メルマガ「英語でアグリー・ベティ!」バックナンバー

海外ドラマで、使える英語フレーズ&リスニングを学習


第17話「母の決断」英会話フレーズ編


************************************************************************
        英語で『アグリー・ベティ』(UGLY BETTY)!
    ベティのセリフで、日常英会話の基本フレーズを徹底マスター
************************************************************************

発行が大変遅くなっています! 申し訳ありません。
このメルマガは、先週 1月28日放送分。今週分は、もうしばらくお待ちください
ね!

今日は、セリフを1つ1つ見ていくと同時に、大きな勉強のテーマがあります。
    「that と it の使い分け」
です。前回第16話のメルマガでも、解説しましたが(最後の「補足」の所)、
http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/ub16.txt

今回は、さらに具体的に、分かりやすく説明していきます。

「that と it」は指示代名詞と言って、何かを“指す”役割を持っていますが、
「that は“あれ”、it は“それ”」というのはバツ=間違いで、正しくは、
「that は“はっきりした物・こと”を差し、it は“ばくぜんとした状況”を指
す」ととらえなくてはいけません。

・・・なんだかややこしそうですが、that と it の違いが分かると、英文の意
味の見通しが立てやすくなり、今までよりスピーディに&正確に、相手の言うこ
とが理解できるようになります。こちらが話す英語も“通じる”度が飛躍的に
アップしますよ! がんばってついて来てください!


━━━━━━━━━━━━━━   2008.2.7 発行  ━━━━━━━━━━━━━
     第17話『母の決断』 (Icing on the Cake)--基本フレーズ編
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


まず日本語で、シーンの状況を把握しておきましょう。

ヘンリーの彼女、チャーリーの誕生会の会場に、ベティが姿を見せます。ベティ
は1人で行くのが気まずいので、行きつけの歯科医の先生を急きょデート相手に
仕立てて連れて来ています。

事情があって別れたベティとヘンリーでしたが、おたがいに、まだ想いが残って
いることが明らかになるシーンです。
(番組冒頭から20分35秒〜 のシーン)

ヘンリー: あー、ベティ! 待ってたよ!
ベティ:  ヘンリー、チャーリー。あ、こちらは、あの、ドクター・ファー
      カス。
ゲーブ:  あー、いや、ゲーブでいいよ。 (ヘンリーに)どうも、よろしく。
ヘンリー: どうも。
ゲーブ:  これ、大したもんじゃないけど。 (持参したプレゼントの袋を
      チャーリーに手渡す)
チャーリー:うれしい! (袋の中身を取り出し) あ! 舌のブラシ?
ベティ:  そう。掃除するの。
ゲーブ:  舌は、みんな忘れがちだからね。
チャーリー:ああ…はい、気を付けます。
ベティ:  (誕生ケーキを見て) あ!あ! あれって、マグノリアのチョコ
      レート・ラズベリーケーキ?
ヘンリー: チャーリーは、あんまりケーキが好きじゃないから、ぼくの好み 
     なんだけど。
ベティ:  これ、私も大好き!!
   (大変気まずい雰囲気。チャーリーは明らかに動揺している)
ゲーブ:  飲み物は? 何がいい?
ベティ:  じゃあ、炭酸系を。
   (ゲーブ、飲み物を取りに行く)
ヘンリー: でも、誰か一緒だとは思わなかったな。
ベティ:  あ、連れて来ちゃいけなかった?
チャーリー:ぜーんぜん。素敵な人じゃない。それに歯医者さんだし。
ベティ:  専門は、矯正。
チャーリー:やったね、おめでとう!
ヘンリー: でも、いつからつきあってたの? だって、君、そんなこと、言っ
      てなかったから。
ベティ:  そう? えっと、あの…もう、知り合ってから長いの。それに、
      そのう、すごくいい人だし。
チャーリー:2人、すごくぴったりな感じ。気持ちが通じ合ってるって…見てて
      分かる。ね、ヘンリー?
ヘンリー: どうかな。彼のこと、まだ知らないし。
チャーリー:ううん。私、敏感なの。2人にはすっごくいいフィーリングを感じ
      る。相性を調べてあげるから、2人の星座を教えて、ね?
ベティ:  ええ、分かった。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


それでは、セリフを順番に見ていきましょう。

★は、重要フレーズ・単語
☆は、それほど重要ではないフレーズ・単語


ヘンリー: あー、ベティ! 待ってたよ!(^▽^)
Hey, Betty! I'm glad you made it.

