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「英語をモノにする」とは何か 第2回

「英語をモノにする」1500時間

2005年5月29日



前回は、「英語をモノにした」状態(英語がペラペラな状態)とは「英語のかたまり(フレーズ)が、たくさん頭のなかに詰まっている」状態だ----というところまで説明しました。本当は、「証明しました」と言いたいところですが、対象が脳ミソの中の出来事にかかわることですから、「証明」は無理ですよね。ここでは、「そういえば、フレーズ単位で記憶していると考えなければ納得できない現象が多いね。」という程度まで、了解していただけたら助かります。それで、今回のテーマですが、ゴールの状態がわかったので、今度はそのための手段・方法を考えます。つまり、「英語のかたまり(フレーズ)が、たくさん頭のなかに詰まっている」状態にするには何をすればいいか、良い勉強法は何?ということですね。

というか、、、すでに答えを言ってますね(^^; 答えは、「フレーズをたくさんおぼえる」です。これに尽きるし、これ以外に言いようがないです。そして、この条件さえ満たすなら、具体的な方法は何でもよいです、ご自由に!というのがかめっの本音です。とはいえ、まずい勉強法というのは厳然としてありますので、気を悪くしないで読んでほしいのですが、今からばんばん指摘します。というわけで、今回から次回にかけての隠しテーマは、「ダメな勉強法を摘発&除外する」です。しょうしょう過激な内容になりますが、よろしくお願いします。かめっ自身の勉強法も、批判にさらすつもりです。

ところで、「たくさんおぼえる」って、どのぐらい「たくさん」なんでしょう? 永遠に続くのでしょうか? イイエ、それは、かめっの経験では、アリー1シーズン(22話)+ロズウェル半シーズン(11話)でじゅうぶんでした。それを過ぎたあたりからですね----もう、知らない言い回しにめぐりあうことが極端に少なくなったのです! そりゃあ、知らない単語は、ときどきありますよ。でも、言い回しのパターンや、それを支える英語独特の発想(たとえば、思わぬ所で物が主語になったり)のせいで面食らったり、けつまづいたりすることはなくなったので →→→ センテンスの頭=言い出しの何語かを聞き逃したために文意全体を取り損なうような壊滅的な事態が、ほとんどなくなりました。あとから考えると、あの時点が、かめっにとっての英語の勉強の、一応の「上がり」だったと思います。

言い遅れましたが、「フレーズをたくさんおぼえる」ための、かめっの勉強法は、海外ドラマのセリフをおぼえることだった、というわけです。実際には、上に書いたことと違って、ロズウェルのあと、もう少し続けないと安心できるところまで行きませんでしたけど、それは、音そのものの聞き取り(リスニング)にミスが多かったんですね。発話できない音は聞き取れない、、、ようするに、発音が悪いために聞き取れない音があったのです。それで、フレンズを教材に、細かく練習しました。その練習は、最初は発音だけ(イントネーションを含めた発音だけ)練習するつもりで始めたのですが、その他の、声色や、話す時の雰囲気、仕草・・・そういうものを「まねしなくていいもの」としてうまくカット、対象除外できなかったので、けっきょく、「とにかく全部まねる!」と覚悟しなおして、はなから物まねの練習のつもりでやりました。変な神経を使わないぶん、そのほうがラクでしたよ。楽しかったし、なにより、はるかによく集中できました。

フレンズの物まね練習は、2〜3話で用が足りました。ただし、これは、あまり参考にならない数字ですね。その前から、かめっは発音は大体できていて、「不安が残る」という程度だったので。そして、この特訓のあと、かめっは英語の勉強をしていません。というか、「今から勉強の時間だ!」と構えて勉強することはしていません。海外ドラマもまんぜんと見ていて、たまにメモするぐらいです。上述のように、もう、まったくの初耳という言い回しは、あまりないので。

いいでしょう?(^ー^) もちろん、かめっはそれで満足しているからオーケーなのであって、人それぞれ、もっと高い目標を持つ人もいると思います。けれでもここでは、もしこれと同じレベル、つまり、海外ドラマがふつうに見れる(それって、「日常会話がふつうにできる」のと、そんなに差がない気もしますが。自慢しすぎ??)ようなレベルでよいのであれば、という前提で話を進めます。以下、大事な情報=数字を並べていきます。ついてきてくださいね!

まず、そのレベルに達するために必要な言い回しは、45分ドラマ×33回(1.5シーズンぶん)のセリフの中に入っています。これは、さきほども言いましたが、かめっの経験から、みなさんに保証します。(フレンズのような短いシットコムだと、3シーズンぶんということになりますね)。それで、45分ドラマ1話のなかには、セリフ(文)の数は600強、あちら式に数えると5000ワードが使われています(1文につき8ワード平均です)。これの33話ぶん、16万5000ワードの世界の中に、よのなか森羅万象を表現するのに過不足ない(ほぼ不自由しない)、あらゆるフレーズが含まれています、というのが、かめっ理論です。というより、証明しようがないので、一種の公理として認めていただくほかないのですけど(^^; とにかく、これを信じて、どしどし、英語マスターに挑戦していただきたいのデス、応援します!

