第3章

「メインアキュームとプレッシャーレギュレータ」



メインアキュームってなんでしょう? これはプレッシャーレギュレータとワンセットで機能するもので、圧力制御複合弁の補助部品です。(プレッシャーレギュレータは、油圧構成要素としてはアンロード弁と言います。)

「定常状態ではほとんど流量を必要としないが、ポンプは常時作動しつづける油圧回路に使うもの」です。 (車ではあまり見ないですね。) 以下の A,B 状態を繰り返して、システム内圧力を一定に保ちます。(カットイン圧:145Kgf/cm^2、カットアウト圧:170Kgf/cm^2、油圧用語です。)

状態A: ただ循環しているのみ

ポンプは大量のオイルを流しているが負荷はかからない。(アンロード状態)

状態B: チャージする時

システム内圧力が一定以下になると接続される。

(オンロード状態:エアコンよりは小さいパワーロス)

さて、ハイドロシステムはいったいどのくらいLHMを消費しているのでしょう ?

アイドリングで停止しているとボンネットの方から「カチッツ」っと音がしませんか? これはアンロード弁特有の切替え音です。(でっかい設備の油圧装置ならズドン!という感じ。) 測ってみると約58秒くらいで同じ音が繰り返されています。

プレッシャーレギュレータはハイドロシステム内が、145kgf/cm^2から170kgf/cm^2間を維持するべく、ポンプとの間を切ったりつないだりしています。(なぜなら、ポンプはエンジンと 1:0.9 の関係でいつもまわっていて止められないからです。)

58秒で補給が必要になったわけですね。

メインアキュームの圧力

メインアキューム内のLHM

170kgf/cm^2

254 CC

145kgff/cm^2

229 CC

(システムが58秒間に消費したLHM量)

25 CC!

上の表はどういう意味かというと、

アイドリングで待機している時ハイドロシステムが消費するLHMの量は 25cc/58秒 =25.8cc/min ということです。(たったのこれだけ。高圧なのに漏れは小さい。) ポンプがこれ以上仕事をしても無駄になるわけです。

では、高圧ポンプはどのくらいの量を補充できるのでしょう?

アイドリング(エンジン回転 800rpmと仮定)時には 2380cc/min です。理論的には 0.65秒 で補給が終わってしまいますが 実際は圧が高いとそんなに送れないので およそ1秒 くらいでしょう。(どちらにしてもチャージは瞬間で終了します。)

ポンプは、58秒のうち、1秒弱だけ仕事をすれば良い、加えてアイドリングで十分チャージできるにもかかわらず、最高エンジン回転まで付き合わ無ければいけない、と言うことです。 メインアキュームとプレッシャーレギュレータのペアはポンプを「楽」にするため、ひたすらポイント切替えをすること!これがお仕事です。

(ポンプが楽=ポンプを回す力が少ない=駆動ベルトが楽=エンジンも楽=加速が良い=燃費も良い)

メインアキュームは何のためにあるの?

メインアキュームは58秒という時間稼ぎをするのが一つ。もう一つ大事なのが、衝撃荷重を緩和することです。プレッシャーレギュレータはあくまでポイント切替え (ON/OFF制御) しかしないので、もしアキュームが無いと仮定すると「再接続時」に大きなサージ圧力が入ってしまいます。メインアキュームはシステム全体の負荷を減らし、高圧ポンプを含めたシステムの長寿命に一役買っています。

※ アキュームが劣化した場合、どうなるのか?


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