発音が下手でも大丈夫(^−^) (1)

発音独習は難しすぎることについて

「発音できない音は聞き取れない」というキャッチフレーズで、発音練習を始める人が増えました。しかし、ある時点で伸び悩み、期待したような「英語耳」にはほど遠いというのが実状です。

発音は、教材での独習がそれなりに効果をあげたものの途中で伸びが止まってしまったという人が、その後、(1) 独力でさらに上達する見込みは薄いし、かりに上達しても、(2) 発音はリスニング力アップへの決め手でもないのです。・・・もう、発音練習はとりあえず置いときましょう(^−^)。それよりも先にやることがありますよ。そのことを、これから連載2回に分けて、説明します。

発音上達が難しいワケ 〜 「気付く」のが大変

【発音上達のプロセス】

やってみる→ダメ出し・ヒント→気付く→コツをつかむ
再現する→体になじませる(口と耳)→コツを定着させる

発音上達プロセスのキーポイントは、3番目の「気付く」。「自分の発音がお手本とどう違うのかに気付く」。しかし、これが難事業です。だって、そもそも自分としてはお手本とそっくり同じに発音しているつもりなんです。「同じ」つもりなのに、「違い」に気付く?! そんなことが可能でしょうか。

「違いに気付く」ためには

違いに気付く手がかりは2つ。1つは、録音した自分の声。他人の立場で比較して、自分で「ダメ出し」ができます。もう1つは教材に盛り込まれたヒントです。

【ヒントの例】
  • 「Sは歯と歯の間を通り抜ける風の音」という定義型ヒント
  • 「Sは歯医者さんのドリルのような高周波音」という印象型ヒント
  • 「Sは、口元を後ろに引き絞って出す」というハウツー型ヒント

どのタイプのヒントが当たるかは、人により、場合によります。教材を変えると、新たに「気付く」ことがあるのは、ヒントのバリエーションに出会えるからからです。

発音練習は成果があがらないことも多い

残念ながら、ヒントが永遠にヒットしないことも多々あります。「発音教材をいろいろやってみたが、もう上達しない・・・」、そんなあなたは見切り時です。もう1人では上達しませんし、発音はリスニング力アップの決め手でもありません。もう、発音練習はしなくていいんですよ。

ちょっと長い追加説明(以下、10月17日加筆)

ここまでの記事を読んで、消化不良になった人が多かったようです。ここでは、少しくどくなるのを覚悟で、追加の説明をします。

今回の記事の内容は、発音教材ですでに伸びる所まで伸びきった人が、「1人でさらに練習を続ける場合」のこと。それは困難なので、ある程度で見切りをつけましょうということです。「1人で」と限定を付けているのは、発音指導を専門にしているトレーナーに付けば、突破口が開けることが多いからです。

発音トレーナーに教わると

発音トレーナーはまず、教材よりも「ヒント」の手持ちがはるかに多く、あなたに合う「ヒント」を見つけられる可能性が高い。また、あなたが現に「気付けてない」点に焦点を当てて、たとえば、発声器官(あごや歯など)の動かし方を強調したお手本を実演してみせることもできます。(それに、あなたはそのお手本を立体的に観察することもできますよね)。さらに、1人のときと根本的に違うのは、「ダメ/OK/もう少し!」といった調子で、「気付き」に誘導してくれることです。要するに、発音トレーナーに付けば、独力でやるのとはまったく別次元の進歩が可能なのです。

発音トレーナーに習うのは費用がかかり、誰にでも可能なわけではないのに、比較に持ち出して申し訳ありません。しかし、発音は一種の「体技」です。つまり、スポーツと同じ。水泳やゴルフならコーチにつくのが半ば当然でしょう? 「レッスンビデオで上達するのは限界がある」、そのことをみんな知ってるからです。発音も、教材で上達するのには限界があります。

とすれば、発音トレーナーにつくか?

完璧を目指す方は、いずれそちらの方向に向かわれるでしょうね。しかし、発音は「英語のリスニングが出来るようになる」ための手段だったはず。他に良い手段があるなら? 次回は、そのことをお話しします。(^−^)

この稿を最初に発表した時、付記の「発音トレーナー」の説明が書けませんでした。「1人でやる場合」との比較で本来必要な説明だったのですが、私自身が発音トレーナー(まだまだ力不足ですが)のため、宣伝になりそうで書きにくかったのです。しかし、ある方から示唆に富む質問メールをいただき、説明の糸口がつかめました。紙上を借りて、深くお礼を申し上げます。m(_ _)m