メルマガ「英語でアグリー・ベティ!」バックナンバー

海外ドラマで、使える英語フレーズ&リスニングを学習


第18話「家族というもの」英会話フレーズ編


◆来週の「アグリー・ベティ」は、放送が10分遅れ。ご注意ください!
◆このメルマガは18話(2月4日放送分)です。


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        英語で『アグリー・ベティ』(UGLY BETTY)!
    ベティのセリフで、日常英会話の基本フレーズを徹底マスター
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前々回、前回と、「that と it の使い分け」について見てきました。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/ub16.txt(最後の所)
http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/ub17.txt(メルマガ全体)

今回は、その3回目。難しい it の使い方を、一気にマスターしていきます!

(これまでの説明のあらすじ)
that と it は、何かを“指す”身代わりの言葉(つまり、代名詞)として、英
語を代表する2大単語です。

 ・that は“はっきりした物・こと”を指す
   (直前の文の中に、具体的に指すものがある。文全体を指すこともある)
 ・it は“ばくぜんとした状況”を指す
   (指すものは文脈から推測するしかない。しかし、it のあとに、
    その内容説明=言い換えがプラスされることも多い)

that と it の違いが分かると、あなたの英語の“通じる”度が飛躍的にアップ
しますよ! がんばってついて来てください!


━━━━━━━━━━━━━━  2008.2.13 発行  ━━━━━━━━━━━━━
   第18話『家族というもの』 (Don't Ask, Don't Tell)--基本フレーズ編
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今回は、アマンダとマークのコミカルな会話です。ゲイのマークは、吹替え訳か
らも分かるとおり、たしかに“おネエ言葉”なのですが、英語では、男女の言葉
づかいの差は、日本語ほどではありません。それよりも、2人の会話の特徴
は・・・まるで落語に出てくる江戸っ子のように、下世話で(きわめて口語的
で)歯切れがいい、ということ。

まず日本語で、シーンの状況を把握しておきましょう。

(番組冒頭から3分50秒〜 のシーン)

アマンダ: マーク、探してたのよ。招待状をゲットしたわ。今夜、プラダの
      ニューショップがオープンするの。人気のDJも来るのよ。 
マーク:  今夜は予定が・・・。
アマンダ: 相手は誰?
マーク:  ママよ。またくだらないキャットショーがあって、こっちへ来るの。
      ホント、バカみたい。いい迷惑なんだけど。
アマンダ: そう。じゃ、プラダはパスね。また彼女のふりしてあげる。
      今夜は、どこで食事?
マーク:  いいの、もう来なくて。
アマンダ: えっ? だって、ママが来るときは、私が恋人役でしょ?
マーク:  アンタは、もうお役目を解かれたの。長いこと、ご苦労様。
アマンダ: それ、どういうこと? ちょっと、まさかアンタ、ママに言った
      の? 自分がゲイだって。
マーク:  まさか! ただ、もう別れたって言ったの。3年つきあったけど、
      結婚を迫られてうんざりしたって。
アマンダ: じゃあ、別れたのは、私があせってるから?
マーク:  違うわよ。ただ、終わったの。
アマンダ: そんな、あっさり?
マーク:  気にしないで、あんたは悪くない。私よ。
アマンダ: 当たり前でしょ! ありがたいと思いなさい。芝居でも、こんな美
      人とつきあえたんだから。
マーク:  私だって、アンタが妊娠した芝居、手伝ったでしょ!
アマンダ: あれは芝居じゃなかったのよ。ただ、アンタの子じゃなかった
      だけ!


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面白がって恋人の代役(beard duty)をしていただけなのに、“振られた”とな
ると、真剣に怒っているアマンダ、かわいいですね(^−^)。

それでは、セリフを順番に見ていきましょう。

★は、重要フレーズ・単語
☆は、それほど重要ではないフレーズ・単語


アマンダ: マーク、探してたのよ。
Hey, I've been looking for you.

★Hey. は、呼びかけの言葉。

★look for「〜を探す」。
「(探した結果)見つける」のは、find または、find out ですよ。区別しま
しょう。

I've been looking for you.「あなたを探していたのよ。」
現在完了進行形(have been 〜ing の形)ですね。「あなたを探していた。(で
も、今はもう探していない)」のなら、I was looking for you. になります。


アマンダ: 招待状をゲットしたわ。
Look what I've just scored.

