落語ネタの不思議なお話「睨み返しと言訳座頭」

 

「掛け取り」という落語があります。内容は知っていらっしゃる方が多いでしょう。「つけ」で物を買うという取引ですね。

現代でも「飲み屋のつけ払い」などはありますが、現金支払かクレジット支払が一般的でしょう。長期ローンなども

ありますね。月末決済が普通ですね。しかし江戸の街などは年末決済だったようです。大晦日にまとめて払う。

「掛け」で買うので月末や大晦日には「取立て」に来るわけですね。きちんとお金を用意していればいいのですが

お金がなくて支払に困るという庶民がいて当然ですね。落語「掛け取り」にはその様子が語られます。

三代目 三遊亭金馬師匠の「狂歌家主」などにも借金を遅らせて支払うための知恵をどう働かせるかが伺えます。

なんとか言いくるめて「掛け取り」を返す試行錯誤をすることになるわけですね。

「掛け取り」に対してどんな断り方をするかが面白いところですよ。

相手の弱点を利用するというのが一つの方法です。

狂歌が好きな大家が家賃の取立てに来る。そこで色々な狂歌を披露してうまく言いくるめて返してしまう「狂歌大家」

芝居好きな者には芝居仕立てで交渉し、喧嘩好きな者には喧嘩口調でまくしたてる。なかには旦那が死んだと

いってね、旦那がお棺桶に入っているなどという者もいたりします。

そんな中で「掛け取り」撃退を商売にする輩がでてくる。その連中を描いたのが「睨み返し」「言訳座頭」ですね。

この噺は内容が同じといえます。「睨み返し」は「掛け取り」がくるとね、何も言わずにただ睨むだけですよ。

だまってじっと睨む。こうされると「掛け取り」の方は対応に困ってくる。なにを言っても睨まれるだけですからねぇ。

しかたがないからあきらめて帰るしかない。「言訳座頭」の方はそうではなくて、とにかく言訳の上手な座頭さんがいて

いくらか手数料を渡してね。「掛け取り」を会話でごまかしてしまうということに・・・・・。

何人か終わると最後は自分の「掛け取り」の断りに帰っていくというわけです。

現代ですと謝金取りが悪辣な手段で取り立てるわけですが。江戸の頃はそうでもないようですね。

 

 

 


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