落語ネタの不思議なお話「蛇含草」

「そば清」という落語がありますが、ほぼ同じような内容ですね。「蛇含草」の方はお餅が題材です。
「そば清」は「蕎麦」ということになります。どちらも大食いの人物の噺でしてね。
落語のには「大蛇」があちこちで出てきます。「うわばみ」などと言われております。
「田能久」でも出てきますよ。「夏の医者」にも登場します。人間を一のみするような大蛇ですよ。
にしきへびでしょうかね。
「うわばみ」には弱点があります。それは「煙草のやに」ですね。蛇ですからね。
やにが体につくとそこから腐ってしまうと言われています。
この「うわばみ」は山の中で道をふさいで立ちふさがったりします。
人を呑み込むとさすがに「うわばみ」でも腹が苦しいのですが、「蛇含草」という草の花をなめると呑み込んだ
人がきれいに溶けてしまうのだそうですな。
餅が大好物の男。ご隠居のところに言ってみると五十個の餅がついてあった。
「こんなもの、全部たいらげるのは朝飯前だ。」なんかとか言ってえらく威勢の良い啖呵を切るものだから
ご隠居さんも興奮しましてね。
「なら。やってもらおうじゃねぇか。」
ということになった。
最初の十や二十はなんてことはない。色々な食べ方などをみせて余裕でどんどん食べていたのですが、
さすがに三十、四十となり五十に近づいてくると苦しくなってきます。
ペースはどんどん落ちてきまして、やっとのことであと二つというところまでこぎつけた。
でももう相当きつくなっていますよ。喉まですっかり詰まってしまい、下を向くと吐き出しそうな状態です。
体を上下にゆすってね、餅を下のほうに下げようなんてことをやってね、ようやく全部食べてしまいました。
隠居さんのところから帰るときも上を向いたままです。ようやく自宅に着いて布団を敷かせて寝てしまう。
苦しいので、懐に持っていた「蛇含草」を飲みます。
しばらくして、寝床があまりにも静かなので女房が心配をして覗きに行くとね・・・・・・
「餅が着物を着て布団の中にいた。」・・・・・・・・・・という噺ですね。
「そば清」の方は、そばの食べ比べで賭けをしてね。お金をもうけていた清兵衛さんという人物。
四十枚までは平気で食べてしまいます。
旅先で漁師が「うわばみ」に呑み込まれた後に、「蛇含草」で人を溶かしていたのをみて、これを持ち帰った。
そば五十枚を十両を賭けてたべようてんですが。さすがにきついですね。
それでもなんとか五十枚を食べ終わりまして清兵衛さんは縁側にて風にあたりたいからということで、
周りにいた人に手伝わせて縁側に出た。
障子を閉めさせましてね。そっと「蛇含草」をなめます。
縁側に人の気配が無くなったので障子をあけてみると、そばが着物を着て座っていました。
「蛇含草」とは、どんな成分が含まれている薬なのでしょうかね。人だけを溶かすというのだから怖いです。