落語ネタの不思議なお話「一眼国」

江戸では本所回向院界隈は賑やかでしてね。色々な見世者小屋がでておりました。この辺のことは「夜店風景」や
「がまの油」などという落語にて描写されておりますね。
見世物といっても大概がまがい物です。江戸の人もそれを知っていて入ったようですねぇ。
「六尺の大イタチ」なんていうからさぞ大きなイタチが檻の中にでも入れられていいるのかと思うと、大違いでして
六尺の大きな板の中央に血が付いておりましてね、これで「六尺の大イタチ」ってわけです。
「世にも不思議なベナ」なんてのがありますが、「鍋」をひっくり返しているだけだったり、「大猿子猿」なんてのはねぇ、
大きなざると小さなざるがおいてあったという様なことでして好い加減なものでした。
さて、こんな小屋主の男。何か面白い見世物はないかと思案している。
諸国を巡る六分に会ってね。何か珍しいものが無いかと尋ねます。
一儲けしようと考えたのですね。
すると、百二十里くらい行ったところに大きな原があって見渡す限りの草原だけど、大きな楠木があったそうです。
人家はなく、一晩の宿に困ったあげくに、この楠木のところにくると子供が現れたのです、ところがこの子供は一つ目
だったそうで、恐ろしかったというのですね。
さぁこの話を聞いて小屋主の男は捕まえてきて見世物にしたら大儲けと考えます。
早速出かけました。六分の言うように歩いていきますと案の定大きな草原があって楠木がある。
近づいていくと子供がいてね、一つ目でした。江戸に連れ帰ろうとして子供を抱えて去ろうとしたのですが、どこから
ともなく大人たちがやってきて捕まってしまいます。人さらいということでつるし上げられます。
番所のようなところに連れてこられまして役人の前に突き出された。
「この不届き者!顔を上げよ。・・・・おっ二つ眼ではないか。よし。連れて行って見世物にしろ!」
木乃伊取りが木乃伊になったというようなことでしょうか。
なるほど「猿の惑星」では人間が異端ですからね。