太宰治作品のコトバ2003 …… 春 |
| 2003年5月28日(水) [作品]斜陽
[初出]『新潮』昭22年7〜10月号
コスチウムは、空の色との調和を考へなければならぬものだといふ大事なことを知らなかつたのだ。
|
| 2003年5月21日(水) [作品]ダス・ゲマイネ
[初出]『文芸春秋』昭10年10月号
ごらん下さい、私はいまかうしてゐます、ああしてゐますと、いちいち説明をつけなければ指一本うごかせず咳ばらひ一つできない。いやなこつた!
|
| 2003年5月14日(水) [作品]津軽
[初出]小山書店刊・昭19年11月
津軽人の愛情の表現は、少し水で薄めて服用しなければ、他国の人には無理なところがあるかも知れない。
|
| 2003年5月7日(水)[作品]待つ[初出]『女性』(博文館)所収・昭17年6月
世の中の人といふものは、お互ひ、こはばつた挨拶をして、用心して、さうしてお互ひに疲れて、一生を送るものなのでせうか。
|
| 2003年4月30日(水) [作品]炎天汗談 [初出]『芸術新聞』昭17年7月
修業といふ事は、天才に到る方法ではなくて、若い頃の天稟のものを、いつまでも持ち堪へる為にこそ、必要なのです。
|
| 2003年4月23日(水) [作品]おさん [初出]『改造』昭22年10月号
男の人つて、死ぬる際まで、こんなにもつたい振つて意義だの何だのにこだはり、見栄を張つて嘘をついてゐなければならないのかしら。
|
| 2003年4月16日(水) [作品]散華 [初出]『新若人』昭19年3月号
そのやうな厳粛な決意を持つてゐる人は、ややこしい理窟などは言はぬものだ。激した言ひ方などはしないものだ。つねに、このやうに明るく、単純な言ひ方をするものだ。
|
| 2003年4月9日(水) [作品]走れメロス [初出]『新潮』昭15年5月号
間に合ふ、間に合はぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もつと恐ろしく大きいものの為に走つてゐるのだ。
|
| 2003年4月2日(水) [作品]新郎
[初出]『新潮』昭17年1月号
疑つて失敗する事ほど醜い生きかたは、ありません。
|
| 2003年3月26日(水) [作品]徒党について
[初出]『文芸時代』昭23年4月号
かへつて、内心、頼りにしてゐる人間は、自分の「徒党」の敵手の中に居るものである。
|
| 2003年3月19日(水) [作品]満願 [初出]『文筆』昭13年9月号
私は愛といふ単一神を信じたく内心つとめてゐた。
|
| 2003年3月12日(水) [作品]冬の花火 [初出]『展望』昭21年6月号
いまは誰でも自分たちの一日一日の暮しの事で一ぱいなのでせう?
|
| 2003年3月5日(水) [作品]一灯 [初出]『文芸世紀』昭15年11月号
持物は、神から貰つた鳥籠一つだけである。つねに、それだけである。
|