☆score は、下世話な言い方で、「首尾よくモノにする・ゲットする」。
単に「手に入れる」のでなく、「しめしめ、うまくやったぞ」というときに使い
ます。score する典型的なものは、セックス、ドラッグ、キャッシュ、入手困難
なチケットなどです。


アマンダ: 今夜、プラダのニューショップがオープンするの。人気のDJも来
るのよ。
New Prada store is opening tonight. Steve Aoki is DJ-ing. Meet up for 
drinks beforehand?

★これから起きること(未来)をあらわす現在進行形
お店がオープンするのも、そのイベントで人気のDJ(Steve Aoki)がDJを務
めるのも、今夜、つまり未来のことなのですが、“もう確定しているスケジュー
ル”なので、現在進行形(is 〜ing の形)になっています。

現在進行形と使う場面がオーバーラップするのが、is going to 〜 です。2つ
の違いは、現在進行形のほうが“確定”度が高いこと。

   ・is 〜ing(現在進行形)は、“事実”
   ・is going to 〜 は、“予定”(主語が I, you なら“つもり”)

というように区別するといいでしょう。


3番目の文は、吹替えでは訳出されていませんが、
Meet up for drinks beforehand?
「その前に(別の場所で)落ち合って、一杯飲む?」と言っています。

完全な英文ではありません。文頭に省略があります。何だか、分かりますか?


























答えは、Do you want (us) to。「〜したい?」
Will you/Would you も考えられますが、meet up するのは we (us) なので、こ
の形は不可能。それに、この会話の調子からは、will you はちょっと丁寧すぎ
る感じです。

Do you want us to meet up for drinks beforehand?

☆meet up は、meet(会う)と同じですが、より口語的な響きがします。ただし、
主語が we など、複数のときしか使えません。不思議ですね? それが分かるに
は、meet のココロをざっくりつかんでおくこと。解説しましょう。

以前のメルマガで、see も meet も「会う」という意味だと言いました。「会
う」一般は see で、meet は初対面のときに使う、という説明でしたね。
(第16話http://www007.upp.so-net.ne.jp/comet/am/ub16.txt)

しかし、2つの動詞にはもっと根本的な違いがあって、

   ・see は「目で見る」こと
   ・meet は「(違う方向から来たもの・人が)出会う」こと

このことから、meet は次のような使われ方をします。

例)
meet the requirements「(必要)条件とぴったり合致する→ 条件をみたす」
meet my father's expections「父の期待にぴったり合う→ 期待にそう」

違う方向から来たものがぴたっと、ある場所で鉢合わせる・・・そんな meet の
感じが伝わりました?(^−^)

したがって、meeting(会合)は、2人以上の人が「見る」ことではなく、
「1ヶ所に集合する」ことだと言えます。meet がこのような「集合」をあらわ
すことから、日時や場所を決めて(そういう約束をして)会うことも、動詞
meet の守備範囲だということになります。

例)
Meet me at midnight.「深夜12時に会おう。」
Meet me at the airport.「空港で会おう。」

Meet me... と言ったら、このように時間か場所を明示するのが普通です。待ち
合わせですからね! (see は場所等、言わなくてもOK。)

2番目の例文のように場所を言った場合は、しばしば「迎えに来て」という意味
になります。これは、meet のココロ(=違う方向から来たものが1ヶ所で出会
うこと)から、なんとなく分かりますね(^−^)。

see と meet の違いは、主語が we など、複数になったときにも現れます。

例)
We don't see each other any more.
「2人はもう会っていない(つきあっていない)。」
Why don't we meet (up) at the gate?
「門の所で待ち合わせよう。」

We see each other と We meet、
不思議ですね。形がぜんぜん違います。とくに see が複雑・・・。

日本語では同じ「会う」でも、英語の see は、あくまで「見る」。見る“対象”
を明示しないといけません。I see you と You see me という2つの「見る」
動作をまとめて We see each other「お互いを見る」----こういう他ないのです。