I'm glad you made it. 直訳は、「来てくれて、うれしい。」
その人が来るのは無理かも…と思っていたけど、「来てくれたんだね!」という
状況で言うフレーズです。日本語の会話なら、まさに、「待ってたよ。」と言う
かもしれませんね。

★I'm glad「うれしいよ+ほっとしたよ。」
「うれしい。」は、英語で I'm happy ですが、それに、「ほっとした」という
ニュアンスが付け加わったものが、I'm glad です。

例)
I'm glad to see you're enjoying all this.
「楽しんでくれてるようで、安心したよ。」

いやな思いをさせるのではないかと心配していたが、楽しんでくれてるようなの
でよかった、というシチュエーションです。

例)
I'm glad. I was concerned.「よかったわ。ずっと気になってたから。」

I'm glad の感じ、つかんでもらえました?(^−^)

さて、この I'm glad なしで、You made it. だけでも、「よく来てくれたね」
という喜びを十分にあらわせます。それは、You made it. が、単に「来た」と
いうだけでなく、「困難をおして来ることができた」という意味だからです。詳
しく見ていきましょう。

★You made it. の make it は、困難なこと・大変なこと(it)を実現させる
(make)こと。make の中に「むりやり何かを実現させる」という意味があるの
で、it が指す内容は、しぜん、「困難なこと」になる----という関係です。分
かるかな?

make it は次のような形で使うこともあります。
    make it to the final「決勝まで勝ち進む」。
    make it home safely「無事に帰宅する」。
詳しく言っているので、分かりやすいですね。この詳しく言った部分(to the 
final 決勝まで、home, safely 家まで・安全に)、これは、実は、it の言い換
えになっています。

    ### it という単語は、このように文中に言い換えの語句をおぎな
    ### えることが、とても多いのです。

ヘンリーのセリフでは、単に made it となっていて、it の言い換え語句はあり
ません。しかし、状況から、
  You made it. = You made it here.
の省略だということが分かります。つまり、「ここに来る」ことが = it。

    ### it は雄弁ですね。けれど、何を指すのかがいつもハッキリし
    ### ているわけでなく、状況から見抜かなければならないので、大
    ### 変です。
    ### (←→ 指すものが明確な that と、好対照です。)

したがって、You made it. は、

その人にとって、ここに来ること(it)はスケジュール的に大変なのに、都合を
つけて、なんとか来てくれた・駆けつけてくれた(made)。あるいは、その人が
方向音痴だったり(笑)、交通渋滞に巻き込まれて無理そうだったのに、無事に
たどり着いてくれた、というわけです。

★You made it!「わざわざ来てくれた、駆けつけてくれた、無事たどり着いた」



ベティ: ヘンリー、チャーリー。あ、こちらは、あの、ドクター・ファーカス。
Henry, Charlie. Um, this is my friend, Dr. Farkas.

これは、人を紹介する会話。
This is ... が正解で、He is... や She is... とは言いません。


ゲーブ: あー、いや、ゲーブでいいよ。 (ヘンリーに)どうも、よろしく。
Uh, you can call me Gabe. Hi, nice to meet you.
ヘンリー: どうも。
Hi.

You can call me Gabe. は、「(ドクター・ファーカスでなく)“ゲーブ”と呼
んでいいよ。」ということです。ファーストネームで呼んでほしいときの決まり
文句。

それから、

★Nice to meet you.「お会いできて、うれしい。→ 初めまして。」
は、いいとして・・・

初対面の挨拶で、お互いに Hi. と言っていますね。初対面で Hi. は“くだけす
ぎ”のようにも感じますが、これが普通なんです。

★Hi. は、親しみのこもった挨拶。友達から初対面まで幅広く使えます。

他の挨拶とくらべると、
   Hi. が標準で・・・
     Hello. は、相手と距離を置いた感じ(よそよそしい感じ)。
   Good evening. だと、かなり気取った感じになります。

メルマガ9号でも、あいさつ言葉について解説していますので、よかったら見て
おいてくださいね。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/ub09.txt


ゲーブ: これ、大したもんじゃないけど。 (持参したプレゼントの袋を
チャーリーに手渡す)
And, uh, this is for the birthday girl.

