太宰治作品のコトバ2004 …… 春 |
| 2004年5月26(水) [作品]たづねびと
[初出]『東北文学』昭21年11月号
ああ、人間は、ものを食べなければ生きて居られないとは、何といふ不体裁な事でせう。
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| 2004年5月19(水) [作品]お伽草紙/カチカチ山 [初出]筑摩書房刊・昭20年10月
女性にはすべて、この無慈悲な兎が一匹住んでゐるし、男性には、あの善良な狸がいつも溺れかかつてあがいてゐる。
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| 2004年5月12(水) [作品]春の枯葉
[初出]『人間』昭21年9月号
津軽の春は、ドカンと一時にやつて来るね。
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| 2004年5月5(水) [作品]未帰還の友に
[初出]『潮流』昭21年5月号
僕は自分の悲しみや怒りや恥を、たいてい小説で表現してしまつてゐるので、その上、訪問客に対してあらたまつて言ひたい事も無かつた。
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| 2004年4月28(水) [作品]パンドラの匣 [初出]『河北新報』昭20年10月22日〜昭21年1月7日
虫や小鳥は、生きてうごいてゐるうちは完璧だが、死んだとたんに、ただの死骸だ。
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| 2004年4月21(水) [作品]碧眼托鉢
[初出]『日本浪曼派』昭11年1月号〜3月号
苦しみ多ければ、それだけ、報いられるところ少し。
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| 2004年4月14(水) [作品]斜陽 [初出]『新潮』昭22年7〜10月号
海は、かうしてお座敷に坐つてゐると、ちやうど私のお乳のさきに水平線がさはるくらゐの高さに見えた。
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| 2004年4月7日(水) [作品]人間失格 [初出]『展望』昭23年6〜8月号
ああ、人間は、お互ひ何も相手をわからない、まるつきり間違つて見てゐながら、無二の親友のつもりでゐて、一生、それに気付かず、相手が死ねば、泣いて弔詞なんかを読んでゐるのではないでせうか。
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| 2004年3月31日(水) [作品]善蔵を思ふ [初出]『文芸』昭15年4月号
故郷の雰囲気に触れると、まるで身体が、だるくなり、我儘が出てしまつて、殆ど自制を失ふのである。
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| 2004年3月24日(水) [作品]如是我聞 [初出]『新潮』昭23年3〜7月号
本を読まないといふことは、そのひとが孤独でないといふ証拠である。
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| 2004年3月17日(水) [作品]女類 [初出]『八雲』昭23年4月号
じつさい、自惚れが無ければ、恋愛も何も成立できやしません。
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| 2004年3月10日(水) [作品]HUMAN LOST [初出]『新潮』昭12年4月号
かりそめの、人のなさけの身にしみて、まなこ、うるむも、老いのはじめや。
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| 2004年3月3日(水) [作品]小さいアルバム
[初出]『新潮』昭17年7月号
いい加減にあしらつて、ていよく追ひ帰さうとしてゐる時に、この、アルバムといふやつが出るものだ。注意し給え。
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