それに対し、meet は「2つのもの・人が1ヶ所で出会う」という1つの動作で
す。ですから、その2つのもの・人が主語になった場合は目的語が必要なくなり
(自動詞としてはたらくので)、単に We meet だけでよいのです。

We meet up は、We meet より口語的と最初に説明しましたが、それは、、You 
meet "me" のような目的語がない(We meet each other とはならない)“素”
の We meet ではそっけなくて言いにくいので、口調をととのえたもの、なので
す。

    ### 目的語がある場合でもさらに up を付けて、meet me up と
    ### 言う場合もあります。


マーク: 今夜は予定が・・・。
(I) can't. I have plans.

★I have plans.「予定があります。」
会話でとてもよく使う表現。「“他に”予定があります」(I have other 
plans.)ということなのですが、other は言わないことのほうが多いです。

また、同じことを I have something (else) to do.「(他に)用事がありま
す。」と言ってもいいのですが、I have plans. のほうがマイルドです。(もう
決まっている予定なのでどうしようもない、というニュアンスが出るので)。

I have plans. は、断り文句でしたが、こういう使い方もあります。

例)
make plans for the weekend「週末の予定を立てる」

★会話で「予定」ときたら=plans です。いつでも使えます。あなたの中の定訳
にしてくださいね!

例)
Do you have any plans for tonight?「今夜、何か予定はありますか?」

デートのお誘いにも使えそうですね(^−^)。例えば次のように続けて・・・

例)
Do you have any plans for tonight? Because, if you don't, I have two 
tickets for ○○.
「今夜予定ある? もし決まってないなら、○○のチケットが2枚あるんだけ
ど。」

会話でたくさん使えそうな plans。最後にお遊びです。

So, what are your plans for Valentine's Day?
「バレンタインデーの予定は、決まりましたか?」

Me? Boys don't make plans for Valentine's Day.
「ぼくですか? 男性は、バレンタインデーの予定は立てられないのです…。」

これは、日本のバレンタインデーの話(^−^)。外国では、男性が花などを贈
る所も多いようですね。


では、次のセリフ。

アマンダ: 相手は誰?
Who is he?

あ…前のセリフ、忘れてます? ごめんなさい、話が長くて(^^;
このシーンの流れは、こうでした。

  アマンダ:マーク、探してたのよ。招待状をゲットしたわ。今夜、プ
       ラダのニューショップがオープンするの。人気のDJも来るのよ。
  マーク: 今夜は予定があるから、ダメ。
  アマンダ:相手は誰?

先約の相手が he(男性)だというのは、マークがゲイだからですね。


マーク: ママよ。またくだらないキャットショーがあって、こっちへ来るの。
My mother. She's in town for another one of her stupid cat shows.

でも、相手は母親だったんですね(笑)。「こっちへ来る」となっていますが、
She's in town ですから、正確には、「もう来て」います。

★in town「(話し手が住んでいる地元に)やって来ていて」。

the town でなく、town と無冠詞なのに注意。慣用句です。

例)
My folks are in town to visit me.
「“田舎から”親が出て来てるんだ。」と、日本語なら言うところですね。
in town は、訳しにくい・・・。

例)
Call me up when you're in town.
これは、「近くに来たら電話してね。」というところでしょうか。ただし、遠方
に住んでいる人(someone out of town)の人にしか言いません。

★out of town は、in town の反対語。「(地元に)いなくて」という意味です。

例)
I was out of town for business.「出張で、遠くに行っていた。」


セリフをもう一度。
マーク: またくだらないキャットショーがあって、こっちへ来てるの。
She's in town for another one of her stupid cat shows.

★stupid(形容詞)「くだらない」。
  ・stupid なモノやコトは、「くだらない」
  ・stupid な人や行動は「ばかな」

★another one of + 複数形
単に、another(+ 単数形)と言うのと同じことですが、より口語的になります。

どちらにしても、直訳は、「もう1つの」。・・・なんて言うと、やけに客観的
な話し方ですが、ここのマークの another には、「またこれだよ/またかよ」
というウンザリ感が入っています。

another は形容詞ですが、日本語では、「また〜」と副詞的に訳すほかありませ
ん。


マーク: ホント、バカみたい。いい迷惑なんだけど。
It's disgusting-- her and a bunch of fancy pussycats.