★Uh「あー」。([アー] と発音します)。
意味のない、言いよどみの“音”です。Um [アーm] というのも、同じ。これを
きちんと“言葉”にしたものが、Well です。この3つ、今日のシーンにたくさ
ん出てきます。

☆This is for the birthday girl.「これは、きょうが誕生日の子に(あげる物
です)。」

プレゼントを渡すときの決まり文句は、
★This is for you.「これを、君に(あげます)。」
セリフでは、you の部分を the birthday girl「きょう、誕生日の子」に言い換
えています。


チャーリー: うれしい! (袋の中身を取り出し) あ! 舌のブラシ?
Oh! Oh-oh-oh! Oh? A tongue scraper.

tongue scraper の tongue は「舌」、scrape は、「こそぎ(取る)」ことです。
tongue の発音に注意。[タン]。


ベティ: そう。掃除するの。
Oh, that's what that is.

直訳的には、「それ(舌のブラシ)が、この物の正体・名前です。」

最初の that は、チャーリーが言った a tongue scraper という言葉を指してい
て、2番目の that は、チャーリーが手にしている物体を指しています。

・・・どちらも that ですね。“指す物”がハッキリしているときは、(itでな
く)、that を使います。it も前の会話の内容やその一部を受けることがありま
すが、典型的には、さきほどのセリフ、You made it. の中の it のように、指
す内容がばくぜんとしているときに使います。


ゲーブ: 舌は、みんな忘れがちだからね。
So many people forget about the tongue.

はは、たしかにそうですね(笑)。それにしても、ここでいきなり真顔で歯医者
さん口調になってしまうゲーブ、いい人そうですね(^−^)。

★So many について。

一般に、「たくさんの〜」と、英語で言いたいときは、a lot of を使います。
many でも通じるのですが、外国人ふうのエキゾチックな英語になります。ネイ
ティブスピーカーが many を使うのは、否定文など、かぎられた場合。

 ・a lot of が標準
 ・many   否定文などで使います。
   (例)not many(否定文)
      how many(疑問文)
      too many や as many as など、“1語の形容詞”が必要なとき

このセリフの so many も、最後のパターンにあてはまりますね(^−^)。


チャーリー: ああ…はい、気を付けます。
Ah... Well, now I won't.

I won't (forget about the tongue).「(はい、舌のことも)忘れません→気を
付けます。」ということですね。ゲーブが先生口調になっているので、チャー
リーもつられて、患者・生徒のように、「はい、そうします。」という素直な返
事になっています(笑)。

★I will. / I won't. 「はい、そうします。/ (もう)しません。」

何かをしなさい(=命令)、何かしてくれ(=頼み)、何かをしてみたら(=お
すすめ)----と言われて、「はい、そうします。」と、きちんと返事するときの
言い方です。

I will. の will(そうする)は、いわば、will(意思)の動詞形。なので、
「そうする決意」をハッキリ表明したいときに、I will. と言うのです。

たとえば、頼まれ事への返事などは、Sure.「もちろん。」や、Okay.「いいです
よ。」と返す場合が多いのですが、あえて、I will. と言うと、「たしかに、そ
うします。」という積極的な決意表明になりますよ。

逆に、親や先生に叱られた場合は、Sure. や Okay. では・・・ふまじめな返事
と取られてしまいますので(笑)、I will. / I won't. と、神妙に返事するの
が、標準的な言い方です。


ベティ: (誕生ケーキを見て) あ!あ! あれって、マグノリアのチョコ
レート・ラズベリーケーキ?
Oh! Is that the chocolate raspberry cake from Magnolia?

raspberry の p は発音しません。[ラズベリー]。

ここの from は、分かりますね? マグノリアという店“から来た”ケーキ、と
いうことです。from の使い方で要チェックなのが、

例)
a friend from school「学校の友達、学校時代の友達」。

これ、頭にメモっておいてくださいね。よく使う表現です。「学校の友達」はと
もかく、「学校時代の友達」は・・・まさかそういう意味だとは、ちょっと思い
浮かびませんよね。同じように、

