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 埋草コラム

2002.3.1
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ただいま1.5倍速(速読1)
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時間がなくて本が読めないなら、
どこかに読書の時間を作り出すしかない、
という発想しか持たなかった。
睡眠時間を削るとか、
食事しながら読むとか、
そんなことしか思いつかなかった。

速く読めばいいじゃないか。
新聞の小さな囲み記事から、
そういうことにはじめて気づいた。
そうか、速く読めばいいのか。
2倍の速さで読めば、2倍読める。
3倍なら、3倍……。
読書時間を増やさなくても
いいのかもしれない、と。

速読術というのがあることは知っていたが、
切実な関心を持ったことはなかった。
さっそく、
佐々木豊文著『速読の科学』(カッパブックス)を
読んでみた。
そして、
頭の中で音読しないこと
速く読もうとすること

この二つのことを意識するだけで、
それまでの1.5倍ほどの速さで
読むことができることを実感した。
しかも集中して読むようになるので、
内容の理解も向上したように思えた。
いままで、
ずいぶん損してきたなと思う。

新聞を読むときには気にならないテレビの音が、
本を読むときには
気になって仕方がないことがある。
また、
立ち読みとか電車の中のほうが、
書いてあることがすーっと、
頭の中にうまく入ってくることがある。
このことがずっと不思議だった。

構えてしまうこと、
そのことがかえって、
集中力を殺いでしまうのではないか。
机の前で、
読むぞなんて気負ってしまうと、
かえって気が散ってしまう。

構えないで読むことができれば、
もっとうまく読書ができるのではないか。
では新聞を読むように、
立ち読みや電車の中で読むように、
気軽に読むにはどうしたらいいか。

構えなくてもいい場所で読むこと、
それだと思った。
机の前ではなくて、
喫茶店や電車の中、
そういうところのほうがいいと気がついた。
でもそういう場所に、
いつもいるというわけにもいかない。

「力が入る」ことが原因なら、
「力を抜く」ことを身につければ
いいのではないか。
ところが、
「力を入れる」ことは簡単でも、
「力を抜く」ことはすごく難しい。
でも、無駄な力は抜けていないと、
本当の力を力として発揮できない。
「力の抜き方」の技術が、
いちばん難しいのかもしない。
緊張したり、
カチカチに堅くなったり、
どきどきしたり、
ということにはすぐなるのに、
リラックスするのは難しい。

「力を抜く」ことができてから
読書しようとするから、
うまくいかないのかもしれない。
読むことがそのままで、
「力を抜く」ことにつながるような、
そんな読書の方法があれば
いちばんいいに決まっている。

『速読の科学』を読んで、
またこの本にある
速読のためのレッスンを試みて、
けっこう速く読めるようになったと
実感している。
新聞だったら、
2倍位の速さで読めるようになったのではないか。
集中して読めるので、
内容もよく理解できるし、
読後感が希薄になるということもない。
そこでこんなことを考えた。

速く読むこと、
それがうまくできれば、
自然に「力を抜く」ことができるし、
気が散らないで集中できるのではないか。
読むのが遅いと、
読むという行為に隙間ができてしまって、
そこから外界の音や気配が
侵入してくるのではないか。
気が散るというのは、
そういうことではないか。

頭の中で音読すること、
それが速く読むのを阻害している
主因だというけれど、
それを止めようと意識するだけで、
けっこう速く読めるようになる。
もちろん、
すぐ止めることなどできないけれど、
普段からそれと似たようなことは
けっこうやっているのに気がついた。

本屋でパラパラと拾い読みしているとき、
忙しくて新聞の見出しだけをざっと見ているとき、
自分の書いた文章を読み返しているとき、
こんなときは
速読と似たような読みかたをしている。
立ち読みとか電車の中のほうが、
書いてあることがよく理解できる、
ということの謎が解けたような気がした。
なぜなら、
そんなときにはあまり音読しないで、
集中しながら、
スピードを上げて読んでいるのだから。

それと、
副産物といっていいかもしれないけれど、
目玉の動きがとてもスムーズになった。
目玉を上下や左右に
動かす練習を少ししただけで、
目玉というのは
随分よく動くようになるものだと
感心している。
視野が広くなったようで、
クルマの運転も楽になった。
なんとなく視力もよくなったような気がしている。

手応えをつかんだので、
無料で提供されている
SRRという速読術訓練ソフトを使って、
もう少し本格的に取り組んでみようと思っている。
また報告します。


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佐々木 豊文
4334060943

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