☆disgusting(形容詞)
「バカみたい」という吹替え訳は、かなりズレますね。訳が、むずかしいな。
ちょくちょく聞く言葉なんですが・・・。

この基本の意味は、「嫌悪感をもよおす」なので、「むかつく」、あるいは、ゲ
イのマークらしく、「いやになっちゃう」という感じでしょうか。

あのですね、筆者が今までこの言葉を聞いた実例で一番多いのは、人のテーブル
マナーを評して disgusting と言ったものです。口にものをほおばって話しまく
る、とか。

disgusting は、かなり強い言葉なんです。自分が正義の立場に立って、一方的
に、他の人やモノ・コトを裁いていますから。

例)
Eating raw meat is disgusting.「ナマの肉を食べるなんて・・・」

「破廉恥」という言葉が、昔の日本語にもありましたね。それに近い感じです。


アマンダ: そう。じゃ、プラダはパスね。また彼女のふりしてあげる。
Don't worry. l'll skip Prada. Your "girlfriend" is reporting for duty.

★Don't worry.「心配しないで。大丈夫だよ。」

★skip「〜を飛び越す → (予定や、するべきことを)抜かす・飛ばす」。

例)
skip breakfast「朝食を抜く」。
skip classes「授業をさぼる」。

(参考)
「パスする」は、一般的に、pass です。目的語なしで使い、 "I'll pass." な
どと言います。(なにかに誘われたときの断り文句。ややぞんざいな言い方です。
「私はいいわ。」、「ぼくはいい」という感じ。)

また、予定したことを実行しないのは、cancel「キャンセルする・取り消す」を
使う場面も、けっこうありますよ。

例)
cancel the meeting「会議を中止する」。
cancel the reservation「予約を取り消す」。

skip や pass が自分だけのことなのに対し、cancel はみんなに影響が及ぶとこ
ろが違いますね。


アマンダ: また彼女のふりしてあげる。
Your "girlfriend" is reporting for duty.

report for は、ほんらい、公務のために出頭すること。このセリフは、おどけ
て、敬礼のジェスチャーを付けたりしながら言います。(アマンダは、目と眉の
表情で、敬礼しているようにも見えますね)。

この2人、一体どういう関係なんでしょう(笑)。お母さんが来たら、彼女のふ
りをしてあげてるなんて。


アマンダのセリフが続きます。

アマンダ: 今夜は、どこで食事?
So, where are the three of us going to dinner?
直訳は、「で、私達3人はどこで夕食を取るの?(取る予定なの?)」。

be going to 〜 は、“予定”や“つもり”をあらわす表現でしたね(^−^)

アマンダは、マークの“つもり”=マークがすでに“決めているはずの予定”を
たずねています。

もし、will を使って、Where will we have dinner tonight? と聞くと、「どこ
で食べましょう?」と意見や決定を求めている感じになるか、あるいは、「どこ
で食べるでしょう?」と、相手の推測を求めている感じが出ます。


マーク: いいの、もう来なくて。
Actually, you're not coming.

★Actually...「実際には」
・・・というのが文字通りの意味ですが、文頭で Actually と言うときは、「相
手の質問を一部修正して答えるとき(の前置き)」として使います。

アマンダは Where are we going to have dinner?「どこで夕食するの?」と聞
いているのに、「“どこで”というより、(そもそも)あなたは行きません。」
と答えていますね。質問の前提がまちがっている、というわけです。

他の例)
- What do you do (for a living)?「お仕事は、何をなさっていますか?」
- Actually, I don't.「実は、仕事してないんです。」

What?「何をしてるか?」という相手の質問は、前提が間違っている。だから、
I don't.「してません」と答えるしかないのだが、それだとぶっきらぼうなので
(相手の間違いをいきなり指摘することになる)、Actually「実は…」と前置き
して、マイルドな物言いにしています。

他の例)
- Who is he?「相手(の男)は誰?」
- Actually, it's a "she."「ていうより、she(女)なんだけど。」


アマンダ: えっ? だって、ママが来るときは、私が恋人役でしょ?
What? But it's your mother. I'm the "love of your life," remember?

