「落語ネタの不思議なお話……・・子別れ」

腕はいいのだが、仕事は嫌いで酒と女にうつつを抜かし、とうとう女房・子供を追い出して
身請けしたはいいが、「やはり野におけレンゲ草」でなわけで、長続きしない。しまったと
後悔するが後の祭り。すっかり改心して真面目に働き出した。腕はいいのだから稼ぎは
あるとみえて、生活も安定し身なりも良くなった。近所の人たちも、あの間までは気の毒と
番頭さんに何とかしてもらうように頼みに行ったのではないだろうか。この世話役の番頭
さんができた人で、別れた女房・子供がどこに暮らしていて、どんな生活をしているのか
などを調べ上げた。女房の方は旦那の帰りを待っている様子。
「よしっ」と……一計を案じたのだ。木場に一緒に行って木をみてほしいなどと仕事の話を
して、亭主を外に誘い出した。
子供の方は「寺小屋」に通っていて毎日、同じ頃、同じ道で家に帰るから、その途中で
亭主に遭遇させようという計画なのだ。
落語の中では偶然に出会ったような筋運びになっているが、こう勘繰りたくなる。
仕事の話はどうでもいいのだから。
首尾よく、親子の対面となって、女房・子供の現況を知った亭主はよりを戻したいと思うが
自分に非があるので言い出せない。子供を「うなぎ屋」に誘って、そうすりゃ心配で女房も
付いてくるのじゃないかという期待があった。
番頭さんが、この話を聞いてね、こっそり女房の所に行って事情を話してね、なんとなく、
うれすはずかしの女房の気持ちをふっきらせたのはいうまでもない。
こうして、番頭さんの画策が功を奏して目出度く親子は元の鞘に戻った…・とあいなる。
「玄翁をしょってきた子供だから…・…子は鎹」であろうが、近所の人たちや番頭さんの
人情が生んだ噺でした…………という想像を抱いてみました。