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 埋草コラム

2000.12.6
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本を捨てるとき
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『「捨てる!」技術』という本が売れているというので、
読んでみた。

私も本はなかなか捨てられなかった。
はじめのころは本が増えていくのがうれしくて、
書棚にキチンと並べては
満足して眺めていた。

あるとき、
部屋のスペースがせまくなってきたこともあって、
まとまった量を思い切って捨てた。
そうしたら、
思いのほか気分がすっきりした。
いまではある程度たまると、
あまり抵抗を感じないで捨てることができる。

本を捨てたことで、
本以外の何かを捨てたのだと思う。
すっきりしたあの気分は、
そのせいに違いない。
荷物をかたづけて、
スペースが広がったからというのとは、
すこし違うような気がする。

本といっしょに、
「本を捨てることができない私」を
捨てたのではないかと、
私はニラんでいる。
そして、
「本を捨てることができる私」を
得たのだと思う。
失ったものよりも得たもののほうが大きい。
すっきりした感じはそのためかもしれない。

大切にしていた本を捨てるときの、
ちょっと寂しいあの感じが、
私なんかはけっこう好きです。

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