日本語のセリフのほうが説明的、分かりやすくなっていますね。もっと英文に即
して訳すと、「えっ? だって、いま話してるのは(=it)ママのことでしょ
う? 私は、運命の人よ(という芝居の設定だったはずよ)。忘れたの?」

問題は、it です。

前々回、前回と、「ばくぜんとした状況」を指す it について説明してきました
が、この it もそうですね。

it が“指す”べき内容は、このセリフにも、その前のマークのセリフにも出て
きていません。it は何かの言い換えではないのです。it が“指す”内容は、文
脈から推測しないといけません。

たいていの場合は、「いま問題・テーマになっていることは何?」という質問が
かくされていて、その答えが it だったりします。

上の場合は、「いま話してること」と訳しましたが、「いま対処すべきこと」と
考えてもいいですね。

it は、またあとで出てきます。


マーク: アンタは、もうお役目を解かれたの。長いこと、ご苦労様。
You're officially released from beard duty. Consider yourself "shaved."

★officially「正式に」
もともと「公式に」という意味 → 口語で、「正式に、きちんと」という感じ
で、幅広く使います。

使用例)
So, we're officially broken up?「じゃ、“正式に”別れるってこと?」
We haven't officially said good-bye.「“ちゃんと”お別れを言ってなかった
ね。」

問題)それでは、これはどういう意味でしょう?
We haven't officially met.
























答えは、「自己紹介がまだでしたね。」

えっ?!という感じですね。文面には「自己紹介」なんて、一言も出ていません
から。これは、英語圏の慣習上、“そういう意味になる”ということ(^−^)。

この2人は、以前すでに会ったことがあるのですが、その時お互いに名乗り合っ
ていない(または、共通の知人が紹介してくれたわけでもない)。そういうのは、
ちゃんとした初対面(officially met)とは言えない----という文化・了解事項
なのです。

ですから、We haven't officially met. は、「では今から、自己紹介しあいま
しょう。」というときの前置きのフレーズとして使われます。

例)
We haven't officially met. I'm Bond. James Bond.
「自己紹介がまだだったね。私はボンド。ジェームズ・ボンドです。」

イギリスの諜報員「007」こと、ジェームズ・ボンドの得意のセリフです。彼
の場合は、ちょっと特殊・・・。こうやって、むりやり自己紹介に持っていくの
ですが、相手からはなかなか名乗ってもらえません(笑)。だって彼が言うと、
完全に“ナンパ”のセリフに聞こえますからね!

    ### こういうのを pickup line(ナンパのセリフ)と言います。
    ### 代表的な pickup line を1つ。
    ### Do you come here often?「ここにはちょくちょく来るの?」
    ### 現在形=繰り返しの動作・習慣 が効いていますね!


officially の話が長引きました(^^; 元のセリフは?

マーク: アンタは、もうお役目を解かれたの。長いこと、ご苦労様。
You're officially released from beard duty. Consider yourself "shaved."

☆release「任務を解く」。使い方がすこし面倒です。
release + (人)+ from + (任務)

beard duty は、私も、恋人や結婚相手をよそおうこと。アマンダが「恋人のふ
り」をしていた、と言っていましたね。偽装結婚も、beard duty です。

Consider yourself shaved. は、したがって、「ヒゲ(替え玉)であるアナタは
剃られた(解任された)もの、とご承知ください。」という、ユーモラスな掛け
言葉になっています。

・・・このセリフはめったに聞かない言い回しばかりで、おぼえる所がありませ
ん。


アマンダ: それ、どういうこと? ちょっと、まさかアンタ、ママに言った
の? 自分がゲイだって。
Wait, what are you saying? Did you actualy tell your mother that you 
are a ho--

★What are you saying?「それ、どういうこと?」
直訳は、「何を言ってるの?」ですが、相手の言ったことは100パーセント聞
き取れているけど、「どういうつもりでそんなこと言ってるの?」ということで
す。

よく似たフレーズの What did you just say? は、直訳は、「今、何て言った
の?」ですが、たいていの場合は、「何だと!」と怒っています(!)。イント
ネーションにもよりますが・・・要注意です。

★tell「言う」。
say も「言う」です。どう違うんでしょう?