例)
a girl from Mitsukoshi

は、「三越の店員さん」かもしれませんが(これは、分かりやすいですね)、
「私がこの前、三越で会った女性」という場合もあります。

例)
a guy from your wedding

は、「あなたの結婚式で会った男性」です。

例)
A guy from your wedding, he gave me a call the next day, and then...
「あなたの結婚式で会った人ね、彼、翌日に電話くれて、それから・・・」。

しっかり、電話番号の交換をしていたようですね(^−^)。


ヘンリー: チャーリーは、あんまりケーキが好きじゃないから、ぼくの好みな
んだけど。
Well, Charlie's not much of a cake person, so she just told me to pick 
my favorite.

☆not much of「大して〜でない」。

☆a cake person
この person は、「○○型人間」、「○○派」というような意味。

例)
a morning person「朝型」。
I'm not much of a morning person.「朝はあまり得意ではない。」

a breakfast person「“朝食食べる”派」。
I'm not much of a breakfast person.「朝はいつも食べないので。」

Are you a cat person or a dog person?「猫好き? それとも、犬好き?」


★pick「選ぶ」は、英会話の基本動詞の1つ。

choose も 「選ぶ」なのですが、普通は pick のほうを使います。
   ・pick   「選ぶ」 の標準
   ・choose  いろいろ検討して慎重に「選ぶ」こと。

たとえば、選挙で候補者を選ぶのは、珍しく choose を使うケースですが、もし
選挙にあまり興味がなく、その場で決めたような場合は pick になります。

恋人を選ぶというシチュエーションではどうでしょう? これは、基本的に 
pick です。気持ちやフィーリングが大切だからです。もし、choose と言うと、
この人とはデートのスケジュールが合わせやすいかとか、どちらがデート代をい
つも持ってくれるかとか、親との相性とか・・・まるでリストアップして比較し
たような印象になります。(だから、逆に、結婚相手の選択では、大いに 
choose することがありえますよ。)

最後に、ケーキを「選ぶ」場合は pick に決まり、です。“買い物”全般が 
pick です。ただし、家を買うとか、コンピュータ・マニアが買うパソコンを決
めるのなら、「諸条件を考慮して…」ということもあるので、choose もありえ
ますが・・・。

とにかく、「選ぶ」には pick を使っておけば、まず間違いありません。


セリフに戻りましょう。

She just told me to pick my favorite.
直訳は、「ぼくのお気に入りを選んで、と、彼女に言われた。」

★favorite.「お気に入り(の)」。
形容詞で使う場合もあります。my favorite movie star だと、「私のお気に入
りの俳優さん」ですね。


ベティ: これ、私も大好き!!
Oh my God, that's MY favorite.

★Oh my God.
びっくりしたときに言うフレーズです。良いこと、悪いこと、両方に使います。

ところで、このシーンでベティは、That's my favorite. の my にアクセントを
置いて話しています。

   ### 普通は、favorite にアクセントを置きます。

my にアクセントを置くことで、この文で“伝えたいこと”の中心が my に移っ
ています。このシーンでは、マグノリアのチョコレート・ラズベリーケーキがヘ
ンリーのお気に入りだということにベティが驚いて、そのケーキは「私のお気に
入りでもあるのよ!」と言っているんですね。

"That's my favorite, too." と言っても同じ意味です。(その言い方のほうが、
普通です。)


ところで、このベティの発言で、チャーリー(女性ですよ)はかなりびくついて
いますね。大事な彼氏のヘンリーと、ベティの食べ物の好みが一緒だったなん
て・・・。もしかしたら、ヘンリーがベティの好みに合わせた可能性もある?!


ゲーブ: 飲み物は? 何がいい?
How about I get us some drinks? What do you like?

