「長さんと半さん」という人物

「長短」という落語の登場人物です。気が長いのが上方風の長さん。気が短いのが半さん。
この二人がくり広げる面白さが「長短」という落語です。
気が短いというのは、やはり江戸っ子気性でしょうか。口調も何も正反対ですからね、長さんはいらいら
続きですしね。天気の話題をするにも、昨夜のトイレから切り出す半さんですし、戸を開けるにも時間が
かかる。流れている時間が違っているのではないかと思わせるほどの開きです。
十人寄れば気は十色といいますが、顔も違えば気性も違う。本人は十分に自覚しているのですけど、
妙に付き合って行けるというわけ。
煙草ひとつ吸うのにも全くペースが合わない。
長い事時間をかけて煙草を一服やる長さんと、あっという間に一服する半さん。
子供の頃から友達というけれど、本当かなあと思わせられます。
現代人は気が短くなっているようですね、何しろ多忙でやることが一杯ある。時間が足らない。
江戸っ子と同じに二十四時間しかないのだけれどね。
こうなると未来の人間はどうなることやら。
気を長くして暮らしてみたいですね。そうやって暮らせる事は贅沢となる時代が来る事でしょう。
新幹線や飛行機を使うのが貧乏人でして駕篭で東海道を行くのが金持ちということに。
時間をたっぷり使う事ができるのは贅沢の極みという時代がきています。
仕事をさせたら長さんはお断りですけど、人生を長く生きるのは長さんでしょうね。
半さんは江戸っ子タイプで酔い越の銭はもたない人物。仕事も速いが気も早いてな具合です。
この二人が子供の頃からずっと付き合ってきたというから世の中面白いですよ。
「長短」という落語は先代の雷門助六師匠の得意ネタでした。小三治師匠もやっています。
人物描写のわかりやすい噺ですから、多くの噺家さんがネタにしているでしょうね。
「長命」や「短命」という落語がありまして、「長短」と間違えられます。
長さんと半さん。現代でも同じような人がいそうですね。