違いは、
  ・tell は、tell her など、人を目的語に取る。(言う“相手”を指す)
  ・say は、取らない。

同じなのは、
  ・tell も say も、言う“内容”を目的語に取ること。

簡単でしょう?

念のため。 tell の目的語は
  ・言う“相手”だけのとき (例)Tell me.「私に話して。」
  ・言う“内容”だけのとき (例)tell the truth「本当のことを言う」
  ・両方のとき       (例)Tell me the truth.
                「私に本当のことを言ってください。」
という3通りがあります。

say の目的語は、言う“内容”だけです。


マーク: まさか! ただ、もう別れたって言ったの。3年つきあってたけど、
結婚を迫られてうんざりしたって。
No, it's just... I've been telling her you were my girlfriend for a few 
years now, and she's starting to pressure me to buy the cow.

ここは、ざっと行きましょう。

tell がさっそく出てきました。「tell + 言った相手 + 言った内容」という構
成になっていますね。

それから、吹替え訳で「結婚を迫られて」となっています。それだと、アマンダ
が結婚を迫ったように見えますが・・・英文では、she(マークのお母さん)が
主語になっています。「結婚を迫った」のは、お母さんなのです。

この「結婚を迫る」にあたる英語が buy the cow(め牛を買う)です。これは、
俗な処世訓(?)みたいなもので、「ただでミルクを飲めるというのに、牛ごと
買ってしまうことないでしょ」という文句の一部です。英語では、

Why buy the cow when you can get the milk for free?

あー、つまり、結婚すると大変な責任を負うことになる、結婚せずともおいしい
所だけいただけるのに・・・という、男性の立場から見た警句です。

比喩の仕方がセクハラがかっています。放送禁止かと思いましたが? 言ってい
るのがゲイのマークなので、おとがめなし、なのでしょうか。


アマンダ: じゃあ、別れたのは、私があせってるから?
So, you're saying we're over... and I'm fat?

今度は say が登場。say の目的語は、“言っている内容”、になっていますね。
このセリフの直訳は、「じゃあ、あなたが言わんとしているのは、“私たち2人
は終わり”ってこと? それと、“私がデブになった”ってこと?」

表記の仕方は、So, you're saying, "We're over"? と、引用符で囲んでもいい
ですね。


マーク: 違うわよ。ただ、終わったの。
No, just over.

これは、分かりますね。


アマンダ: そんな、あっさり?
Just like that?

アマンダ、真剣にがっかりしています(笑)怒っている?

Just like that? は、吹替え訳のとおり、「ウソでしょ、そんなあっさり?」。

例)
- ... And she fired me.「…というわけで、クビになったの。」
- Just like that?「そ、そんなに簡単に?」
- Just like that.「うん、そんなに簡単に(^^;」


マーク: 気にしないで、アンタは悪くない。私よ。
Sweetie, it's not you. It's me.

また出ました、it。この it を直接“指す”言葉は、この会話の中にはありませ
ん。it が何かは、「状況から推測するしかない」のでしたね。

問題)では、このセリフの it の内容は?




























答え)「落ち度がある人・もの」、または、「こうなった原因」。

It's not you; (but) it's me.「悪いのは、アンタじゃない。悪いのは私。」

吹替え訳も、ほぼこの通りになっていますね。

3つ前のセリフに、We're over.「私達2人(の仲)は、終わった」という言葉
が出てくるので、it の内容をさらに詳しく確定できます。しかし、それそのも
のが it なのでなく、「プラス、そうなった原因は・・・」ということまで含む
のが、ここの it です。最終的には、文脈から推測しないといけないんですねえ。

とっても大変そうな it。ためいき、ですねえ・・・。

でも、it が指す“ばくぜんとした状況”には傾向があります。それは、何らか
の意味で、

    ┌────────────────┐
    │   犯人さがし・答えさがし   │
    └────────────────┘

だということ。

上のセリフの it は、まさに「犯人」、または、「悪い結果になった原因」です
ね。

また、以前の「ベティ」から、クレア・ミードの「フェイ・サマーズを殺したの
は私」(It was me.)という衝撃の告白もありました。これは、「殺したのは
誰?」という問題を想定して、答え(it)を言っているんですね。