最初の文の直訳は、「みんなに(us)飲み物を取って来ましょうか?」

★How about S + V ? 「○○が××するのは、どうですか?」
“提案”の定番フレーズです。

例)
How about we go to dinner?「夕食に行く、というのはどう?」

(動名詞などを使う、他の“提案”フレーズとくらべて)、How about は、主
語・動詞そろった普通の文を続ければいいので、簡単ですね(^−^)。簡単な
のは、ネイティブスピーカーにとっても同じ。普通の文をずらずらと並べていけ
るので、ちょっと詳しい提案をするときは、How about が“御用達”なんです。

例)
How about we go to dinner, just the two of us?
「夕食に行く、というのはどう? 2人だけで。」

例)
How about we go to dinner, and then catch some movies, and then...
「夕食に行く、というのはどう? それから、映画に行って・・・」

と、いくらでも詳しいデートの提案ができますよ(^−^)。


ベティ: じゃあ、炭酸系を。
Um, something fizzy.

★Um [アーm] 意味のない、言いよどみの“音”なのでしたね。

★something + 形容詞 「〜なもの」。
語順に注意。fizzy something でなく、something fizzy ですよ。

「something + うしろから説明」のパターンは、とても重要な、基本的な英語
表現です。メルマガ11号に、要領を詳しく説明していますので、ひまがあった
ら、ぜひ見返しておいてくださいね。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/ub11.txt



ヘンリー: でも、誰か一緒だとは思わなかったな。
So, you didn't say you'd bring someone.

日本語のセリフでは、「でも…」と言って、話題転換しています。(ゲーブが飲
み物を取りに行った後を受けて)。この「でも…」は、「ところで…」のカジュ
アル版と言ってもいいですね。

英語の So... も、それとちょうど同じ役割を果たしています。

前回のメルマガで、「ところで=by the way」とは限らないと説明しましたが、
その一例がさっそく出てきました。
(参照http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/ub16.txt)

    ### So のイントネーションに特徴があります。言い始めの、すご
    ### く高い音から〜言い終わりにかけて、1オクターブの音程差。
    ### 偶然ですが、日本語の「ところで」も、最後の「で」で音程が
    ### 急激に下がりますので、この So と似た感じになります。


セリフをもう一度見てみましょう。
So, you didn't say you'd bring someone.
直訳は、「でも(ところで)、誰か連れて来るとは言ってなかったよね。」

you'd (= you would) の所は、分かりますか?

   直接話法 You didn't say, "I'll bring someone."
                ↓
   間接話法 You didn't say you'd bring someone.

I will → you would と変わっています。主語が I → you になるのは大丈夫で
すね。間接話法の場合は、話し手の立場で人称代名詞(I, me, you など)が統
一されますから。

そして、will → would になるのは、いわゆる“時制の一致”というやつです。
You didn't say が過去なので、引用するセリフが過去に1つずれます。

★間接話法と時制の一致

両方とも、学校の授業でかなりきちんとやる項目ですが、ややこしいし、あまり
重要そうに見えないので、手を抜いた人も多いかもしれませんね。それに、そん
なこと覚えなくても、簡単な“直接話法”でまかなえそうだし・・・。

しかし、英会話で他人の言葉を引用するときは、ほぼ常に“間接話法”なのです。
(直接話法は、子供限定(!))

間接話法(&時制の一致も。必ずセットで登場します。)----自信がない人は、
教科書等でしっかりマスターしておいてくださいね。会話必携アイテムですよ!


ベティ: あ、連れて来ちゃいけなかった?
Oh, I... I thought it would be okay.

「誰かを連れて来ても(=it)大丈夫だと思った。」ということです。

この文も、間接“話”法+時制の一致、になっています。think なので、“話”
したわけではありませんが・・・。

   直接話法 I thought, "It will be okay."
                ↓
   間接話法 I thought it would be okay.

will → would と、時制が過去にずれていますね。主語は it なので、変化して
いません。(主語が変わるのは、I や me, you がからんだときのみ)。


もう1点。このセリフの it に注目。(“ばくぜんとした状況を指す it”)
I thought it would be okay.
「誰かを連れて来ても(=it)大丈夫だと思った。」と訳しましたが、それは、
I thought it would be okay (if I brought someone).
というふうに、おぎなって考えたからです。

つまり、it = if I brought someone と私は考えたわけですが、それは、文脈
や状況から推測される it の内容です。前のセリフから“指す内容”が機械的に
決まるわけではありません。だから、聞く人によって誤解が生じることもありう
るわけで、誤解を避けたければ、ベティは、

I thought it would be okay if I brought someone.

