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 きのう読んだ本

141‐150-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
 

2007.2.12
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150 田中英光『オリンポスの果実』

を、2月11日22時30分、自宅で読了しました(1951年9月30日新潮文庫)。

昭和15年の作品。ロス五輪の選手である主人公が、アメリカに向かう同じ船の中で好きになった女子選手とのことを、十年後に追憶する手記という形の小説。当時、相手の気持ちが分からずに、悶々としていた主人公は、妻子がいる十年後の現在も、「あなたは、いったい、ぼくが好きだったのでしょうか。」と手記の最期に書いている。こう問い続けていたと想像される、十年の歳月の長さが、読後の不毛感を誘うのだろうか。

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2007.2.6
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149 辻原登『村の名前』

を、2月5日12時30分、Rカレー店(キーマカレー735円)で読了しました(1993年8月10日文春文庫)。

主人公の商社マンは、中国の「桃花源」という名前の村で、迷路に迷い込んだような状態に陥るが、それはいまでも彼の中に残っている、「少年時のあらゆる不安」(99ページ)が見させた夢の世界なのかもしれない。カフカの小説を読んでいるような、息苦しい気分にさせる。

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2007.1.30
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148 吉本隆明『真贋』

を、1月28日12時10分、自宅で読了しました(2007年2月22日講談社インターナショナル刊・1680円)。

これから生きていくための、たくさんの知恵を授けてもらった気がする。たとえば、「赤ん坊や幼児のときに築かれたものが表に出てくるかどうかは、結婚でもして二四時間いつも一緒に過ごしていなければわからないでしょう。逆に言えば、普通の大人の関係の持ち方というのは、意識的に自分を変えた部分だけで間に合っているわけです。」(192ページ)という見解などには唸ってしまう。そして、文明や科学が発達していく一方で、人間の愚かしさもまたとめどなく大きくなっている(26ページ)、思想や政治よりも人間の本質が問われる時代になった(231ページ)という指摘には、気持ちが引き締まる思いがする。

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2007.1.26
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147 臼井吉見『一つの季節』

を、1月25日20時40分、自宅で読了しました(1975年11月20日筑摩書房刊)。

モデル小説。「鳴海透」を太宰治、「野々山一作」を古田晃、「多田亮平」を臼井吉見などと、いちいち読み替えながら読んでしまうので、著者の意図に反して、実在の人物と距離をおく読み方はできないような気がする。

▲『一つの季節』は絶版ですが、サイト「日本の古本屋」で見つけることができるかもしれません(2007年1月26日現在:20件あり)。
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2006.12.28
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146 フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(村上春樹訳)

を、12月27日21時50分、自宅で読了しました(2006年11月10日中央公論新社刊・861円)。

語り手の「僕」は、ギャツビーの謎めいた生活と性格に引きつけられるが、たった一つの夢を長く生きすぎたために、最後は高い代償を支払わなくてはならなくなったギャツビーの姿を見て、夢と現実に引き裂かれる。語り手の「僕」といっしょに、ギャツビーを追いかけながら、いつの間にか「僕」の心の動きに共感していた。

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2006.12.24
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145 吉本隆明・笠原芳光『思想とはなにか』

を、12月22日22時30分、自宅で読了しました(2006年10月30日春秋社刊・1890円)。

文学、宗教、政治、社会における思想について、語りあった本。色々なことを語ろうとしすぎているためか、輪郭がはっきりしないという印象を否定できなかった。

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2006.12.22
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144 田中和生『新約太宰治』

を、12月21日20時30分、自宅で読了しました(2006年7月14日講談社刊・2100円)。

太宰治に宛てた著者の架空の手紙があったり、突然語り出す井伏鱒二の話があったり、著者以外の者が太宰を語る言葉があったり、著者の津軽旅行記があったりと、太宰のイメージを敢えてたくさんの言葉によって拡散させようとしている試みに興味を持った。

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2006.12.11
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143 伊藤礼『こぐこぐ自転車』

を、12月9日23時20分、自宅で読了しました(2005年12月16日平凡社刊・1680円)。

著者は七十手前で、偶然、自転車に乗るようになったというが、この本には自転車で走ることによってしか見えてこない、独自な世界が生きいきと描かれている。自転車には快感を自力で得ているという、魔力があることがよく分かる。共感して、何度も笑ってしまった。

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2006.11.26
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142 吉本隆明(聞き手=今野哲男)『生涯現役』

を、11月25日21時20分、つくばエクスプレスの車中で読了しました(2006年11月20日洋泉社新書・819円)。

自然に老いるためには、何かやることが残っているという状態に自分を置くことと、身体を動かすことをやめないことが必要で、そうでないと自然以上にはやく老化すると説いている。著者はご老人たちの気持ちを少しでも代弁したいと語っているが、読む者を勇気づけてくれる本だ。

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2006.11.19
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141 村田喜代子『名文を書かない文章講座』

を、11月18日11時40分、自宅で読了しました(2000年10月13日葦書房刊)。

この本を読むと、文章を書くことに対する抵抗感が軽減されるが、それは文章技術以上に、「書こうとするときの心の在りよう」(284ページ)が説かれているからだと思える。文章を書くのに役に立った、唯一の本と言っても言い過ぎではないような気がする。

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