もちろん、殺人のことなんて相手の念頭にないのに、いきなり、It was me.「私
だったの。」と告白しても、It was me... what?「何が、私だったの?」と聞き
返されます。そういうときは、It was me who killed Fey Sommers. と補充説明
することになります。

それから、it は、悪いことばかり指すのではありません。

今日の最初のほうのセリフに、「えっ? だって、いま話してるのは(=it)あ
なたのママのことでしょう?」(It's your mother.)というのがありました。
これは、「いまのトピックの中心は?」という問題を言外に想定して、その答え
(it)を自分で言っています。

電話をかけて、「ぼくだよ。」と名乗るのは、何と言うのでしたか?

It's me. でしたね。これは、「君にいま電話をかけているのは誰か?」、「謎
の人物は?」という問題を想定して(←これは、状況から明らかですね!)、君
の相手(it)は、「ぼくだよ。」と、答えを言っています。

この It's me. は、ドアをノックして、「ぼくだよ。」と名乗るときも、同じ。
「いまドアを叩いているのは誰?」と問題を作り→ その答え(it)は、「ぼく
だよ。」と、自分で答える構造です。


・・・さあて、ようやく、it を説明し尽くした感じです。むずかしかったです
か? なんとなく、「こんな感じ?」と思っていただければ、結構です。あとは、
映画や海外ドラマで it が出てくるたびに、「この it は何? どういう問題を
想定している?」と自問していただければ、身に付いてきますから!(^▽^)


のこりの3つのセリフは、訳だけ書いておきますね。

アマンダ: 当たり前でしょ! ありがたいと思いなさい。芝居でも、こんな美
人とつきあえたんだから。
Oh, you are damn right that it's you. I am the best pretend girlfriend 
you'll ever have.
マーク: 私だって、アンタが妊娠した芝居、手伝ったでしょ!
Mandy... We'll always have that fake pregnancy scare.
アマンダ: あれは芝居じゃなかったのよ。ただ、アンタの子じゃなかっただ
け!
Oh, that was a real scare, you idiot. It just wasn't yours!



おつかれさまでした! きょうも「補足」が3つあります。別な日でもよいので、
読んでみてくださいね。


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補足 もう1つの「探す」=search
────────────────────────────────────

「探す」は look for以外に、search というのが、会話ではちょくちょく登場し
ます。これは、look for よりも気合いを入れて探す場合に使います。

使い方が少し変わっていて、search the house「家の中を探す」というように、
“探す場所”が目的語になります。

さらに、“探している対象”を付け加えることもできます。

例)
search the house for clues
「家の中に手がかり(clues)がないか探しまわる」

for +“探している対象”、です。

ちなみに、search を名詞として使うと、パソコンの「検索」や、消防のレス
キュー隊が行う「捜索・救助活動」(search and rescue)も指します。

あと、海外ドラマでよく出てくる search warrant。「“捜査”令状」とよく訳
されますが、search には事件の“捜査”という意味はありません(!)。

   ### 「捜査する」は、investigate です。
   ### 現場検証、聞き込み、容疑者の取り調べ、推理など、
   ### 犯人逮捕につながるすべての活動を含みます。

search は、その捜査のごく一部で、単に証拠を“探すこと”です(“検索”、
“捜索”)。

したがって、search warrnat は正しくは「“捜索”令状」で、その法律的な意
味は、「特定の“場所”を捜索する権限を与える裁判所の許可状」です。場所を
目的語に取る、動詞 search の特徴がよくあらわれていると思いませんか。


────────────────────────────────────
補足 「将来の行動(・出来事)」をあらわす3つの形
────────────────────────────────────

“もう確定しているスケジュール”は、現在進行形(is 〜ing の形)で、これ
と使う場面がオーバーラップするのが、is going to 〜 ・・・だと、上で説明
しました。もう一度、まとめておきましょう。

2つの違いは、is 〜ing のほうが“確定”度が高いこと、です。

   ・is 〜ing(現在進行形)は、“事実”
   ・is going to 〜 は、“予定”(主語が I, you なら“つもり”)