と、フルで言ったほうがいいのです。

それに対して、that を使うのは、“指す内容”がハッキリしている場合です。

例)
- Can I bring someone?「誰か連れて来てもいいですか?」
- That's okay.「いいですよ。」

この会話では、okay かどうか、聞いている内容がすごくハッキリしていますね。
そういうときは、that で“受け”ます。99パーセントの人がそう言うでしょ
う。逆に、It's okay... と言うと、そのあとにまだ言うことが残っている印象
になりますよ。

例)
It's okay... (if you bring someone, but not someone from work, please.)
「誰か連れて来てもいいけど、職場の人じゃない人にしてね。」


that と it の違い----前回のメルマガにも出てきました。超重要ポイントなの
で、よかったら、今回の解説と合わせて見ておいてくださいね。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/ub16.txt



チャーリー: ぜーんぜん。素敵な人じゃない。それに歯医者さんだし。
Oh, yeah. Oh, and he's cute, Betty. And a dentist.

★Yeah. = Yes.
会話で Yes. が登場するのは珍しいこと。(Yes. の代わりに、状況に応じて、
Sure. や Okay. や I know. や Right. などと言い分けます。)

      ### No. は、よく使いますよ。

しかし、ここの Yeah. は、No. に似た役割を果たしていますね。前のセリフで、
It was okay. だったのか、それとも It wasn't okay. だったのかが問題になっ
ていますので、Yes, it was okay.「(連れてきても)大丈夫でしたよ。」と、
判定を下しているからです。

他にも、会話で Yes. が登場しそうな状況としては・・・

例)
- Would you mind if I smoke?「タバコ吸ったら気にしますか?」
              (タバコ吸ってもいいですか?)
- Yes, I would.「はい、気にします。」
       (吸わないでください。)

最近よく聞く会話です(^^;。

Would you mind 〜? と聞かれたら、普通は、No. とか、Go ahead. などと答え
るもの。Yes. と答えると、かなり強い拒否になって、感じが悪くなります。た
だ、現在は、タバコに対しては断固とした態度を示すことが許される風潮ですね。
なので、上の受け答えは許容範囲内なのです。


ベティ: 専門は、矯正。
Orthodontist.

矯正歯科医のことです。


チャーリー: やったね、おめでとう!
Oh, thumbs up!

thumbs up は、両親指を立てる、「やったね!」のサイン。
thumb の発音は、[サム]。 


ヘンリー: でも、いつからつきあってたの? だって、君、そんなこと、言っ
てなかったから。
So, how long have you two been seeing each other? I mean, just 'cause 
you haven't said anything.

ヘンリー、また、So(でも、ところで)と言っていますね。2人の女性の会話を
断ち切って、自分が話したい話題にむりやり転換しています。

How long have you two been seeing each other? の直訳は、「君たち、どのぐ
らいの間、つきあっているの?」です。

★How long 〜?
「どのぐらい?」と、期間をたずねる表現。
★you two
「君たち2人」。英語では、you が単数でも複数でも you なんだと教わりまし
たが、こんなふうになることがけっこうありますよ。似た言葉で、
★you guys
というのもあります。「君たち」。これは、2人のときも、もっとたくさんの人
を指すときもあります。
★see each other
2人の人が会う(see)ということですが、転じて、「つきあっている、デート
している」という意味になります。

例)
We've been seeing each other for two months now.
「私達は、もう2ヶ月間つきあっている。→2ヶ月前からつきあっている。」

このように、“しばらく前から続けている”ことは、have been 〜ing という形
で表します。(現在完了進行形)。

We've seen each other.

