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 埋草コラム

2001.4.9
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スレスレの快感
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テレビなどで、
東南アジアの街の様子を見ていると、
電車が建物や屋台や人のすぐそばを、
ぶつかりそうになりながら
走っていることがある。
電車の方に建物が近づいてきたのか、
建物のすぐそばに
レールが敷かれるようになったのかは
はっきりしないが、
こんなふうに、
スレスレのところを
電車が走り抜けて行くのを見ると、
何かぞくぞくする快感を覚える。

こんなことを夢想することがある。
白神山地のような原生林の中を、
木々にぶつかりそうになりながら、
スレスレに電車が走っている。
窓から手を伸ばせば、
ブナの葉に触れることができそうだ。
レールは木立の中に、
自然物のようにひっそりと、
敷かれていなければならない。

あるいはヨーロッパの、
昔からある大きな町。
古色蒼然とした建物と建物の間を、
細い路地がどこまでも続いている。
そこを小さなバスが、
壁にぶつかりそうになりながら、
スレスレに走っている。
そういうのって、
考えただけでもうれしくなってしまう。

どうでもいいことかも知れないけれど、
狭い空間をこんなふうに、
スレスレに走っていくものって、
私にはとても懐かしい感じがするのですが。

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