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 太宰治論を読む - 坂口安吾著

2003年4月11日
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4 坂口安吾「太宰治情死考」  『堕落論』新潮文庫2000年6月1日所収
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この文章が書かれたのは1948年(昭和23年)。

坂口安吾はこの文章で、太宰が女と情死したことに触れ、「こんなことは、問題とするに足りない。作品がすべてである。」(140ページ)と書いている。そうかもしれないと思う。

でも思う。「作品がすべてである」というのは、その作家本人と近親の者にとっても真実だろうか、と。同じ本に収められている「教祖の文学/小林秀雄論」で、安吾は、「作家にとって大切なのは言うまでもなく自分の一生であり人生であって、作品ではなかった。」(127ページ)と書いている。作家の妻や子にとっても、作家であることより、夫や父であることの方が大切なのではないか。

読者にとってはどうか。作家のことがその作品以上に、気になることがある。でも、作家が自分の人生を大切に思うように、妻や子がその作家を、夫や父として大切に思うように、そんな気持ちで接することはできない。読者にとってはどこまでも、「作品がすべてである」という道を通ってしか、作家に接近することはできないのではないかと思う。


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