太宰治作品のコトバ2001 …… 夏 |
| 2001年8月29日(水) [作品]右大臣実朝 [初出]錦城出版社刊・昭18年9月
あんな、生れてから一度も世間の苦労を知らずに育つて来た人たちには、へんな強さがある。
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| 2001年8月22日(水) [作品]葉 [初出]『鷭』昭9年4月号
ほんたうに、言葉は短いほどよい。それだけで、信じさせることができるならば。
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| 2001年8月15日(水) [作品]お伽草紙/浦島さん [初出]筑摩書房刊・昭20年10月
人生には試みなんて、存在しないんだ。やつてみる(原文は傍点)のは、やつたのと同じだ。
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| 2001年8月8日(水) [作品]女生徒 [初出]『文学界』昭14年4月号
素直に思つてゐることを、そのまま言つてみたら、それは私の耳にも、とつても爽やかに響いて、この二、三年、私が、こんなに、無邪気に、ものをはきはき言へたことは、なかつた。
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| 2001年8月1日(水)[作品]家庭の幸福[初出]『中央公論』昭23年8月号
家庭の幸福は諸悪の本(もと)。
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| 2001年7月25日(水) [作品]斜陽 [初出]『新潮』昭22年7〜10月号
さうして毎日、朝から晩まで、はかなく何かを待つてゐる。
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| 2001年7月18日(水)
[作品]春の盗賊[初出]『文芸日本』昭15年1月号
あたりまへの、世間の戒律を、叡智に拠つて厳守し、さうして、そのときこそは、見てゐろ、殺人小説でも、それから、もつと恐ろしい小説を、論文を、思ふがままに書きまくる。
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| 2001年7月11日(水) [作品]富嶽百景[初出]『文体』昭14年2、3月号
富士にたのまう。
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| 2001年7月4日(水) [作品]徒党について [初出]『文芸時代』昭23年4月号
どだい、この世の中に、「孤高」といふことは、無いのである。孤独といふことは、あり得るかもしれない。いや、むしろ、「孤低」の人こそ多いやうに思はれる。
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| 2001年6月27日(水) [作品]チヤンス [初出]『芸術』昭21年7月号
少くとも恋愛は、チヤンスでないと思ふ。私はそれを、意志だと思ふ。
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| 2001年6月19日(火) [作品]桜桃 [初出]『世界』昭23年5月号
子供より親が大事、と思ひたい。
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| 2001年6月16日(土) [作品]風の便り[初出]『文学界』昭16年11月号
生活と同じ速度で、呼吸と同じ調子で、絶えず歩いてゐなければならぬ。
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| 2001年6月12日(火) [作品]人間失格[初出]『展望』昭23年6〜8月号
世間といふのは、君ぢやないか。
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| 2001年6月7日(木) [作品]新ハムレツト [初出]文芸春秋社刊・昭16年7月
人を憎むとは、どういふ気持のものか、人を軽蔑する、嫉妬するとは、どんな感じか、何もわからない。ただ一つ、僕が実感として、此の胸が浪打つほどによくわかる情緒は、おう可哀想といふ思ひだけだ。
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| 2001年6月2日(土) [作品]女の決闘 [初出]『月刊文章』昭15年1〜6月号
女は、恋をすれば、それつきりです。ただ、見てゐるより他はありません。
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