という形だと、まったく違う意味になりますので、注意してください。これは、
「会ったことがある」という“経験”をあらわしています。

例)
We've seen each other once.「一度会ったことがある。」

この形は、文法用語で言うと、“素”の現在完了形です。

法則をまとめると、
  ┌─────────────────────────────┐
  │(1) “経験”  → have + 過去分詞 (現在完了形)    │
  │                             │
  │(2) “しばらく前から続けていること・続いていること”   │
  │        → have been + 〜ing (現在完了進行形) │
  └─────────────────────────────┘

学校では、“素”の現在完了形は (2) もあらわすのだと教わりましたが、それ
が当てはまるのは、know など 一部の例外的な動詞だけです。(次のセリフで、
さっそく登場しますよ。)


ベティ: そう? えっと、あの…もう、知り合ってから長いの。それに、その
う、すごくいい人だし。
Really? Oh, um, well... we've known each other for a while, and, uh... 
he's a really terrific guy.

はい、出ました(^−^)。

We've known each other for a while.
「もうしばらくの間(長い間)、知り合っている。→知り合ってから長い。」

この文は、「have + 過去分詞」という“素”の現在完了形ですが、know という
特別な動詞の場合、“過去から続いていること”をあらわします。

法則を修正しておきますね。
  ┌─────────────────────────────┐
  │(1) “経験”  → have + 過去分詞 (現在完了形)    │
  │                             │
  │(2) “しばらく前から続けていること・続いていること”   │
  │        → have been + 〜ing (現在完了進行形) │
  │                             │
  │(2)' “しばらく前から続けていること・続いていること”   │
  │     ※know など、一部の例外的な動詞の場合      │
  │        → have + 過去分詞 (現在完了形)    │
  └─────────────────────────────┘

ただし、(2)' の例外的な動詞は、たとえば want の場合、

例)
I've been wanting this for a long time. ・・・(2) の形
I've wanted this for a long time.    ・・・(2)'の形
「長い間、これを求め続けてきた。」

のように、どちらの形もオーケー、という場合がほとんどです。
なので、結局、簡単に言うと、“前から続いていること”をあらわすのは have 
been + 〜ing だと覚えておいて、まず間違いありません。


チャーリー: 2人、すごくぴったりな感じ。気持ちが通じ合ってるって…見て
て分かる。ね、ヘンリー?
Oh, you tow are perfect together. And the chemistry is just so obvious, 
right, Henry?

名訳のオンパレードです!
perfect together「一緒にいるとカンペキ → ぴったりだ」
obvious(形容詞)「見て分かる」

例)
He likes you. It's obvious.「彼、あなたのことが好きよ。見て分かる。」
                           (見え見えだ)

chemistry は、「化学」から転じて、ひかれ合っている2人が発する化学反応の
ことです。それが目に見える・感じ取れる、というロマンチックな表現。恋愛
トークに出てくる言葉ですよ。

例)
I thought there was chemistry between us... but apparently, I was wrong.
「2人の間に、ひかれあうものを感じたんだけど・・・勘違いだったみたい。」

★...right?「そうでしょ?」と、同意を求める表現です。


ヘンリー: どうかな。彼のこと、まだ知らないし。
I don't know. I just met the guy.

2番目の文の直訳は、「彼とは会ったばかりだし。」
met (meet の過去形)は、「初めて会う」こと。(普通に「会う」のは、see 
です)。

1番目の文。

★I don't know.「どうかな。」
I don't know. は、「ノー。」の、やわらかバージョン。英語国民はなんの気兼
ねもなく「ノー。」と言える、なんていう“迷信”がありますが、人の言うこと
に、ガツンと「ノー。」と言い放つのは、誰にとっても心理的に負担が大きいも
の。

No. と言いたいときの半分以上は、この I don't know. などの代替表現を使う、
と考えてください。その中でも、I don't know. は、代表格。これがないと英語
の会話は進まない、と言えるぐらい、多用します!

ところで、I don't know. をフルで言うと、I don't know if that's the case.
「君の言うことが正しいかどうか、分からない。」ということ。文字通り、「分
からない」場合から〜、先ほど説明した「同意できない(ノー)」をやわらかく
言いたいときまで、幅がある表現です。

よく似た表現をもう1つ。
★I'm not sure (about that).「確信がない → どうかな。」
も、セットで覚えて、会話でいっぱい使ってくださいね!


