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太宰治作品のコトバ

 2004 ……


 

2004年8月25日(水) [作品]チヤンス [初出]『芸術』昭21年7月付発行

    

   

心に色欲の無い時は、凄いほどの美人と膝頭を接し合つて四時間も座つてゐながら、それに気がつかない事もあるのだ。

    

    

 

2004年8月18日(水) [作品]如是我聞 [初出]『新潮』昭23年3〜7月号

    

   

はりきつて、ものをいふといふことは無神経の証拠であつて、かつまた、人の神経をも全く問題にしてゐない状態をさしていふのである。

    

    

 

2004年8月11日(水) [作品]風の便り [初出]『文芸』昭16年11月号

    

   

真の尊敬といふものは、お互ひの近親感を消滅させて、遠い距離を置いて淋しく眺め合ふ事なのでせうか。

    

    

 

2004年8月4日(水) [作品]人間失格 [初出]『展望』昭23年6〜8月号

    

   

背後の高い窓から夕焼けの空が見え、鴎が、「女」といふ字みたいな形で飛んでゐました。

    

    

 

2004年7月28日(水) [作品]桜桃 [初出]『世界』昭23年5月号

    

   

女房の身内のひとの事に少しでも、ふれると、ひどく二人の気持がややこしくなる。

    

    

 

2004年7月21日(水) [作品]やはらかな孤独 [初出]『表現』昭23年8月号

    

   

全身、はぢらひでいつぱいだといふ事は、どこにも隙のない証拠ではあるまいか。

    

    

 

2004年7月14日(水) [作品]思案の敗北 [初出]『文芸』昭12年12月号

    

   

路を歩けば、曰く、「惚れざるはなし。」みんなのやさしさ、みんなの苦しさ、みんなのわびしさ、ことごとく感取できて、私の辞書には、「他人」の文字がない有様。

    

    

 

2004年7月7日(水) [作品]フォスフォレッスセンス [初出]『日本小説』昭22年6・7月号

    

   

私は、一日八時間づつ眠つて夢の中で成長し、老いて来たのだ。

    

    

 

2004年6月30日(水) [作品]斜陽 [初出]『新潮』昭22年7〜10月号

    

   

私は、戦争の追憶は語るのも、聞くのも、いやだ。人がたくさん死んだのに、それでも陳腐で退屈だ。

    

    

 

2004年6月23日(水) [作品]花燭 [初出]竹村書房刊・昭14年5月

    

   

自然には、かなはない。

    

    

 

2004年6月16日(水) [作品] [初出]『新潮』昭22年3月号

    

   

私は、ひとの容貌や服装よりも、声を気にするたちのやうである。

    

    

 

2004年6月9日(水) [作品]HUMAN LOST [初出]『新潮』昭12年4月号

    

   

私の辞書に軽視の文字なかつた。

    

    

 

2004年6月2日(水) [作品]正直ノオト[初出]帝国大学新聞昭14年5月15日

    

   

芸術に、意義や利益の効能書を、ほしがる人は、かへつて、自分の生きてゐることに自信を持てない病弱者なのだ。

    

    

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