落語ネタの不思議なお話「目薬」

落語には奇妙な発想をしたネタが少なくないのですが。よくもまあこんな話を考えるものだと思うのが、この「目薬」
です。「犬の目」などもそうでしょうね。
旦那が職人の長屋住いの夫婦。旦那が目を患って仕事にいけないために生活に困っております。釜の蓋が開かない
という状態になっております。女房なんざ何日も米の飯を食べてなくて芋ばかり食べて凌いでおります。
医者に行きまして目薬を貰ってきました。目薬というと滴薬だと思うのですが、これが粉薬でしてね。袋に使用方法が
書いてあるのですが、職人のことですから字が読めません。かろうじてひらがなならばなんとかという状態です。
うまいことに平仮名で書いてありましてね、「このくすりは、めじりにつけてもちいるべし」としてあります。
ところが「め」という字がわかりません。女房と相談しているとね、たしか湯屋の暖簾の女湯のほうに書いてあった字に似ていると言うになります。「女」と「め」は出所が同じですから形が似ております。
職人は「このくすりは、女しりにつけてもちいるべし」と読んだ。
女房の尻に薬をつけて自分の目が治るというのは不思議なのですが、医者のいうことだからとね信用して、やって
みることに。
女房に尻を出させて、どこにつけるかと思案したが真ん中の尻の穴に耳掻きで薬をつけた。
たまらないのは女房のほうです。くすぐったいのに加えて、毎日芋を食べてお腹にガスが溜まっていますから、
こらえ切れずにおならを一発。すると粉薬が飛び散りまして目の中に入ります。
「ほうこうやってすると薬がよく目に入っていいや。」
この夫婦の光景を思い浮かべてみて見てくださいな。滑稽間違いなしでしょう。
女房の尻を叩いて餅つきを真似た「尻餅」などを連想します。
それにしてもこの話は実話ではないかと思えるほどですね。
職人さん。毎日こうやって目薬をつけて治していたのでしょうかねぇ。
女房の方も大変でしたね。