チャーリー: ううん。私、敏感なの。2人にはすっごくいいフィーリングを感
じる。相性を調べてあげるから、2人の星座を教えて、ね?
Well... well, I'm all about vibes, and I am definitely feeling this one.
You guys should give me your starsigns. I'll totally do your chart.

be all about は、「〜に大賛成だ、〜大好きだ」。

vibes = vibrations は、「振動、ぶるぶる」。転じて、「受ける感じ」や「雰
囲気」のことです。

★definitely は、「たしかに」。
これも、Definitely. 単独で、Yes. の代わりに使えますよ(^−^)。
Definitely.(たしかに)、Absolutely.(ぜったいね)、Exactly.(そのとお
り)・・・以上3つは、相手の言うことに同意するときに、比較的いつでも使い
やすいフレーズです。

starsign「星座」。
do your chart「運勢を占う」。


ベティ: ええ、分かった。
Yeah, that... okay.


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


以上です。今回も、長かったですね。おつかれさまでした! 最近は、フレーズ
や単語よりも、文法的な解説が多くなっていますが、どうですか? 疲れる?

よろしかったら、感想をお聞かせください ( ‘∇‘ )ノ

ゲストブック http://www3.rocketbbs.com/603/guestbk.html
メール comet@fd5.so-net.ne.jp(田中)


それから、このメルマガ、よろしかったら、お友達にも紹介してくださいね。
http://archive.mag2.com/0000248990/index.html


────────────────────────────────────
きょうのシーン、英文だけのスクリプト
────────────────────────────────────


HENRY:   Hey, Betty! I'm glad you made it.
BETTY:   Henry, Charlie. Um, this is my friend, Dr. Farkas.
GABE:    Uh, you can call me Gabe. Hi, nice to meet you.
HENRY:   Hi.
GABE:    And, uh, this is for the birthday girl.
CHARLIE: Oh! Oh-oh-oh! Oh? A tongue scraper.
BETTY:   Oh, that's what that is.
GABE:    So many people forget about the tongue.
CHARLIE: Ah... Well, now I won't.
BETTY:   Oh! Is that the chocolate raspberry cake from Magnolia?
HENRY:   Well, Charlie's not much of a cake person, so she just told me 
         to pick my favorite.
BETTY:   Oh, my God. That's MY favorite!
GABE:    How about I get us some drinks? What do you like?
BETTY:   Um, something fizzy.
HENRY:   So, you didn't say you'd bring someone.
BETTY:   Oh, I... I thought it would be okay.
CHARLIE: Oh, yeah. Oh, and he's cute, Betty. And a dentist.
BETTY:   Orthodontist.
CHARLIE: Oh, thumbs up!
HENRY:   So, how long have you two been seeing each other? I mean, just 
         'cause you haven't said anything.
BETTY:   Really? Oh, um, well... we've known each other for a while, 
         and, uh... he's a really terrific guy.
CHARLIE: Oh, you tow are perfect together. And the chemistry is just so 
         obvious, right, Henry?
HENRY:   I don't know. I just met the guy.
CHARLIE: Well... well, I'm all about vibes, and I am definitely feeling 
         this one. You guys should give me your starsigns. I'll totally 
         do your chart.
BETTY:   Yeah, that... okay.


────────────────────────────────────
スクリプトを使ったリスニング練習のコツ
────────────────────────────────────


 ◆スクリプトを見ながら、「この通りに聞こえるはず」と思って何度も聞く
  だけで、大変良い練習になります(^−^)。

 ◆ざーっと1シーン「通して聞く」のでなく、「同じ英文を続けて聞く」の
  が最大のコツ。リモコンの「一時停止」と「巻戻し」ボタンをたくさん
  使ってね!


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールマガジンのバックナンバー、解除は、こちらから。
まぐまぐ!:http://blog.mag2.com/m/log/0000248990/
メルマ!: http://www.melma.com/backnumber_171081/
めろんぱん:http://www.melonpan.net/melonpa/mag-detail.php?mag_id=011211
 (3つのマガジンスタンドより同時発行しています。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

================================ 発行者 ================================
 田中耕治/ハンドルネーム かめっ
 英会話&発音トレーナー
 ホームページ:  http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/index.htm
 メールアドレス: comet@fd5.so-net.ne.jp
========================================================================

© 2016 Tanaka Koji, Littlejuku