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 埋草コラム

2000.6.28
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年をとる人・年をとらない人
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何年か前に、
高等学校の同窓会の受付を
引き受けたときのこと。
誰かの、「先生が来た!」という声で、
受付にいた何人かがいっせいに立ち上がったが、
すぐにかつての級友と分かり、
大笑いになったことがある。

30くらいまでは誰もが
均一な年のとり方をするらしいのだが、
40くらいになるとばらつきが生じて、
教えを受けた教師と
見間違えるほどの同窓生も出てくる。
そのことが不思議で仕方なかった。

多田富雄著『免疫の意味論』(青土社)を読んで、
その疑問の半分だけは解けたような気がした。
多田氏は老化を特徴づけるキーワードとして、
不規則性、不連続性、非整合性を挙げている。
個体発生の過程で見られるような
整合性や法則性が、
老いにはないというのだ。
それで、ある人には早く、
ある人には遅く老化がやってくるらしい。

成長の過程はだれもが似通っているが、
老化の過程はそれぞれ異なっている
といっていいのかもしれない。
そしてそこには、
自己を自己たらしめている免疫系が
深く関わっているらしい。

あと半分の疑問は、
年のとり方に、
その人の性格や体験などが
どう関わっているのかということである。
いつまでも変わらない人もいれば、
老け込んで別人のように見える人もいる。
年のとり方を予想するのはとても難しい。


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多田 富雄

4791752430

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