが行われた。
宣言は「現在の緊急課題は、子どもの虐待防止にかかわる法的整備と関連機関の充実にある」と、国に虐待防止の法整備を求めている。同研究会では一九九六年、児童福祉法改正に当たり虐待防止の要望を出したが認められなかった経緯がある。
その後も死亡例を含めて虐待が急増しているため、児童虐待防止法の議員立法化の動きを推し進めようと、初めて宣言を採択することにした。
同研究会の小林登会長は、宣言について「これを機に法整備が大幅に前進してもらいたい。その際には、研究団体や被害者である子ども、親の意見を聞いて間違いなくやってほしい」と述べた。 【下野新聞 99.11.20より抜粋】
日本子どもの虐待防止研究会は、一九九六年十月三十一日厚生省に児童福祉法改正に当たり児童虐待防止に関する要望をしたが、認められないまま、その後事態は極めて深刻化し、子どもの虐待は死亡例を含めて急速に増加している。
現在の緊急課題は、子どもの虐待防止に関わる法的整備と関連機関の充実にある。国会及び政府は、子どもの権利条約を遵守し、子どもの虐待防止のための制度の確立と実施について、本研究会等の市民団体及び関係諸機関や子どもを含む市民の意見を徴し、法制化については国民的合意を得るばかりでなく、児童相談所や児童福祉施設などの福祉機関や保健医療の充実を図らねばならない。また、あわせて虐待に苦しむ子どもの救済と家族への支援に関する積極的な手立てを速やかに行うべきである。
宇都宮大会において、私たちも、京都こどもの虐待防止研究会のことを発表しました。
<研究会の概要> 当研究会は、京都市と京都府の子どもに関係する各職種が虐待防止のために集い、互いに知識・技術の向上を図り、子どもの健やかな成長と親への適切な支援を行うネットワークづくりをめざして、平成9年3月に結成された。
案内を定期送付している数は、現在139名で、その職種は、医師・看護婦・保健婦・助産婦・弁護士・児相職員・家庭児童相談員・各種施設職員・保育所職員・教師・主任児童委員・児童委員・電話相談員・行政関係者・きょうとCAP会員・学生等と多岐にわたっている。
活動内容は、京都府市における虐待に関する情報提供、メンバーの相互交流、関係者に向けての啓発などであるが、本年度には関係者へのアンケート調査を実施した。
活動経過
☆ 平成9年3月22日、第1回総会(発足)
記念講演「虐待の実態〜臨床の現場から〜」
澤田 淳氏(京都府立医科大学教授)
講 演 「虐待によるトラウマとそのケア」
西澤 哲氏(日本社会事業大学助教授)
★ 平成9年9月13日、平成9年度南部例会
★ 平成9年9月20日、平成9年度北部例会
☆ 平成10年2月28日、第2回総会
記念講演「法医学と子どもの虐待」
反町 吉秀氏(京都府立医科大学)
記念講演「法律家から見た子どもの虐待」
石田 文三氏(大阪弁護士会)
★ 平成10年9月26日、平成10年度南部例会
★ 平成10年10月17日、平成10年度北部例会
☆ 平成11年3月6日、第3回総会
講 演 「京都弁護士会 子どもの権利委員会からのメッセージ」
安保 千秋氏(京都弁護士会)
講 演 「ホットラインから見た地域でのネットワークの必要性」
平田 佳子氏(児童虐待防止協会)
★ 平成11年9月11日、平成11年度南部例会
★ 平成11年9月18日、平成11年度北部例会
<ニュースレターの発行等>
総会及び例会にあわせて、ニュースレターを発行している(現在まで6号発行)。インターネットでも情報提供を行っている。
<アンケート調査の実施>
小児科医(275人)、保健婦(564人)、及び保育所(484園)・幼稚園(176園)に対し、以下のような設問でアンケート調査を実施した。
@ 子どもの虐待の関心の有無
A 最近10年間における虐待発見経験、あるいは虐待を疑う症例経験の有無
B (経験有の場合)症例の概要(虐待の種類・発見時の年齢・その時の状態・家族状況・その後の対応、他機関との連携等について)
C 今後必要な情報
整理・公表はこれからの段階であるが、結果の一部をニュースレターにて報告した。
児童相談所の8割が「親権停止」求める
児童虐待問題で全国の児童相談所の8割以上が、現行の児童福祉法では対応に限界があるとして、子どもを強引に連れ戻そうとする親(保護者)の親権を一時停止する制度の新設など法整備を求めていることが、12日、全国児童相談所長会(会長、大久保隆・東京都児童相談センター所長)の調査で明らかになった。児童相談所へのこうした調査は初めてで、同会は問題点を整理し、厚生省に法整備を要望する。
主な要望点は以下のとおり。
@ 虐待の定義の明文化
A 親権一時停止制度の導入
B 通告者の免責規定
C 実効性ある立ち入り調査制度 (2.13.毎日新聞より)
与党3党が児童福祉法改正案 定義を明文化へ
急増する児童虐待への対策として与党3党がまとめた児童福祉法の改正案全文が7日、明らかになった。虐待の定義を初めて明文化し、虐待を発見して児童相談所などに通告した内容が間違っていても責任を問われない免責規定を設けるほか、相談所に被虐待児を速やかに一時保護するよう義務づけている。さらに、相談所が親から子供を引き離した場合、ケアのため親を指導する規定を盛り込んだ。与党側は今国会中に同法改正を行う方針を固めている。民主党も与党との共同提案を検討しており、懸案だった法改正が実現に向けて大きく前進する見通しになった。
法案の要点は以下のとおり。
@ 国および地方自治体の責任の明確化
A 虐待の定義の明文化
B 通告者の免責制度
C 関係者の早期発見への努めの要請
D 児相の速やかな調査開始の義務
E 虐待を疑われる子への速やかな一時保護の義務
F 施設入所後の児童福祉司などによる親指導 (3.8.毎日新聞より)
1年間で38人の子ども死亡 毎日新聞の全国調査
親などによる虐待で死亡した子どもが昨年1年間で38人に上ったことが毎日新聞の全国調査で分かった。また、傷害などで親などが検挙された事例が少なくとも53件に上った。児童相談所、福祉事務所、警察などの連携がうまくいかず、虐待の通告を受けながら救済できなかったケースも目立つ。警察庁が本格的な対応に乗り出し、国会でも「虐待防止立法」(仮称)の論議が行われているが、公的機関の連携や通告後の救済方法の問題も改めて浮かんでいる。
38件の虐待死事件では、計43人が殺人や傷害致死容疑などで逮捕された。内訳は実母23人、実父8人、義父や内縁の夫10人、母親の友人2人。複数の加害者がいるケースが4件あった。
38人の約9割は6歳未満で、1歳未満の乳児も11人、約3割を占めた。(3.4.毎日新聞より)
注記)警察庁の動きを受けて、京都府警本部からも、各警察署に対して虐待対応への協力の指示が出されています。
京都こどもの虐待防止研究会のアンケート調査の中でお答えくださった経験事例の一部です。この記事の取り扱いには十分ご留意ください。
事例1 3歳 身体的暴力 … ウェブ上にては詳細省略
事例2 3歳頃 身体的暴力
事例3 4歳 身体的暴力
事例4 4歳 身体的暴力
事例5 4歳 身体的暴力
事例6 5歳 身体的暴力、心理的虐待