第3章

「Xantiaのパワーステアリング機構」



Xantiaのパワーステアリング機構はとても特徴的です。

特に後者はシトロエンらしい考え方に基づいた構造だと言えるとおもいます。(各部が連動する構造にもかかわらず、それぞれがモジュール化されており、「パワステあり」と「なし」が簡単に作り分けられる構造。余談ですが現代の油圧サスは、それぞれ別の油圧源やポンプを持つのが一般的。たとえ複数になってもフェイルを考えた機構にするより安価にできるため。)Xantiaのパワステの場合、その分岐点はプレッシャーレギュレータとハイドロポンプの間に有るのですが、それを成立させる為にアドオンされているのが「フローデストリビュータ」と呼ばれる調圧機構です。

**パワステと圧、流量の関係の基本はこちらを参考にしてください。**

また、圧力保証された高圧回路(プレッシャーレギュレータから前後ハイトコレクターとブレーキコントロールバルブ_フロントまでの配管。メインアキュームを含む。)の外に分岐回路を作った事で、万が一の事態たとえばハイドロポンプが走行中停止したとしてもシステムの生存時間に影響を及ぼしません。(パワステは絶えず流量を消費しつづけるのであまりメインアキュームと繋ぎたくないのでしょう。)

これは、静止状態でのシステムの消費流量測定のグラフ、パワステ連続の部分を見てもらっても判ると思います。

Xantiaはこの構造のおかげで リアブレーキ>フロントブレーキ>サスペンション>パワステ の優先的生存順位を達成しています。

基本的には左のようになっています。しかしこれでは困った事が起こりってしまいます。

必ずメインアキュームとプレッシャーレギュレータ」を先に読んでください。)

P/S:パワステシステム

P/R:プレッシャーレギュレータ

理解を容易にする為に以下のように仮定すると..

パワステが、(圧を要求する為)流量を絞ったとすると..

そのままパワステの回路を絞ると、圧が立つ前に、流れやすいP/R側に逃げていってしまう。(結局成立しない。)

)(:はオリフィスやVALVなどの絞り要素を示す。

パワステ作動時のみ回路を切り替えたとすると.. これは一見良さそうだが、パワステ作動中はハイドロシステムに畜圧できない。

その結果、以下のように工夫したのがフローデストリビュータです。

点線内がフローデストリビュータのモジュール内回路。

これの機能は、「パワステ部分の絞り度合いに合わせて、P/R側の戻り配管を絞る。それによって赤い部分全体の圧力を上げる事」です。赤い部分はパワステの要求する圧力に合わせて、0〜140kgf/cm^2まで変化するようです。

これなら両方に流量を配分しながら圧力もかけられます。

読んでいてわかりにくいですか?これはほんのさわりに過ぎません。パワステとハイドロの畜圧条件を考えると6通りの流れのパターンについて理解する必要が有ります。(ハイドロの中でここが一番面白い。)汗と涙とTry&Errorの結晶の部分です。

フローデストリビュータの説明へGO!!


何でも結構です。感想をいただければうれしいです。