だと、区別することができます。

さらに、is going to 〜 と、使う場面がオーバーラップするのが will です。
2つの違いは、

   ・is going to 〜 は、会話の時点より前に決まっていた予定
   ・will 〜 は、会話の時点で「じゃあ、こうします」と決めた予定

ただし、is going to 〜の守備範囲でも、動詞が be のときは will be となる
場合が多くなります。(口調の関係から)


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補足 tell と say------2つの「言う」
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tell と say の本当の違いは、言葉のもともとの意味にあります。

   ・tell のコアの意味= 「伝える」
   ・say のコアの意味= 「発言する」

(1) tell は、「伝える」・・・なので、
   ・tell the truth「真実を伝える」
   ・tell you the truth「あなたに真実を伝える」
 などの目的語のパターンがあるわけです。(伝える内容、伝える相手)
 
     ### ここの you は、「あなたを」でなく「あなたに」という
     ### 間接目的語。

 また、訳としては、「言う」以外に、「話す」、「伝える」などがありえます。

一方、

(2) say は、「発言する」・・・なので、
 「発“言”する」→ 言う“言葉”に焦点が当たります。つまり、
 発言する言葉(セリフ)そのものしか目的語になりません。
   ・Say, "I love you."「“愛してる”と言って。」
   ・Say hello to your mom.「お母さんに“こんにちは”と言って。」
      →「お母さんによろしくね。」という慣用フレーズ。

 say は、発言するセリフそのものが目的語なので、
   (×)Say the truth.「本当のことを言って。」
 の the truth(真実)のような目的語は取りません。
 (それは、tell の専売特許です。)

 say の訳は「言う」、これ一本です。


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きょうのシーン、英文だけのスクリプト
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AMANDA: Hey, I've been looking for you. Look what I've just scored.
        New Prada store is opening tonight. Steve Aoki is DJ-ing. 
        Meet up for drinks beforehand?
MARC:   Can't. I have plans.
AMANDA: Who is he?
MARC:   My mother. She's in town for another one of her stupid cat 
        shows. It's disgusting-- her and a bunch of fancy pussycats.
AMANDA: Well, don't worry. I'll skip Prada. Your "girlfriend" is 
        reporting for duty. 
        So, where are the three of us going to dinner?
MARC:   Actually, you're not coming.
AMANDA: What? But it's your mother. I'm the love of your life, remember?
MARC:   You're officially released from beard duty. Consider yourself 
        "shaved."
AMANDA: Wait, what are you saying? Did you actualy tell your mother 
        that you are a ho--
MARC:   No, it's just... I've been telling her you were my girlfriend 
        for a few years now, and she's starting to pressure me to buy 
        the cow.
AMANDA: So, you're saying we're over... and I'm fat?
MARC:   No, just over.
AMANDA: Just like that?
MARC:   Sweetie, it's not you. It's me.
AMANDA: Oh, you are damn right that it's you. I am the best pretend 
        girlfriend you'll ever have.
MARC:   Mandy... We'll always have that fake pregnancy scare.
AMANDA: Oh, that was a real scare, you idiot. It just wasn't yours!


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いかがでしたか。最近は it や時制など、抽象的なトピックが多くて、英会話初
心者の方にはきつい内容になっているかもしれません。(ごめんなさい)。そう
いうときは、むりして理解しようとせず、フレーズや単語など、比較的かんたん
にピックアップできるものだけ、“つまみぐい”しておいてくださいね!

it や時制の使い分けは、勉強がもう少し進むと、かならず突き当たる問題です。
「いろいろ調べたけど、どこにも答えが書いてなーい!」と、どんどんモヤモヤ
がたまってくる・・・そんなときに、もう一度、このメルマガを読んでみてくだ
さい。(それまで保存しておいてね!)

英語、たのしんで! Good luck with your English!


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◆今回のメルマガが発行できたのは、「キョロちゃん」さんのおかげ。私が録画
をミスして、日本語音声が録音できていなかったので、掲示板で助けを求めまし
た。それを見て、読者の1人、「キョロちゃん」さんが日本語のセリフを書き
取って送ってくださったのです!

本当にありがとうございました。m(_ _)m

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