16万5000ワードというのはですね、目安を言えば、アメリカの、スティーブン・キングのような大衆作家が書いている、よくある500〜600ページの本1冊と同じ分量です。日本で翻訳本が出ると、上・下2分冊になって出版される、あの手の長さの小説ですね。どうでしょう? 多いですか、少ないですか? おぼえる対象として見れば膨大に思えますが、逆に、「そのなかに、世の中のことすべて表せるほどの表現が含まれているのか、ホントに?」と疑えば、やや頼りないかもしれませんよね。でも、ここは、かめっを信頼していただくしかないのですが、この分量で、はっきり言って十分です。

なぜなら、ここで問題にしているのは、海外ドラマに出てくるような普通の人の日常会話です。日本語でぜひ思い浮かべていただきたいのですが、われわれは日ごろの会話で、おどろくほど限られた言い回しのパターンしか使ってないし、そこに登場する単語もまた、かなり限定的です。仕事でさえ、そうなのではありませんか? そうではない例外的なケースとしては、、、たとえば、非常に趣味の合う友達とマニアックな会話に没頭しているとします。そこには、たしかに、家族の人が聞いてもまずわからないような単語がぽんぽん出てくるでしょう。そういうものは、今回の対象から除外しています(笑)。

それから、書き言葉。たとえば、タイムやニューズウィークのような高級な雑誌には、われわれが世間話の話題にするような内容の記事の場合であっても、会話体とはかけ離れた書き方がしてあります。単語も、スタイルも、そうです。こういう事情は、日本の新聞を想像していてはわかりません。あえて言えば、明治時代の新聞のように浮世離れした書きっぷりです(注2)。そういう英語も、今回は対象外にします。ついでに言うと、この基準で行けば、高校の時がんばって暗記した構文たちの半分以上は、「書面独特の英語」という理由で対象外ですし、大学受験の英語の長文読解もそうです。ああいった英語は、今回扱いません。(16万語のなかには入っていません)。----というわけで、これからおぼえようとしている対象が、意外に狭い範囲のものであることを感じ取っていただけたでしょうか? ずいぶん大事なものを切り捨てた感じもしますが、「日常会話」を対象にする以上、それにぴったり照準を合わせるべきであって、いろいろ手を広げていては終わりません。高級な英語は、ぜひその後の楽しみに取っておいて、とりあえず、「過不足なし」とかめっが保証している16万語について、どうするか考えていきましょう。

さて、16万5000ワードというのが途方もない数字であることは確かなので、ここで少し把握の仕方を変えます。45分ドラマ×33回で、1485分----約1500分ととらえることにしましょう。ドラマ1500分ぶんのセリフをおぼえる。かめっのやり方では、1分のセリフ(110ワード=14センテンス)をおぼえるのに1時間かかります。いや、1時間かけます。たとえ30分で暗唱できたとしても1時間かけます。これは、記憶の定着度の問題です。30分で暗唱したというのは、いわば一夜漬けレベルですね。しかし、もう10分かければ、最低でも1週間は生き延びる記憶を作れます。これを上回って、1時間もかけちゃうというのは、、、これは役者さんの台本読みと同じレベルでしょうか。感情を込めてセリフを言う、いや、演じるところまでやります。こうして出来上がった記憶は長く残ります。一説によると、短期記憶が選抜されて長期記憶に昇格するには、1週間後と1か月後の2回の大きなヤマ?関所があるらしいですね。で、1時間ついやしておぼえたセリフは、その関所を越えるか? ハイ(^ー^)、1か月はもちろん、半年経っても忘れません。へたしたら、一生おぼえてるんじゃないでしょうか? そのうちのいくつかは。

というわけで、1分のセリフを1時間かけておぼえる、というのは、英語フレーズ・インプットの方法としてはオーバークオリティ(やり過ぎ)ではないか、という疑いが残ります(^^; ですからこの部分は、みなさん、それぞれ効率を考えて割引きして実行してくださって結構なんですけれども、少なくともかめっの場合、「一夜漬け暗記」(30分)と「完コピ・物まね式」(1時間)との間で、合理的な線引きができなかったんですね、「このレベルでいい」っていうふうに。。。ここが、この論文でいちばん問題があるとこではあります。

ところで、どうでしょう? ドラマ1500分ぶんのセリフを、1分ぶん当たり1時間かけておぼえるとなると、1500時間というのが、「英語をモノにする」ために必要な時間ということになります。この時間、捻出できそうでしょうか? もし1日2時間使える人なら、年間実働250日として、、、2時間×250日×3年間で、1500時間達成できます。でも、働いている人で、これができる人は少ないかもしれませんね? そしたら、1日1時間がんばって確保して6年がかり??、、、ということで心配なのが、6年もかけたら、せっかくおぼえたのに忘れる分量がばかにならないのではないか、ということです。これについては、かめっはなんとも言えませんが、少なくとも、「一夜漬け」方式のゆるい暗記では、6年経っても、歩留まりがほとんど期待できないであろうことは、確信できます。ですよね、常識的に考えて? 一方、「完コピ・物まね式」のねっちりした記憶法なら、成功の芽はあるのではないかと思います。賭けになりますが。。。

きりが悪いですが、今回はこのへんで! いろんな勉強法の批判・検討するところまで進みませんでしたね。m(_ _)m 次回は、有力な勉強法である「多読・多聴」と、「英語のシャワー」もやり玉にあげます。ご覚悟を!(笑)

(注2)英語は、口語体と文語体がいちじるしくかい離した言語です。アメリカでは、10年ほど前から、官公庁を中心にシンプルな英語を使おうという運動が起きていますが、これは、日本でいうと二葉亭四迷の「言文一致」にあたるのでは? ←言い過ぎかもね(^^; ただし、USAトゥデイのような大衆紙などは、打って変わって口語的です。もちろん、個人のウェブやメールの文章、ヤフー掲示板の書き込みなども、そうですね。これらは、ほとんど話し言葉そのものと言っていいと思いますので、われわれの英語の勉強素材に取り込むことも十分考えられます。





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